大工歴17年と自然農1年目


大工の道を歩む

大工を続けて17年近くが過ぎた。
大工見習の頃は、鉋や鑿といった刃物を使い、綺麗に刃先を整え、木目の表面を綺麗に仕上げる作業に向き合っていた。

木と向き合い、完成されたその滑らかな表情に触れると、木のやさしさと、安らぎを与えてくれることに、当時から愛着を抱いていた。

やがて大工技能の向上と、様々な工法や、建材の種類を知る中で、徐々にお客様から直接工事の相談や、受注を頂く機会が増えてくるようになった。

現在では、アサヒホーム株式会社という屋号のもと、さとし大工×多能工として、元請け工事業者、不動産屋、エンドユーザーさんと関わらせて頂いている。

木の魅力を伝えたい


そんな中、当初から一貫して、【無垢材の魅力】を伝え続ける事を目指してきたのだが、求められる工事単価や、素材に対してはなかなか距離の縮まらない感覚であった。それは、様々な素材がある中で、木材の加工に関わる工程が多い事(大型の加工機や、配送、作り手による加工手間)などによって、どうしても他の素材と単価が高くなりがちであるという、市場のバランスによって生じてしまった事によるものである。

お客様の中には無垢の木材の魅力に引かれてその素材を手にしたい為に、問い合わせを頂く事もあるが、当社で頂く依頼の中では10%に届かない。

しっかりとしたエビデンス(木材のリラックス効果や、強度など)があっても、それらを比較して木材の良さに惹かれる事は、稀である。

こうした背景は、しょうがないと考える一方で、あきらめきれないさとし大工は、自身の考え方をもう少し、考え直す事とした。

これにはかなりの時間を要したと思うが、最近になってようやく考え方がまとまってきたので、一つ「Note」に書き記す事とする。

自分自身を紐解いて考えた時になぜ、無垢の木材(特に杉やヒノキ)に執着するのかしばらく考えてみた。

自然が好き

小学生時代から理科が好きで、宇宙の事や、植物、地球環境の事は、教科書通り学んできた。当時から地球は温暖化に進んでいる事は、教科書に書いてあり、石油や、Co2の問題についても同時に学んだ。


大人になり、仕事が少しづつ落ち着いて周りの社会状況が見えてきた頃に様々な矛盾が生じている事に違和感を感じていた。
【無垢の木はとても身近な場所から育って、香りや、肌触りもいい。とてもバランスのある素材で、毎日過ごす自宅には最高】なはず。加えて森林面積が多くを占めるこの国の資源を有効に活用するのにぴったり!
だが、糊や、ビニルで囲われた材料が多く出回り、外国から輸入されるベニヤや木材が採用される。お客様自身がそれらの素材を選び、ビニルで覆われた素材を手にしているのだ。

少し悲しい気持ちではあるが、その現実を受け入れざる負えないのである。

SDGSとは・・

自宅を新築時に(5年ほど前)太陽光パネルをのせるか載せないかさんざん考えた挙句、却下したことも思い出した。
廃棄方法が有耶無耶で、生産に多くのエネルギーを使う太陽光パネルは、お金の収支計算では、プラスに傾いても10年程度では到底回収できるエネルギー量でなく、発電効率があまり高くない事が調べるうちに出てきた。

昨今のSDGS推進には当初はとても良い流れに変わっていくものと思っていたのだが、自然エネルギーの推進に大きな夢を抱きすぎているというのか、利権だけが、先行してしまっているようで、とても残念に思ってしまう。

自然豊かな土地が与えてくれるもの

そんな事を考えている最中で、自社の空き倉庫の空き地を活用をどうする

か、考える機会が訪れた。その土地は、群馬県の中山間地で、近くには自然を感じる事のできる場所が多くある場所である。

はじめは、その土地に果樹でも植えて、多くの実りを得れたら、家族で訪れる楽しみが増えるなと思っていたのだが、果樹の木の剪定方法、植物はどう生きるか。という事を調べていくうちに、昔に買った本を思い出した。遠方なのであまり手を掛けられない条件だったので「耕さない自然農の畑」といった事を掲げ、多くの肥料と労働力を投じずに実りを得るといった農法の事である。

自然農と向き合う


本を買った当時よりも熱心に本を読み、さまざまな自然農を実践にしてる方のブログや本も読んだ。
その中で自然農を分かりやすく世に広めてくれた、【川口由一】さんや【福岡正信】さんの本にも巡り合う。この本を読んだときに、自らの人生を自然と共生する事に向き合い続けている姿に心を打たれた。そして川口さんや、福岡さんの【農】と向き合う自然に則した考え方が、とても今の自分の抱く疑問や、矛盾といったモヤモヤした考えを、すっきりした方向へと導いてくれるという光りが見えたのです。

化成肥料を与えずに育つ野菜の味わい深いうまみを味わいたい。
本当の豊かさ、自分自身の健康。
本望と離れた際に蓋をしたり、強引に引っ張ろうとするのではなく、自然に目を向け、成り行きを観察し、自分自身を見つめ直す。

はじめての種まきから収穫体験



畑の全体像はまだまだ理想とはかけ離れた形をしていますが、先々月(9月

)から試験的に初めて行った小松菜、大根、ラディッシュの栽培については、思いがけない経験を数多く経験することが出来ました。

この経験から、果樹で実りを得る事もしたいが、毎年試行錯誤しながら、収穫する喜びや、学びを得る為に、自然農の畑にする事を目指そうと思ったの

です。

第一章は野菜作りの土づくり

これから冬に向けて、植物や、虫たちの活動が、落ち着いてくる頃ですが、

半年前から思考を巡らせていた私にとっては、やっと土づくりをスタートできるといった具合の時期で、これからの様子を楽しみにしております。

現在育苗中の、ホウレンソウ。春菊。スナップエンドウ。ネギ。ニンニク。玉ねぎ。も隙間スペースで育てていきます。

今回の記事は、「きっかけ・転機」といった内容で記事をまとめさせて頂きました。

今後の抱負

今後少しづつ、自然農で得た学びや、住まいと結び付けた考え方や、思いなど、様々な視点を発信、シェアする事ができたら嬉しいです。

最後まで、読んで頂きありがとうございました。

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