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つゆのいろ

『水も滴る。』

鉛色に染まる六月の空。

天然パーマ族、試練の時季。
広がる髪を必死に抑え込む、憂鬱な雨降る出勤時。
駅の階段を見下ろすと
大量の傘が、一斉にぱっと咲く瞬間が待っている。
淀んだ空に光がさしこむような。

でも現実はもっともの寂しいもので、
それは花びらが透明なビニールだからなのか
まっくろくろすけの群集のせいなのか。
まるで空と心を反射してるかのよう。

そんな日本から色が消えてしまわぬよう、
たおやかに、凜と、梅雨を彩ってくれている花が。
この花なくして、梅雨は語れない。


一つとして同じ色がないのは
育った土壌の水質が色を決めるかららしい!

雨露と土という絵の具で、
紫陽花という水彩画を描く

こうして平成最後の梅雨も無事見送りました。

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