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今年度をもちまして、GERAPP CHAMPIONSHIPを終了します

大阪でGERAPPというライブ制作を行っている木口朝陽と申します。今回はタイトルの通り、今年度を最後に「GERAPP CHAMPIONSHIP」を終了することについてのご報告です。

事前にお伝えすると、「GERAPP」というもの自体を終了させるというわけではなく、毎月開催している「GERAPP CHAMPIONSHIP」を終了させるという趣旨ですので少し長い文章になりますがお付き合いいただけると幸いです。書いているうちに思い出話をしてしまったので興味のない方は③から読んでいただいて問題ありません。


①げらっぷチャンピオンシップ開始

「GERAPP」は2021年3月に「げらっぷ」の表記でスタートしました。
最初は芸人さんの知り合いもいなかったので、大学時代のお笑いサークルの先輩や後輩に声をかけてとりあえずやってみようという軽い気持ちでスタートしました。もちろん、当時の自分にとっては軽い気持ちではなかったのですが、今思えばすごく軽い気持ちでした。「新しいサークルを作った」ぐらいの感じです。ほぼ同じタイミングでbar舞台袖発ユニット「WEST ANTS」が発足していたことを覚えています。

たくさんの方の協力もあり、コロナ禍にも関わらずたくさんの方に足を運んでいただき、年間の動員が1000人を突破したことには自分が一番驚きました。初年度に立てた目標なんてほとんど達成しないと思っていました。
ありがたいことに、徐々に存在を認識していただき、お声がけに応じてくださるプロの芸人さんも多くなり、現在も開催している形に近づいていきました。
声のかけ方も無茶苦茶だったようで、良元カルビさんが
「宗教の勧誘みたいに『○○さんも出ているので』と言われて信用していいのかわからなかった」とおっしゃられていたのを覚えています。変なこと言ってすいませんでした!

初年度の年間王者を決める「げらっぷグランドチャンピオンシップ」でプロの芸人さんを抑えてボケボケマンボーズ(現遠足ダイスキタイム)の二人が優勝し、泣いてくれたことが今までで一番うれしかったことです。
プロに勝ったとか、ほかの方と比べて付き合いが長かったからとかではなく、自分が始めた大会で優勝して泣いてくれる人がいるということ自体に大きな喜びを感じました。それ以降の二人の活躍は言わずもがな。吉本所属1年目で早速漫才劇場の劇場メンバーになっています。ファンとして今後も楽しみです。


②場所をZAZAから楽屋Aへ

2022年5月に新劇場「楽屋A」が誕生したことを機に会場を移し、現在開催している形が完成。以降もたくさんの芸人さんに出演いただきました。
元々ライブの手伝いをしてくれており、シェアハウスのルームメイトで、半ば強引に芸人を始めさせたマイレリーフの二人が最終決戦に進んだことも感慨深い出来事の一つです。僕自身もお笑いに興味のない男の子に全身黄色タイツを着せて漫才をさせるなんて夢にも思っていませんでした。でもそこまで成長したのは僕の力ではなく完全に二人の努力の結果です。

2年目のグランドチャンピオンはボニーボニーさん。プロの芸人さんの中では初期の方から出演していただいているお二人は一回見ただけで好きになってしまう、人間力の塊のような方々です。お二人が売れない世の中は絶対におかしいと心の底から思っています。MCでも一番携わってくださっていて、感謝しかありません。


③なぜ終了するのか

やっと本題ですが、理由は大きく2つあります。

1.集客力が明確になくなった
2.明確なGERAPP CHAMPIONSHIPの存在意義、優位性、出演のメリットが特にない

まず、1についてですが、元々GERAPPはマンパワーでの集客を頼りにしていました。僕自身学生の時に少しだけアマチュアとしてライブに出ていたことがあり、お客様の多いところでのライブの方が明らかにやる気が出ていた経験があったので、そこだけは絶対に頑張ろうと決めてライブを始めました。
ある意味でそれ自体がGERAPP CHAMPIONSHIPの特徴だったとも言えますが、現在は特徴と言えるほどの動員は見込めていません。簡単に言うと友達が減りました。
マンパワーの力が薄くなること自体に関しては最初から分かっていたのですが、その力が薄まる前に、自主的にライブを調べて足を運んでくれる人が増えると踏んでいました。なぜならライブに出演してくださっている皆様はどこに所属している芸人さんと比べても面白さで劣っているとは到底思えなかったからです。事実、結果として賞レースでも上から数えて100番に入るような方や、ABCお笑いグランプリの決勝に進出した方も出演してくださっています。もちろんそうじゃない方も本当に面白いです。

でも、現場が面白くても現場に足を運んでくださる方がいないことにはそれは伝わりません。完全に運営の力不足です。そして、現時点でもその明確な解決策はありません。


次に2についてですが、1とつながる部分も多いです。ある種のアイデンティティとなっていた集客力の部分が弱くなってきた今(楽屋Aや芸人の皆様、ファンの皆様のおかげで存続は可能な状況ではある)、意義は確実に薄れています。

そして、先日開催された「楽屋A頂上決戦TOP3入替戦」を見たときに、

「自分だったら絶対にここを目指す」と強く思いました。これは大きな決定打です。
芸人さんにとって場数を踏むこと自体は、目指す場所か否かはさておきとても重要なことなので、そういう意味では一つでもライブは多い方がいいとは思うのですが、「場数の一つでしかない」のであれば別に「GERAPP CHAMPIONSHIP」ではなくてもいいと思います。これは完全な自分のエゴですが、正直、主催者自身が大した存在意義のないライブと思いながらライブを主催したいとは思いません。

このままいくとそうなるなという肌感覚でしかないのですが、そう思いました。なので、2024年3月までという制限をつけ、残りの時間に全力をささげるという選択を選びたいと考えました。
語弊が生まれないよう注意して書いていますが、聞きたいことや疑問がある方はぜひ直接お声がけください。


④今後について

2024年3月に最後の「GERAPP GRAND CHAMPIONSHIP」を開催し、「GERAPP CHAMPIONSHIP」は終了しますが、それに先立ち、2023年12月をもちまして、その予選である「GERAPPROJECT」を終了します。本選に出る機会を最低でも2回はあった方がいいと判断しました。

また、冒頭でもお伝えした通り、「GERAPP」自体を終了させるわけではないので、今後も芸人さんが出演したくなるような、お客様が見たくなるようなエネルギーに溢れたライブを作っていきたいと考えています。それが大阪のお笑い界隈でも意義のあるものになるよう、脳みそをひねりたいと思っています。

また、個人的には、今年から楽屋Aのスタッフとして働かせていただいていることもあり、現在も定期的にライブを打たせてもらいながら日々勉強をしています。最近は作家とはどういう仕事なのだろうと気になったので、楽屋Aのライブで審査員をされていた作家さんに「作家ってどうやったらなれるんですか?やっぱりYCAですか?」という1個目の質問をしたりしています。
「とりあえず誰かのネタを書いてみては?」とのお言葉をいただいたので、ネタを書かせてもらえないかと厚かましいお願いをするかもしれませんが、温かくご了承いただくか、優しく断っていただけると幸いです。


長い文章になりましたが、「GERAPP CHAMPIONSHIP」をやったおかげでいろんな体験ができましたし、やめるからと言って残りを適当にやるつもりは毛頭ありません。今年度グランドチャンピオンシップまで全力を尽くしますので、なにとぞよろしくお願いします。今後も大阪のお笑い界がよりよくなるための力に少しでもなれるとうれしいです。

今週末の6月24日にも「GERAPP CHAMPIONSHIP」は開催していますので遊びに来ていただけると嬉しいです。最後まで「GERAPP CHAMPIONSHIP」をよろしくお願いします!



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