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「手紙」No.1

細い雨の降る夕方、自殺した友人から手紙が届いた。彼の訃報を知らせる手紙が届いたのは、去年の秋。差出人は彼の姉だった。そして今、私の目の前に届いたもう一通の手紙。去る落ち葉の季節に、永遠の別れをしたはずの彼からの手紙だ。


『やあ、僕の親友、久しぶりだ。
君は、僕の姉からの、僕の訃報の手紙を受け取ってくれただろう。
僕は、僕自身が選んだ人生の最期を迎えるにあたり、できるだけ多くの友人にそれを知らせたいと考えた。僕が人生で関わってきたすべての人に、僕の選択を知ってほしいと思った。だが、実際にはそれは困難なことだった。しかし、姉の協力もあって、可能な限り多くの友人に僕の訃報を知らせることができた。

あの、僕の訃報を知らせる手紙の文章も僕が考えた。
姉は最初、僕の申し出に驚き、あのような手紙を自分の名前で出すことに躊躇していた。しかし、僕が考えを変えないと分かると、最後には手紙にサインしてくれた。
姉は一番に僕の選択を理解し、僕が求める人生の対岸への橋渡しをしてくれた。
それはとても困難なことだっただろう。姉にはとても感謝している。

そして、僕の本当の遺志を伝えるこの手紙は、僕の真の親友だった君にだけ宛てて送ってほしいと頼んだものだ。
僕は、一度死んだ。
だからこそ、今、真実を君に伝えることができる。』

 (つづく)

Thank you!
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comorebi*noshita

ちょっとここで、休まない?(ニックネーム変更しました。旧ニックネーム:旭日(あさひ))

「手紙」

自殺した友人から私に届いた、死の真実を語る手紙。(連載小説・全五話)※完結するにあたり一部変更した箇所があります。
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コメント1件

畑本様、マガジン追加ありがとうございます❗素敵な写真素材の提供ありがとうございました(*´ω`*)
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