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無期限くるま旅のホンネ #4 図書館難民がツライ

カンタンな近況

私は今、大好きな沖縄で借りていた部屋を解約して、4年勤めた会社も辞め、DIYなしのN-BOXでパートナーとともに無期限の車中泊旅をしている。5月5日、こどもの日に沖縄からフェリーで出発して鹿児島にわたり、そこから3か月かけて私の地元・旭川市まで北上した。今はパートナーが彼の故郷・弘前にもろもろの目的を果たすためとどまっているので(私も3週間いた)、旅はそれぞれの故郷にて小休止中だ。

(サムネイルは弘前図書館内で読んでいた本たち)

今回のホンネ

今回のホンネは、どこかにロングステイしたとしても、図書館で本を借りられないのがツライということだ。

もちろん、図書館に通う習慣のない人には全くどうでもよいホンネなのだが、私は小~中規模の図書館が好きだ。それも、旅先でふらっと立ち寄って、その街ならではの郷土コーナーや、そこの司書さん・スタッフさんならではのディスプレイを楽しみたい。それって、ショッピングセンターにたまたまあった本屋さんに、ほしいものがなくてもついフラッと立ち寄っちゃうのとおんなじ。偶然のすてきな出会いに期待しちゃう。

7月の3週間、パートナーの地元の青森県弘前市にロングステイした。弘前駅前のホステルに長期滞在している間、2か月運転し続けた車にはなるべく乗らず徒歩圏で過ごし、25分で行ける弘前市立図書館によく通った。

決して広くはない、一度通っただけで各ジャンルのあらかたの位置は把握できてしまうような小規模の図書館だ。学生が自習に使うような学習室は図書室とは別にしつらえられており、グループで机を占領しているような利用者もなく、閲覧用のテーブルやカウンター席はいつもゆったりと空きがあった。NDC(日本十進分類法)により並べられた(昔、旭川の図書館でアルバイトをしたことがあるので、9xxが文学、7xxは芸術、など大まかに覚えている)それぞれの分野の蔵書も決して多くなく、かえって短時間で気になる本を手にとれる。

長い車での車中泊生活で、主に移動しているか、観光するか、食事するか、寝るかだったので、ゆっくり座って本を読むという機会も少なく、私はその図書館で、オールジャンルの無料の食べ放題に連れてこられたかのようにワクワクしながら、手当たり次第気になる本を抱えては席に座り込んでかじり読みした。軽食を持って行って、休憩をはさみつつ、1日5時間以上滞在する日も何度もあったけれど、その日に各棚から集めた本はだいたい読み終わらない。タイムリミットが来て、名残惜しい気持ちで本を戻してしぶしぶ帰り、またすぐ翌日にでも訪れた。読みかけの本はもちろん、新たに気になる本を取り出してまた机に積み上げた。ノートPCを出して、本を読みつつnoteを書きもした(閲覧コーナーでPCを使用していいかスタッフの方に聞いたら、NGではないが、なるべく学習室で、と言われた。しかし、カードなしでは本を持ち出せないので、閲覧コーナーで使用させてもらった)。

住んでいるか通勤していなければ利用者カードが作れない

長くなったが、このようにして、ロングステイならではの知らない街での図書館通いというのは、新鮮な気持ちで本を読めるので心豊かになれる最高の体験だ。けれど、読みかけの本を借りて帰ることができない。そこに住んでいること、または通勤していることを証明するものが何ひとつない。もちろん、そこに住所もなければ無職なので当然だ。公共図書館の利用者カードを作れる条件はほとんどの場合、住民であるか、通学者・通勤者になる。

さて、北海道の実家に帰ってきたものの、どうやら地元の図書館の利用者カードは処分してしまっていた。今、石垣の母の家に住民票を置いており、父の居る北海道の実家に住所はない。いくら地元とはいえ、カードは作れないはずだった(つまり、私が現在利用者カードを作れるのは、石垣市立図書館のみということになろうか)。

読みたい小説の新刊があったが、借りてこられないし、図書館で読み切るほど速読ではないし(え)。。。あきらめるか、買うか…?

長居しやすい図書館と、そうでない図書館がある

カフェなどにも言えることだと思うが、長居しやすい図書館とそうでない図書館がある。カフェは、電源やWI-FIがあると、長居してもいいんだなという暗黙の了解にとらえられるし、チェーン店は圧倒的に分かりやすくて居やすい(コメダやスタバにどれだけお世話になったか)。

図書館で言うと、あくまで私的な感覚だが、あまりに田舎過ぎて、地元の未就学児~小学生とそのお母さん、そして高齢の方ばかりで、あくまで本を読んだり借りたりするためだけに来るような小さすぎる図書館は、常にスタッフの方の目にさらされるし(落ち着ける死角がないというか)、誰も勉強したりPCを開いたりしないので、長居しづらい。まず、学習専用の席など設けられていない。仕事をしに来る人もいない。

でもある規模以上になると(感覚としては市立以上)、学習や作業専用のスペースが設けられ、周りに迷惑をかけない程度に静かに思い思いの過ごし方をする人が増える。弘前の図書館はそのラインを超えていたが、私の地元の図書館は町立であり、それが難しかった。私が小学生の頃からスタッフさんが変わらないような地域密着ぶりは、あたたかみもあるけれど、人によっては行きづらさもあるかもしれない。

長居しづらい図書館となれば、やはり本は借りて読みたい。でも利用者カードが作れないからできない。
ロングステイの小さなジレンマ。
人によっては、全くどうでもいいような旅のホンネ。でもこれ、どうにもならないので結構ツライ。そしてまだ旅の終わりは見えない。

ありがとう弘前市立図書館

とはいえ、つまるところ、長期滞在した弘前の図書館が、居心地のいい図書館でよかった。うん。お世話になりました。


以下、無期限くるま旅のホンネ過去記事


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