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ネタバレ感想「Unnamed Memory」3巻(著:古宮九時 電撃の新文芸)

電撃の新文芸「Unnamed Memory」全6巻本編完結(勝手に)記念!
ネタバレ感想!第三弾!!やっと折り返しじゃ~~!!!
ちょっと興味あるけどいきなり6巻は多いな……って方はぜひとりあえず3巻まで読んでみてください!ちょうど良い区切りですから!!よろしくお願いします~~~!!

そしておそらく、3巻まで読んだら続き読みたくなると思いますので(笑)。

<※注意>
・考察じゃなくてあくまで無駄に長い感想です。語彙力などない。
・書籍化部分(「Unnamed Memory」全6巻&「Babel」3巻まで)のネタバレには配慮していません。かつWEB既読組なので古宮先生の個人サイトおよび投稿サイトに掲載されている全作品および同人誌についても、匂わせたり触れてることもあると思いますのでご注意ください。
・でも、大体全部読んでるはずなのによく色々忘れてるので的外れなこと言ってることも多々あると思います。伏線とかは信用してはいけません。間違ってても優しく見守ってください(笑)。

・私はオスカーが好きです。(そろそろ言っておかないといけない気がした)

表紙・口絵

ご結婚おめでとうございまーーーす!!な表紙で素晴らしい/// 青き月が輝く幻想的な世界が本当に美しいです/// 
ちなみに私、引出物皿の当選者だったりします(笑)。

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ティナーシャのヴェールはもちろん御両親からの贈り物ですよね……とっても素敵/// でもよくよく見るとオスカーが後ろ手にティナーシャの白いリボンを隠してたりとか、ティナーシャ側のお花は青い薔薇だと思うのですが、オスカーの足元に咲いてるの、青くて花弁が6枚あって、で検索してみたんですがハナニラが一番似てるような気がしました。花言葉は「悲しい別れ」「耐える愛」などだそうで……うん……。………色々と意味深な感じです。
あとたぶんだけど6巻の表紙と対になってる気がします?
口絵はレオノーラ戦ですね。どちらの魔女もチラリとのぞく素肌がなまめかし(げふん)。レオノーラの口許の黒子がすごい色っぽくて納得!な感じ。
あ、そうそうラナクの顔は割と想像通りだった私ですが、実はトラヴィスが個人的には一番予想外だったんですよねー!いや勝手にもっと男性的な外見だと思っていたもので……。まさかあんな花のお兄さん(笑)みたいだとは思わなかったというかww いやでも今となってはめちゃめちゃしっくり来てますよ!まさに人外な美形って感じで。あの胡散臭そうな感じとか!!(笑)

1.駆け引きの残り香

執務室に戻って来たらオスカーがいなくて、すぐに抜け出しを疑って塔から吊るそうとするティナーシャ様。こと抜け出しに関してはオスカーの信用ゼロですね(笑)。自業自得ですけどw
薄紅色のドレス着てるティナーシャ珍しい~~!!いつもはオスカーの好みでモノクロが多いですからね。
根回しを怠ったら余計面倒くさいことになったの巻。
というかティナーシャ様「俺に好かれてる自覚を持て」ってオスカーに言われたの覚えてます?w そりゃぁそうなるよなって読者は思いましたww あとすぐ記憶弄ろうとするの悪い癖ですよ!!(ルクレツィアの所為)
「俺ならこれを妻にしても不足がない」という言葉がとってもオスカーらしいというか。すっごい自信家でオスカーじゃなきゃ殴りたくなりそうな台詞ですが(ぇ)、ティナーシャが自分に、ではなく、自分がティナーシャに、並ぶのに不足がないっていう言い方するのが、結構好きなんですよね、2巻にある「お前に俺は合ってるよ」というのもそうかな。
ちょっと期待してたオスカーが可哀想w ティナーシャの外見はもちろんですが、オスカーとのやりとりを見せ付けられたら、そりゃ敵わないと思うでしょうねぇ。
ティナーシャが「魔女」としてだけではなくオスカーの隣に立つひとりの女性として、少しずつ受け入れられ始めているのを見ると嬉しくなりますね。
ところで、天井に逆さになって頬杖ついて眼下のオスカーを見上げているっていう状況が、何かこう、上下の感覚が狂うな(笑)。

2.顧みられない棘

呪歌の講義に巻き込まれる武官ふたりとオスカー(とラザルもかな?)w アルス達に許可取ってなさそうだけど今から掛けますよ~では効かなくなりそうな気がするので仕方ないのでしょうが、メレディナは未だしも男性陣が可哀想w ファルサスの魔法士たちは割とみんな自由だなぁ(笑)。
ティナーシャの歌声聴いてみたい~~~/// いや呪歌は勘弁ですがw アンメモがアニメ化したらティナーシャ様の声優さんには主題歌なり挿入歌なりをぜひ歌って頂きたいですね///(夢は広がる)
呪歌の仕業ではと言われている過去の事件はほぼティナーシャが原因だそうで……、なんていうか生きる伝説かなw そして確かに今でもわりと短気w
ティナーシャを受け入れ始めている人が増えている一方で、こうもハッキリと直接告げる人は少なくても、当然ノーマンのような考え方の人もそれなりにはいるわけで……。「魔女」が人々にとって畏れと災厄の象徴であったのは事実ですから、仕方のないこと、ではあるんだろうなぁとは思うんですよね、いや私の心情的には怒ってるパミラと同じ気持ちですが……。
ただ一番悲しいのは、そういう言葉そのものでも、そう思う人がいることでもなく、ティナーシャ自身がそれを当然のこととして受け止めてしまうことだなって思います……。自己肯定感が低い……。
涙を堪えながら、人として生きて死んで、幸せになって欲しい、と訴えるパミラに全面同意!だし本当にありがとう好き~~~って気持ち///
魔女のティナーシャにとって、自分をトゥルダールの女王として敬い仕えてくれるパミラの存在は、オスカーとは全く異なる意味でちゃんと彼女を支えてくれているのだと思います。
ティナーシャ本当にオスカーの瞳の色好きですよね。400年以上生きて来た魔女が口にする「一年が長かった」という言葉の重みよ……。
ティナーシャ様本当にオスカーが気付かなければ記憶消してみるつもりだったと注釈で語られててな……、ホント!ほんとう!!そういうところですよティナーシャ様!!!
絶賛迷子の仔猫ちゃん状態のティナーシャが、迷いながらも揺るがない素直な感情として、オスカーが「特別」だという。自覚への第一歩ですね。
そのまま委ねそうになったところで、邪魔が入りました(笑)。いやラザルじゃなくてレオノーラですw 怒られ損なお疲れラザル!!ww
ものの見事に引っ掻き回されてる感。さすがレオノーラ狡猾……。しかしオスカー馬鹿力かよ……w 分かりやすい脅威にはほぼ無敵な彼ですが、弱いところをまんまと突かれましたね……。凶器が長針なの、まさに「棘」に刺されたって感じでぞわってするな。ティナーシャが詠唱でずっと「拒絶する」って繰り返してるのが、ほんとうにめちゃくちゃ痛々しくて……。
ケヴィンがロザリアの名前を呟くのも、こう……妻が命を賭して守った息子が今また目の前で失われようとしてる現実が、なんともやるせなく……。
ルクレツィアが怒るのもめちゃめちゃよく分かる……。ルクレツィアは、当然だけどオスカーよりもティナーシャが可愛くて大事で、言っちゃなんだがオスカーが死んでもなんとも思わないけどティナーシャが死ぬのは嫌なんですよね……。だからこそ、基本的に人の自由を尊重している彼女がティナーシャを強い口調で止めるのって珍しいことかもしれないし、最終的に協力してくれることを決めたのは、ティナーシャの自由意思を尊重したからこそ、なのかもしれない。
ティナーシャは、目的があると強いなって思うのと同時に、目的のためには迷わず自分を顧みない部分が、危ういなぁとも思うんですよね……。
魔女の記憶操作まじ怖い……いや「螺旋呪詛」でたっぷりとその怖さを味わいましたけれども……。何が一番怖いって「青き月の魔女」の塔を登ったという記憶はあるのにティナーシャの記憶ないのが……。
私は!オスカーにとって、ティナーシャが自由を与えてくれる存在っていうのがはちゃめちゃに好きなんですよね……!!///
ノーマンがティナーシャを認めなかったのは、彼女の女王としての側面を今まで知らなかったから。というのがあるとしても、オスカーに記憶戻るきっかけをありがとねノーマン!!人によって、ティナーシャのどの部分を重要視するかは違ってくるのでしょうから、どっちにしても難しい問題であるのは変わらないでしょうが、ひとりでも認めてくれる人が増えるのはとっても嬉しいことです。
良かれと思ってお勧めしてみたら悪化しちゃって大変不本意なルクレツィアさん、当然のことながらお怒りです。でもティナーシャにとってオスカーは本当の意味で唯一無二ですからね……他の人はあり得ないという……。
横たわる痛ましい姿に「ずっと欲しかった彼女からの執着の証」のような気がして後悔と充足を感じてるオスカーの罪深さというか普段見せないめちゃめちゃ重い感情というかが、ここでちらりと垣間見えますね……。

3.分からないこと

ティナーシャと付き合っていると「驚きに事欠かない」ことは、一番永くから在る魔女のルクレツィアにとって、永い時を生きるうえでの、良い刺激になってたりはするのかもしれませんね……。人生には驚きが必要なのさ、とどこぞの刀の付喪神も申しておりますし(笑)。
所構わずいちゃつくから臣下が困ってますよ!!!w そして恋愛ポンコツティナーシャ様ww 返答が振出しに戻ってるようなちゃんと進展してるような、オスカーはもう、ここまで来たらあとは時間の問題だと思ってるからかもはや笑い事である(笑)。
そしてなぜ笑われたか分からないティナーシャ様を前にしたこの何とも言えない臣下たちの空気よ!!www レナート勇者かな!?!ありがとうよく言った!!!しかしティナーシャ様が動揺すると周りに被害が出るから大変です……w そしてついに来ました伝説の多数決!!!wwww 「私ってオスカーのこと好きだと思う人ー?」じゃないんだよなぁぁwwww
せっかく一息ついてたところにまた嵐のようなティナーシャの相手してさすがにルクレツィアお疲れ様って言いたいw どうして「もう殺すしかない」なんですかねぇぇぶっ飛んでるwww
談話室の机は尊い犠牲になったのでした(笑)。そしてついに本人に聞きに来るティナーシャ様ほんと面白すぎるでしょうww この一連の流れ本当大好き過ぎるwww
ここで、初めて泣くティナーシャに、すごくすごく胸が熱くなります……。あぁやっと、オスカーのところに辿り着いたんだなぁって。本来なら生まれた時代が違う、出逢う筈のないふたり。ティナーシャが長い時を超えたのはオスカーに出逢う為だったんだと、彼の隣が終着点なのだと、そう思えることが、幸せです。
ここに挿絵指定をしてくださった担当様方に感謝を!!ありがとうございますぅぅ/// ほんの少し前まで好きかどうかも分からなかったのに、ちゃんと自覚したら「愛してますよ」と素直に伝えてくれるようになるんですよねぇティナーシャ……///
最初に言っていたように純潔じゃなくなっても、必要な魔力量は跳ね上がっても精霊魔法も使えるのはさすがですが、構成の組み直しとか創意工夫とか元々好きなんでしょうねティナーシャ。周囲にバラされて、わーわー言ってるけど昨日の今日で?!みたいなのはあっても、正直臣下一同やっとかぁという気持ちのが大きそうですw

4.白紙の子供

ようやくここまで来たと思ったら「結婚はちょっと」って言われるオスカー可哀想ww まぁでも、ティナーシャが拒む理由も解らなくもない、んですよねぇ。とりあえず記憶消すのだけはやめたげてくださいね……?(トラウマ)レギウスの代から政略結婚してない、ってことなので、つまりはレギウスもちゃんと恋愛?結婚なんですよね!?いやララさんしかレグを御せないと周りから思われたからかもしれないがw
実際に、子どもの問題だけじゃなくて、魔女が王妃になることに対して色んなところに反発は生まれるであろうことは事実であって、本編後とかを思うと色々心が痛くなる私ですが……、まぁでも全部、今の段階では「起こってもいないこと」でもあると言えばそう。
5人の魔女はすべて後天的に成ったもの、そして6人目の魔女は、生まれながらにして魔女である。と、トリア………。
レナートが日々充実してそうで大変よろしいですね!復讐以外の生き方をそうしてもっと色々たくさん経験して見つけていってくださいな。
塔を登り切らなくても、切なる願いは出来るだけ叶えてあげようとしてきたティナーシャ、そんな彼女だからこそ本編後にも繋がると思うと嬉しい気持ちと、そうして叶えるのが魔女かエルテリアかの違いがあっても、そこにある人の願い・想いに差はないのだよなぁ、ともしみじみ思います。そして同時に、エルテリアで為されたいくつかの奇跡は、もしかしたらそうして「人間」の手で、悲劇を回避できたものも、あるのかもしれない、とも……。
子どもの教育に悪いオスカー(笑)。いやでもよく10歳くらいの子ども達だけで無事に塔までたどり着いたね?!見たことないものを信じられない気持ちも分かりますけどね。ところで額にキスするなんて罪なお姉さんだな!!w魔法士は本来予め構成を組んでおくもの、って話は前にしてましたね。というわけで予め組んだらすごいのが出来上がったという。ティナーシャに対して「常識で考えると損」が的を射すぎて笑うしかないw
オスカーの魔力が封印されているのは、やっぱり本編後はちょっと状況が違うんだろうなぁ?たぶん??「ちゃんと魔法士として訓練していれば~」は残念ながら訓練しても向いてませんでしたけどね!!(笑)
「力は使いようだ」というのはアンメモをはじめ「memoriae」シリーズを読んでいると、ずっと考えさせられる命題の一つだなって思います。
「最初から可能性を奪うな。子供に生まれる機会をくれてやってくれ」というオスカーと、のちに出て来るオーレリアの言葉にすごい胸を打たれるんですが、私は彼らの子ども達が、三姉兄弟が大好きなので、後世でなんて語られようとも、生まれてくる子達を絶対に否定したくはないです……。
正装オスカーの肩にナークが居るよー!!3巻で初出では?!(些細な描写に喜ぶナーク愛)すっかり着せ替えられることに慣れた魔女w 正装したふたりが並んだら圧巻だろうなぁ美男美女……///
ファルサスの新年の儀式、どうして盃を3つに分けるのか、どんな意味があるのか、とか良い研究テーマになりそう(?)。普通に考えれば天地人だろうけど、この世界は位階があるからなぁ~そっちかもしれない??
魔女だからってだけじゃなくても、他国に嫁ぐっていうのは、たぶん普通の人だって多かれ少なかれ不安と恐れを抱くものなんじゃないかなぁって思うんですよね……。
ところでティナーシャが張り巡らせた知覚とほぼ同時に気付いたオスカーは本当に何者なの(笑)。
サイエくんさすがに城都の子だからか、2巻の男の子に比べて陛下に礼儀正しいw 雨を雪に変えるティナーシャすごいな……。こうしてオスカーの世界を広げてくれるティナーシャが大好き///
ティナーシャのトラウマ解消は、多分に相手がオスカーだからっていうのはあると思う。それだけオスカーに信頼を寄せているというか……。自分を決して傷つけないと信じてるから。って書こうかと思ったんだけどなんかそれもちょっと違うんですよね……、ティナーシャってオスカーにだったら何されても良い、みたいなところあるし……。
生んでもらってよかったというオスカー。ティナーシャも私も同感です。ロザリア様に生んでくれてありがとうな気持ち。
幸福も悲劇も、その時にならないと誰にもわからないのです、だから人はみな今を懸命に生きるだけ……。ツケは誰が払ったのか、とか考え出すと胃が痛くなりますので……。

5.爪を切る夜

恋人になったらなったで結局距離感がバグってるティナーシャ相手にどっちにしても自制するのはオスカーの方という(笑)。
ケヴィン様もたった30歳で愛するロザリア様を亡くされて、しかもその死の理由が息子の命と引き換えにした禁忌の結果だからと、義母に呪いまで掛けられて、それでも鷹揚として15年間国を支えて来た姿を考えると、心の強い人だなぁってしみじみ思いますね……。たぶん本編後が一番幸せな人。
まじティナーシャが居ると移動便利だな~~w
当の本人たちがすっかり忘れてる婚約者設定。恋人にはなっても婚約者にはまだなってくれてないからね、設定のままw
魔女のティナーシャに嫉妬心がないのは、愛情でも増悪でも人は人を殺すから強い感情を持ちたくないっていうのと、同じような理由ですよね。
そして色んな意味で諸悪の根源(?)トラヴィス登場です。この口調でこの外見絶対詐欺だって!騙されてはいけませんよ!!w 「大事に育ててる」を信じてもらえなくて嫌そうな顔してるけど、どこをどう考えても自業自得だよ!!いや、本当に大事にしてるんだけどさ……。
ってことでオーレリアも初登場可愛い~~~!/// トラヴィスの腹を殴って真正面から怒れる貴重な存在……もっとお願いします。このふたりは2幕の方が出番が多いからたぶんそっちでもう少し語りますが、ホントに普通に一本別の長編恋愛小説の主役を張れるふたりだと思う……。
望まれぬ異能を持って生まれて来たオーレリアの言葉が、ティナーシャには本当に身に沁みたのでしょうね……。その異能を持つが故につらい思いもたくさんして、でもそれでも懸命に前を向いて生きていこうとする人間の強さが美しく、そして、彼女が今そうあれていることに、トラヴィスの存在は大きいのだろうなぁとも、思う。
猫を洗いたいのはオスカーの趣味(笑)。ティナーシャが黒猫ならオスカーは大きな犬……。いいですねにゃんことわんこが仲良しかわいい///
「12」ってなんかやっぱり収まりの良い?数字というか、なんか意味があるのかなぁと時々思ったりとかして。12体の最上位魔族、12体のトゥルダールの精霊、12人の外部者と12個の呪具、EoMを含めるなら12のエリアに分かれたシティ、とか。そして、だいたい13番目がイレギュラーな存在であったりするのとかも、ね。
普段オスカーがあまりにも人間離れしてるから目立たないけど、アルスもめちゃめちゃ優秀だなってよく分かる。かっこい~~!
ティナーシャ様におかれましてはもっと羞恥心を持って!!!!w  「繰り返し触れられる過去」でも現場を離れて疑われてたティナーシャだけど、でもあのガンドナ王の態度だとどっちにしても疑われてたかもですね。
オスカーとオーレリアは完全にとばっちりである。レオノーラは裏から国を動かしたりするのにあまり魔法を使わないっていうの、なんか、こう、3巻の注釈で語られてた「魔女に成ったことをずっと後悔している」っていう心の奥底の心情も、ちょっと影響してるのかなってふと……。
「Babel」の方でエリクが「この世界の御伽噺は実話をもとにしたものがほとんど」という話をしてくれてますが、その通り「琥珀城」も実話でした。というか御伽噺の何割かは魔女の所為では………(笑)。
「ばれないように」「ちょっと行って殺して」くることを、実際やろうと思えばやれるんだろうなぁとFanboxにあるとある話のおまけを読むと思ったりしなくもないというか………。ティナーシャの苛烈さ、研ぎ澄まされた殺意はそれだけオスカーへの愛情深さの表れでもあるのでしょう。だからそれを怖いと感じることがないわけではなくても、ただただひたむきな愛情が愛おしくも思うのです。

6.砂のお城

珍しい組み合わせで砂漠を馬でふらふら。雫が見たらラクダはいないんですか?って言いそう(笑)。
政治的な交渉事、確かに仕官組の中だったらドアンが一番向いてそうな感じはする。基本的に物事俯瞰して見てる感じっていうか。
ミラ可愛い~~~!!2幕も含めておそらく出番が一番多いからかもしれないけど、精霊たちの中では最も存在感があるミラ。ティナーシャのこと好きなのもめちゃめちゃ可愛いし、ここでは他の人間には素っ気ないけど、でも長い時を経て一番『人間』のこと好きになってくれたのも彼女なのかなぁって思うので、……だからこそ最後まで残ったのが彼女なのが、切なくも、必然だったのかなって思ったりもする。
アデライーヤ、オスカーに直接接触したのが運の尽きですね。不機嫌そうに変化を解かせたのには、「森の見る夢」でのトラウマが刺激されたこともあるかも?「お前はレオノーラに大切にされているか」っていうオスカーの台詞も、色んな意味にとれるよな~って思う。お前は交渉材料(人質)になるのか、情報を持っているのか、みたいな意味にも、もっと皮肉っぽく、捨て駒にされたんじゃないか、ここでお前が殺されたらレオノーラは悲しんでくれるのか、みたいな意味にも取れるかなって。ルクレツィアの魔法薬こわぁw ティナーシャが内戦を遅らせようと介入しようとして、オスカーはそこまですることはない、ってスタンスなのは、オスカーはファルサス(他国)の王だけど、ティナーシャはファルサスが擁しているとはいえ彼女自身はまだあくまで「青き月の魔女」だから。っていう、国に縛られず自由に動ける立場かどうかの違いもあるのかもしれない?
マリアを血の一滴も残さず消し去る無慈悲さと、サヴァスに王族としての在り方を突きつける厳しさと、最後は母の面影を見るほどの優しさと、本当に月の満ち欠けのように見える表情が変わるティナーシャ。そして王子様を説得するの、ルスト王子に続いて2回目ですねw
暗黒時代から生きてる魔女、やることがえげつない(笑)。それ軍以外にも被害出ないです?大丈夫??ww
ウナイとレオノーラの関係も、なんか、いいですよね……恋人とはまた違うんでしょうけど、特別な存在であるんだろうなっていうか。
力ある者に、どうして助けてくれないのかと責めたくなる気持ちも分からないではないのですが、それは結局甘えでしかないのでしょう、本来王族の一人として自国や民を守り救う責務は、彼女自身にある以上。でもネオナことネフェリィ王女がオスカーに惹かれる気持ちも、今の状況で何も出来ていない無力さを味わっているからこそティナーシャに嫉妬するのも、なんともよく分かるというか……。彼女が正妃だったこともあるそうですが、知りたいような知りたくないような……いややっぱり知らなくていいです………。
「私が御されているくらい」というティナーシャの台詞を読むとオスカーの属性を思い出しますね。
「湖の畔」では一蹴された求婚が!ついに了承されましたよ!!!あの時は戦いに出るティナーシャを見送るしか出来なかったオスカーは、彼女自身に鍛えられたことで今はティナーシャの隣に立ち、共に戦場に向かえるっていうのも、対比になってていいですよね……///
ここでリボンが、ティナーシャのリボンがオスカーに……。
パミラも命大事にしてーー!ティナーシャへの忠誠心が強過ぎて変に思い切りが良いから怖い!!ドアン止めてくれてありがとうね!!!そしてミラがかっこいいし、久しぶりの年単位が魔族ならではw
召喚が得意だというレオノーラ、まさか城をまるまる呼び出すとは思わんだろって話w でもまぁレオノーラにとっては、それこそ私たちが虫や植物の時が閉じ込められた琥珀を、綺麗だなとかすごいなとか悠久の時を感じるとか言いながら鑑賞してるのと同じ感覚なんでしょうね……。
レオノーラの過去は知れば知るほどにつらいし、トラヴィスはひとでなしだし、ほんと……。レオノーラのビジュアル、双子だった事実を意識して見ると、髪形とか黒子とか左右非対称な造形してるのもなんだか意味深に見えて来ちゃいます……。
レオノーラからティナーシャに向ける感情は本当に複雑極まりなくて言語化出来る気がしないんですが、どこか自分に似てて、でも全然違くて、自分のようになればいいと思っているようなそうでないような……自分と違う生き方在り方でいられる彼女が、うらやましいようなそんなこと認めたくないような……。レオノーラは、一番「魔女らしい」魔女で、やることなすこと迷惑な「呼ばれぬ魔女」さんですが、ある意味では魔女の誰よりもずっと「人間らしい」ようにも思えてなりません。憎しみに囚われる自分を醜いと思うところとかも、なんか、わかるなぁって……。
憎悪ですべてを壊し尽くしそうになるティナーシャがオスカーの存在を感じて、自分を律するの、すごい、好きです。オスカーからティナーシャへの信頼も最高/// 随所に出て来る「余裕で勝とう」が合言葉なふたりが大好き。相手入れ替えての決着がまた熱いですよね!
こうして魔女はひとり減り、彼女の真実は誰も知らず語り継がれることもなく、歴史に埋もれていくのでしょう。

7.一幕が終わり前に

やっと念願の結婚式だーー!なのになんでこんなに不安になる章タイトルなのかなーー!?!(棒読み)
オスカーの宣言通り気が変わってしまったティナーシャ、オスカーの粘り勝ちですねw
サイエいい子ね、可愛いね、将来は本当に兵士になってくれたかな~。破壊力抜群のティナーシャの笑顔私も沿道に見に行きたいです///
1幕では謎の人物のままのラヴィニア、孫の結婚式を見に来たおばあちゃんとはティナーシャ以外誰も思わないでしょうね。ティナーシャを娶れるくらいなら自分を殺せるのと同等くらいの運命を引き寄せただろうってことで。でもティナーシャが魔女であり、ラヴィニアと顔見知りであるからこその判断なので、そこが2幕との違いですよね。
結婚式すごい素敵~~最高~~素晴らしい/// 挿絵がまた素敵ですよね!!こう、めちゃめちゃふたりの体格差が分かるところも……///
面白そうだから、でこれからはファルサス王家に継がれていくことを望んだ精霊達。大陸の歴史としても、ファルサスの歴史においても転換期と言える出来事だろうと思いますが、それでも、この先に続く歴史は、また別の人間たちによる別の物語だから……。
――これは魔女の時代の終わりであり、新しい時代の始まり。
になるはずだったんだけどなぁぁぁぁ。

8.背中合わせの記憶

オスカーが背負ったものが本当めちゃめちゃ重くて……。いや王族とは総じてそう言うものだと言われればそうなんでしょうけれども。でも彼は王族の責務に加えて、記憶を封じられてるとは言え自分の代わりに死んだ母のことも、全部全部背負って立ち、振り返ることも立ち止まることもせず、そうして歩みを進めた先に、ティナーシャと出逢って初めて自由を感じた。というのが、なんかもう……。尊い……///
王妃になっても魔法士への依頼を代わりにこなすティナーシャと、兵士の恰好してまで抜け出してくるオスカー。へ、平和だなぁ、幸せだなぁ。「結婚するか」「してるよ!?」のやりとり可愛すぎでしょ……でもどうしてこんなに切なくなるのかなぁ……ふふふ。幸せな新婚生活の描写増やしてくれて担当さんありがとうございましたぁぁっ!!
血に濡れた首飾り……これを贈ったのはラナクだとあとで判明しますが、ラナクはラナクなりに色んな葛藤があって、アイティを大事にしようという思いもあったんでしょうけど……ティナーシャはどんな思いでこの首飾りを箱に仕舞ったのかを考えると……。
そして、エルテリアに触れる前にこの首飾りを見ていたからこそ、彼女の経験した想像を絶するつらい出来事に、その後オスカーと出逢うまでの400年という時間の果てしない長さに思いを馳せてしまっていたからこそ、「始めの時に彼女の手を取りたかった。彼女が一番苦しんでいた時そばにいたかった」という願いを汲み取って、呪具は発動してしまったんですよね………。
魔法を絶縁する手袋着けてたはずなのにね……、本文中では魔法球とは書かれているものの、それは魔法法則外の力で動いているものだから防げなかったんですよ、っていうね。
ナークが可愛い、かわいい/// うぅ、ナーク可愛いで誤魔化したいけど、これ守護結界がない、っていう時点でもう、彼の妃である魔女のティナーシャはもうどこにも存在していない、っていう証でもあるわけで……。つらぁ。
どうして400年以上前の人と普通に言葉が通じるのかということに疑問を持った方は「Babel」をどうぞ!!!!
幼ティナーシャめちゃめちゃ可愛いです……/// もっと幼い頃は遠くに遊びに連れ出して貰った、想い出の一つが月水晶なんでしょうね。
未来の自分の夫(しかも400年後の)という男が訪ねて来たら、普通にめちゃくちゃ怪しい(笑)。でも本当に困ってるみたいだから、で力になってあげようとするティナーシャめちゃめちゃ可愛いし、すごい悪い人に騙されそうで心配になるし、それくらい、人付き合いの経験値が少ないのと、あと多分に人恋しさが、あるんだろうなぁと、思うと……。
オスカーは幼女趣味じゃありません(笑)。幼い相手は完全に庇護対象としてみるからか、後で親でも兄でもないって言ってるけど、実際接し方はそれに近いと思う。いや「手なずける」って言ってるからむしろ仔猫か(笑)。
オスカーにかかってる祝福と呪いに興味津々なティナーシャ可愛いな。勉強しかすることがなかった、というのもあるんだろうけど、元々勉強とか研究とか、やっぱり好きなんだろうね。
しかし、練習用の木剣はまだしも男物の服を欲しがったりするのを、不審に思いながらも不干渉を貫くっていうのも、本当に何だかなぁ……。まぁそれだけ、外から侵入者がいるわけがない(誰かが彼女と接してるはずがない)という過信があるからだろうけど……。
イトの御伽噺は、作り話じゃないんですよ……。あの世界の御伽噺はほとんど実話を元に、して……うぅっ……。この幸せな国王夫妻の会話が意味ありげに挿入される怖さよ……。たぶんきっと初読の方はここでかなりいやぁな予感を覚えたことでしょうね……。
じゃれついてるナーク可愛い~~かわいい~~~/// 人には慣れてないって言われてもだいたいオスティナに懐いてるところしか見てないから懐こいようにしか思えない可愛い~~好き~~いい子~~~(べた褒め)。
黒子の場所とか、まだまだ純粋培養なティナーシャの教育に悪いですよオスカー!!w
オスカーとしては、ラナクがこの先どれほどティナーシャを傷付けるか知っているから忠告したくなる気持ちもわかる(あとたぶん嫉妬もある)し、でもラナクの存在だけが支えだった幼い頃のティナーシャにとっては到底受け入れられるものじゃないし……。でもね、もうね、なによりも、泣きじゃくるティナーシャがあまりにも……胸が苦しくて……。オスカーが抱きしめてくれて、よかったな、って思ってしまうんですよ、ね。
オスカーが、自分たちが結婚した年を告げたのは、もうすでに変わってしまった過去の、このままでは未来で出会えなくなるかもしれない目の前にいる幼いティナーシャが、時を超えて、自分に会いに来てくれるかどうかの、賭け、ってことかな……。
……いやぁ、あの、ですね、この辺からこの章の終わりまで、ぼろぼろ泣いてしまってうまく言葉にならないんですよね、どうしよう……。

……私の、個人的な考えを述べるなら、過去を変えることは、『してはいけないこと』だと思っています。それは『今』を否定することですから。たとえば誰かが自分の幸せのために過去を変えた時、今幸せだったはずの誰かが不幸になるかもしれない。だから過去を変えるというのは、ひどく身勝手な行為だとも思います。
でも……、最愛の人がつらい思いをした時に傍にいてあげたかった、と願うことを罪だとは思わないし、大切な人を理不尽に失った時、過去に戻ってやり直したいと、少しも考えないでいられるものでしょうか……。
オスカーも、自分で思っているように、実際エルテリアが時を超え、過去を上書きするものであると知っていたなら、使用の可否を自分の意思で選べたのなら、きっと使わなかったことでしょう。6巻でも分かる通り、彼はどれほどつらい過去でも乗り越えて受け入れて生きていこうとする、強い人ですから。でも、彼に選択の余地はなく、過去に飛んでしまった。ティナーシャを想う愛情の強さに呼応したエルテリアが、ティナーシャを救うことが出来る時代まで、彼を飛ばしてしまったんです。
だから、オスカーが過去に来てしまった時点で、この結末は必然だったんだろうな……、と思うんです。彼が生まれた時から背負っていた重みも、王族として守り支えるべき国も民も、もうどこにも存在しないから。
オスカーはとにかく公人としての側面が強い人ですから、どれほどティナーシャを愛していても、ティナーシャを一番に選ぶことが出来ないことがどうしてもある。一幕の終わりは、そんな彼が、オスカーという一人の人間として、ティナーシャだけを優先することが出来た唯一の機会で、この先の永い時の中でも、恐らくはたった一度だけの我儘、なんですよね……。
そりゃぁ、ティナーシャが魔女に成った悲劇は止めることが出来たけど、結局ティナーシャ泣かせてるじゃんオスカーのばかぁ!!って言いたい気持ちも、なくはない、ないのです。「いなくならないで」とか号泣しちゃいますし……。けど、でも、う~~。
でも、でも、ティナーシャがこの先ラナクに裏切られて、腹を裂かれて、魔女に成ると、知っていて、それをそのまま過去は過去だから仕方ないって見て見ぬふりして、見捨てるようなオスカーだったら、私は、嫌だから……。

「歴史が変わっても、書き換えられても、俺がお前に出会って共に過ごしたという事実は消えない」
「お前が忘れても、俺が忘れても、俺たちが出会わなかったとしても――お前を愛している」

6巻と対になる言葉ですね。もうぼろぼろ泣く。
そうして読者だけが覚えている1巻から3巻までの、呪われし王と最強の魔女の御伽噺は消えてなくなり、ここから全く新しい歴史が、幕を開ける――。

幕間:絶望の拒絶

たとえそれが世界外からの干渉に手を伸ばす行為だとしても、数多の繰り返しの始まりだとしても、その切なる願いは、すべてと引き換えにしても子を助けたいと願う母の愛は、誰にも否定出来るものではない、と思います。

おまけ

オスカーはとにかくティナーシャを構うことが楽しいんですよねっていう、平和で可愛く愛おしい日々。
白いリボンが、リボンが……。表紙のオスカーの後ろ手に隠されたリボンと、「背中合わせの記憶」でアカーシアの柄に巻かれたリボン。「魔女」ティナーシャの象徴、みたいな意味なんですか、ね……。

はい、というわけでまた長文にお付き合いいただきましてありがとうございます!最後の方が全くまとまらず、支離滅裂ですみません……。
こう、泣いちゃうんですが、でも私act1のこの結末が、たぶんきっと、わりと、好き、というかなんというか、いえ、そうだな、私はね、この結末から始まる、たった一度の奇跡のact2が、好きなんだと思います。だからあんまり絶望を感じないのかも?です。
そんなこんなで、次はいよいよ4巻、新しい一年の始まりですね!また書けましたら公開していきますので、読んでやってくださると嬉しく思います~。ありがとうございました!!



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