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のんびりやさしい。鬼が見守る金の島、佐渡ヶ島

みなさんは新潟県の“佐渡ヶ島”をご存知ですか?

日本海側で最も大きな離島で、新潟県の横にアルファベットの「S」のような形で存在しています。
「朱鷺(とき)」という羽色のグラデーションがきれいな鳥がいて、「たらい舟」が有名です。

この島でここ数年話題なのは「佐渡金銀山」が「世界文化遺産」に登録されるかどうか。

映画のロケ地としてもよく選ばれており、今年の5月31日公開の小松菜奈さんと松田龍平さん主演「わたくしどもは。」という映画がオール佐渡ヶ島ロケでした。
他にも、櫻坂46「Nobody’s fault」のMVやゴールデンカムイなどにも登場します。

祖父が佐渡ヶ島にいる私としては、佐渡ヶ島に注目が集まるのが嬉しくてしょうがない!
ただ、シャイな県民性の影響か、なかなか発信されている情報が少ないような気が…。

ということで今回の記事では、佐渡ヶ島のおすすめ観光スポットを紹介し、この島の魅力をお伝えします!

1.佐渡金銀山 〜世界文化遺産候補〜

まずは最初に世界遺産候補の佐渡金山について。

1601年に開山された佐渡金山。
採鉱小判鋳造がこの地で行われ、江戸時代の芸術や文化を支えました。
(当時は江戸幕府の直轄領でした!)

「で、何がよくて世界文化遺産として推薦されてるの?」
ということが気になると思いますが、主なポイントは下記の4つ。

  1. 佐渡では19世紀半ばまで手作業で金を生産していて、技術が優れていた。(15世紀以降、世界で鉱山開発は機械化されていた。)

  2. 生産体制が整備されていたので鉱山の特性に応じた開発ができ、長期間に渡り金を生産できた。(結果、佐渡金山は400年続いた)

  3. 全盛期の17世紀には世界最高品質・最大量の金を生産した実績がある。

  4. 【鉱山地区】【鉱山集落】【坑道・排水路】【奉行所跡】など、当時の文化を現す施設・設備が現在いい状態で残っている。


難しくいいましたが、ものすごくざっくり言うと
「整った体制の中で価値ある金を大量に採取したし(しかも手作業だし)、その頃の施設と集落が令和の今も当時のままきれいに残ってるんですよ!文化遺産ですよね?」
という感じです。

平成元年に操業休止するまでの400年間、佐渡ヶ島にたくさんの歴史を刻んだ金山。(平成元年って割と最近ですよね!私はそれに一番驚きました。)

当時の様子はここで見学できます。

📍史跡 佐渡金山
〒952-1501 新潟県佐渡市下相川1305番地

そしてここでは、見学コースが2つ。

  • 宗太夫坑 江戸金山絵巻コース →   江戸時代初期の手掘りで採掘した時代

  • 道遊坑 明治官営鉱山コース →   明治時代に近代化され、機械で採掘した時代

それぞれ味があって面白いのでぜひ2コース両方見学することをおすすめします!
(「なじみの女にあいてぇなぁ」で有名なおじさんは宗太夫坑コースにいます。)

「道遊坑コース」の最後には、金脈を掘り進めたら山が割れてしまったという壮大な採掘跡の前で記念撮影が可能です。

人間が手作業でこの山を切り崩したと思うと、金へのものすごいパワーを感じますよね。

金を求めてできた割れ目

2.北沢浮遊選鉱場跡 〜佐渡ヶ島のマチュピチュ〜

続いて、「佐渡ヶ島のマチュピチュ」としてフォトジェニックスポットになっている北沢浮遊選鉱場跡。

元々鉱物に使用していた浮遊選鉱という技術を金や銀に応用し、実用化した場所です。1938年から1952年まで選鉱場として稼働していました。

曇天のマチュピチュ

私は昼にしか行ったことないのですが、夜はライトアップされて別の顔を見せてくれるようです。

鉱場跡としての役割を終えた後も、みんなに注目されるスポットになっているのはなかなかエモい話ですよね。

📍北沢浮遊選鉱場跡
〒952-1539 新潟県佐渡市相川北沢町3−2


3.万畳敷 〜佐渡ヶ島のウユニ塩湖〜

「佐渡ヶ島のウユニ塩湖」のフレーズと続々とSNS投稿される写真が話題になり、地元の人よりも観光客の方が詳しい場所。

「万畳敷」というワードも地名ではないので、地元の方には馴染みがありません。

地震で隆起してできた平らな土地が一面に広がっており、写真を撮りながらでも安心して歩けるスポットです。

天気が良ければリフレクション写真が撮れ、「ウユニ塩湖」に行ったかのような気持ちになりますよ。

秋晴れの万畳敷

📍万畳敷
〒952-0621 新潟県佐渡市沢崎


4.大野亀 〜標高167mの一枚岩〜

大野亀とは大きな一枚岩。

櫻坂46の「Nobody’s fault」のMVラストシーンのロケ地でもあり、最後にメンバーが一斉に駆け上っていく姿は大野亀の大きさを感じるシーンです。

「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で二つ星認定された絶景が素晴らしいのはもちろんの事、「トビシマカンゾウ」の群生地でもある大野亀。

5月下旬〜6月上旬にかけて「トビシマカンゾウ」の黄色いお花が大野亀を彩る風景は圧巻です。

5月下旬の大野亀

📍大野亀
〒952-3203 新潟県佐渡市願


5.大佐渡石名天然杉 〜天然杉の森〜

樹齢300年の杉が楽しめる石名地区。

天然杉を見て回れるかなり歩きやすい700m弱の遊歩道があり、遊歩道の近くまで車で行くことができます。

雨でも歩きやすい遊歩道

中に入ると「象⽛杉」「四天王杉」「⼤⿊杉」「家族杉」「⽻⾐杉」と名付けられた天然杉が順番に出てきます。

杉の形を見て名付けの意味を理解し、神秘的な気持ちになりつつ、きれいな空気を吸って自分の心が整っていくのを実感します。

私が一番好きだったのは「四天王杉」ですね。
大きくて艶があって、すごくかっこよかったです!

霧の中の四天王杉

📍大佐渡石名天然杉
新潟県佐渡市


6.鬼太鼓 〜鬼が滅んでいない島の春祭り〜

時々パンフレットで「鬼が滅んでいない島」というフレーズを見かけますが、馴染みのない人は「鬼が滅んでいない島」ってどういうこと?ってなりますよね。
なかなかのパワーワードです。

佐渡ヶ島には「鬼太鼓(おんでこ)」という神事があり、4月中旬の春祭りで鬼が集落の家を一軒一軒を回り、玄関先で鬼太鼓という舞を披露します。
目的はもちろん【五穀豊穣】【家内安全】【無病息災】【邪気払い】を願うこと。

佐渡ヶ島の鬼は悪者ではなく、島民の守り神です。

春を祝う鬼太鼓

佐渡ヶ島の自然の中で、笛の音に合わせてかろやかに舞う鬼はとても幻想的で、この鬼にはずっと滅ばないでほしいと願っています。

笛の音と一緒に聞こえてくる虫の音や、木が揺れる音をずっと聞いていると、自分の身体が島の大自然に馴染んだような、島と一体化したような気持ちにさえなります。

鬼に守られて生活している島民がとても羨ましくなるお祭りです。

ちなみに鬼太鼓は集落ごとに演奏、舞の型、衣装が異なり、大きく5つの流派があります。
継承方法が口伝のため、流派ごとに雰囲気が全く違います。

春祭りだけでなく、夏の花火大会やお祭りなどでも見ることができるので、流派の違いを見比べ、好みのスタイルを見つけてみてはいかがでしょうか?

佐渡ヶ島はのんびりしていてやさしい

船で港についた瞬間からのんびりやさしい風を感じられるのが、佐渡ヶ島のいいところ。

ゆっくり進む島時間の中で、これまで島民が積み重ねてきた歴史を感じ、大自然の偉大さを感じることができます。

遠い昔から自然と共存してきた美しい佐渡ヶ島。
ぜひ一度、船に乗って行ってみませんか?

ちなみに冬の佐渡ヶ島は寒さが厳しいので、春~秋の観光がおすすめです!


参考


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