いま私が新入社員だったら、本気で教えてほしい10のこと

厳しすぎる新人教育が話題になっています。私が新入社員の時、社長の名前をフルネーム漢字で正確に書けただろうか。実に怪しい。

それにしてもウェブのコンテンツで「●●の10のコト」とか「××の3つの理由」といった見出しが流行して久しい。根強く、私たちを引っかけてきます。新聞ではほぼ見ない見出しですが、一度使ってみたかったのです。ご容赦ください。

私自身は入社8年目に突入しましたが、逆に新入社員の方々には教えていただきたいことばかりです。顧客・消費者・読者・デジタルネイティブとして、若い方が考えていることに非常に興味があります。

世の中やメディアをどのように見ているのかとか、スマホやSNSの活用法とか。人生観とか、家族観とか、お金の使い方とか。教えたいことより、教えてほしいことの方が多い。前途ある若者を前に、私たちはいったい何を教えられるんだろう。

私がいま新入社員だったら、新人研修でどんなことを教えてほしいだろうか。記者研修しか受けていないので、ビジネスパーソンとしてはピントが外れているかもしれませんが、一般的な新入社員だったら、という前提で考えてみました。

①私の採用にかかった経費はいくらですか。何年間勤めれば、回収できると会社は考えていますか。

激化する採用活動。採用試験のほかにもインターンやリクルーターなど、手段が多様化している。採用にかかっている費用は内定者一人当たりに換算すると相当なものだと思う。

会社は私を採用するためにどれくらいのコストを掛けたのだろう。私がどれくらいの期間働くことで回収できると考えているのだろう。私はこれからどれほどの価値を会社に、社会に生みだせるのだろう。会社の採用の仕組みやコスト感覚を知るきっかけになるかもしれない。

②英語はできた方がいいですか。英語ができるって、どういうことですか。

TOEIC、TOEFLの点数。それをどうやって仕事に生かしているのか。海外勤務や留学の機会はあるのか。英語でレポートを読むのか、書くのか、コミュニケーションするのか、プレゼンするのか。正直、どれくらいの深刻さで、英語をマスターしないといけないのか。むしろ中国語なのか。

③この会社と競合他社の、財務諸表の読み方を教えてください。

この会社の売上を支えている商品は何で、いくら売り上げていますか。利益を支えている商品は何ですか、利益率は何パーセントですか。流動資産や固定資産は。自己資本比率は。競合他社はどうなっていますか。今後の見通しは。

自社の財務状況を、ある程度自分ごととして考えていたい。売上に貢献するぞ!

④社内で尊敬する人と、その理由を教えてください。

尊敬する人というより、その理由を知りたい。社内でリスペクトされる人は、一体どういう能力を評価されているのだろうか。あるいは人柄かもしれない。「ほうれんそう」の合言葉や画一的なマナーを学ぶより、その人の所作を真似てみたい。

⑤社内文書やメール、プレゼン資料を、問題のない範囲で見せてください。

ワードもエクセルもパワポも難なく使えます。もはやイラレやフォトショも使いこなせる、という若者も結構います。

知りたいのはソフトの使い方ではなく、お作法や言い回し、表現の引き出しです。社内では知らず知らずのうちに独特の表現が使われていたり、好まれる説明資料のフォントや級数があったり。些末なことですが、そんなことを踏まえたうえで、あえて予想を上回る表現手法を使ってプレゼンしようかな、なんてことができちゃうんじゃないかと思います。若い人には。

⑥最近生まれた・ヒットした新サービス・新商品の誕生秘話を詳しく教えてください。

新入社員は「何かやったるぞー」と思って入社してきています。基本動作を学ぶことは大事ですが、若手ならではの発想力とフットワークで、何かを生み出したいとも思っています。若い人の感覚をアテにしてください。そして、直近のヒット事業について、そのアイデアが生まれた経緯や社内の通し方、実現方法、ヒットの理由などの事例を詳しく教えてください。アイデアをカタチにしようと思ったとき、必ずヒントになるはずです。

⑦先人の失敗を教えてください。

リスクマネジメントやコンプライアンスに関わる内容になるのではないかと思います。一般論として「●●をしないように」と言われるより、「社内で以前、××という失敗例があった」と言われるほうが、うんとリアルに感じられます。会社として何々がリスクなんだと言われるより、会社員である個人としてどういうリスクがあるのか。自分ごととして捉えられるような気がします。

⑧人生の伴侶はどういう人ですか。どこで出会いましたか。自宅ではどのように過ごしていますか。家族の話を聞かせてください。

仕事とプライベートの別は承知しております。新卒だと入社時はほとんどの方が独身。入社時には目の前の仕事のことで頭がいっぱいで、人生設計なんて考えられないのに、結婚や妊娠・出産にまつわる社内制度の話を聞いてもなかなか実感がわかない。

先輩、帰宅後や休日は家で何してますか?何年目で結婚しましたか?相手とはどこで知り合いましたか?結婚っていくらかかるんですか?どれくらい貯めてましたか?仕事に影響は?家買う予定あります?賃貸ならいくらが相場なんですか?仕事のことで家族ともめたことあります?・・・

先輩方の具体的な話を聞いていくなかで、会社の各種制度の活用法や悩み、仕事との両立方法、今後の生活ビジョンが見えてくるかも。まあ、飲み会の席でいいかもしれませんね。

⑨SNS、正直、どうすればいいですか。

コンプライアンスはわかります。学生時代からやっているSNSの個人アカウントで、社名や仕事で知り得た情報を公開しないというのもよくわかります。

ただ、友人関係や書く内容、位置情報、タグ付けなどから、いまどき社名など調べようと思えばすぐわかってしまいます。先輩、具体的に何のSNSを使っていますか。社内の友人とのSNSのやりとりはどうしているんですか。どういう言葉や表現に気をつけていますか。SNSで炎上・失敗した先例はありますか。うまく仕事に活かした例はありますか。

⑩仕事でどうしようもなく凹んだときの立ち直り方、気持ちの持ち方を教えてください。

長い社会人人生、誰にでも浮き沈みがあるということを教えてほしい。完璧に見える先輩が、実はつまずいた経験があって、そこからどうやって心を立て直したのかということを知っておきたい。ひたすらポジティブ☆成長☆もいいですが、浮沈を前提に息長く頑張りたいからです。

以上です。

そして私もいくつか、まだ答えをさがしています。まだまだ新人気分が抜けない8年目。ビジネスパーソンとしては新人レベルかもしれません。新社会人のみなさまと同じ気持ちで頑張ります。何かやったるぞー!

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

157

林亜季

頭と心の整理です。

かんがえごと

6つ のマガジンに含まれています

コメント1件

大変共感しました。④、⑤は特に、自分でそこを見つけるまで苦労した記憶があります。ありがとうございました。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。