見出し画像

アイルトン・セナからのメールと浅井ゲルマニウム研究所



Sena Ayrtonからのメール

ぼくに”Sena Ayrton”が送り主のメールが届いたのは昨年2023年の11月30日のこと。タイトルは『お世話になりました。
一瞬、迷惑メールなのかと思ったけれど内容を見ると宛名がきちんとぼくの役職も記されていた。それで、きっとアイルトン・セナのファンの方なのだと察しが付き、前日に浅井ゲルマニウム研究所の函館研究所へ来られた方のお礼メールだと気づいて本文の内容を読んだ。

アイルトン・セナは既に衝撃の死から四半世紀が過ぎ、知らない人も増えただろう。今年の5月で30年も経過するのか・・・。あの頃、ぼくも大学生でバイトや遊びに忙しかった(⇒学業はどうした?とツッコミはなしで)。深夜の徹夜バイトで帯広市というか十勝唯一の24時間営業のガソリンスタンドで、眠い目をこすりながら油まみれになって働いた頃、モータースポーツの最高峰F1の超花盛りの時代だった。T-スクエアのTruthのイントロがかかると緊張感が高まり、「今日は(どこそこ)のGPだ!いいところでお客さん来ないといいな!」などと、”働くということ”をなんだと思っているのか・・・というセリフでバイト仲間と話していたのを思い出す。
そんな当時、圧倒的な強さを誇っていたのがアイルトン・セナだ。ブラジル人ドライバーで、はにかんだ笑顔が印象的な人。セナといえば、マルボロカラーのマクラーレン・ホンダの車体が思い浮かぶ。ホンダのF1における絶頂期の最高のレーサーがアイルトン・セナその人だ。
どうでも良い話だが、ガソリンスタンドのバイト仲間の間で、ホンダ車乗りの正社員の若者を”アイルトン・クマ”と愛称をつけていた。職場に入ってくるときにかなり高速で入ってきてリアを流しながら止めるのをみて、とあるバイトくんが「アイルトンみたいだな(笑)」と呟いたのがきっかけだった。
アイルトン・セナ、アラン・プロスト、ネルソン・ピケ、ナイジェル・マンセルという素晴らしいドライバーが凌ぎを削るGPはいつも深夜の楽しみだった。

そんなわけで、ぼくらの世代の前後・・・今で言うところの50代前半から60代後半の車好きの男性はセナのファンが多くいるのだ。でも、メールのニックネームというかハンドルネームというか、そこに30年が経つ今に至ってもSena Ayrtonの名を使っているというのは、筋金入りのファンだったことは容易に想像がつく。

そんな訳でこの記事ではSenaファンのSさんとしておく。


Sさん夫妻の函館研究所来館

ぼくは多くの場合月末は函館にいることが多い。だいたいが月の二週目に上京して本社やその他の首都圏の関係する仕事を済ませ、第一週や第三週にその他地域の仕事(セミナーや大学等との共同研究打合せ、医師や企業への素材説明など)に出かけることが多い。
そんな訳で、11月29日は函館研究所にいてデスクワークをしていた。
お昼すぎに、受付より内線電話があり「八雲町からお客様がみえられ、商品を買いたいとのことなのですが・・・どうしたらよいでしょう?」との相談だった。
あぁ、ここで販売していると思ったのかな。と逡巡しつつ、「ここでは販売していません。と断ってください」と答えて受話器をおいた。しかし、わざわざ八雲町から来られ、売ってませんで帰されるのは気の毒だな・・・と感じ、折返し内線電話して「販売はしていないけど、時間の余裕があるようなら工場と研究所を案内すると伝えてもらえますか?」とお願いした。ちょうどその時に部屋のドアノックがあり、渡辺工場長が「お客様来られてるんですが、工場案内して良いでしょうか?」との相談にきた。ぼくは「ちょうど今、総務に見学の件を伝えてもらうよう依頼したところです。渡辺さん時間あるなら、一緒に案内して回りましょう」とのことを答えて階下に二人で降りた。ちょうど、訪問してこられた時に渡辺さんが事務室におられたようだ。

今シーズン、函館は過去30年で最も雪が少ないように思う。しかも比較的今年になってからは暖かい。しかし、シーズン初めの晩秋から初冬にかけては驚くほど寒く、12月頃は過去にないほど低温の日々が続いて先が心配な状況だった。Sさんの訪問された11月29日もかなり寒い日で、小雪がちらついていたような記憶がある。
もちろん、Sさんご夫妻に会うのは初めてで、なぜ訪問してこられたのかも分からない。見学前だったか、後だったか定かではないが(後だった可能性が高い)、話をする中で神戸ナカムラクリニックを訪ねられたこと、そこで中村篤史先生に浅井ゲルマニウム研究所が函館にあることを聞いたとのことで、一度折角だから見に来ようという話になって、函館に買い物に来たのと併せて足を伸ばしてくださったようだ。そう。函館研究所は函館市街地に来たついでに、ちょっと立ち寄るという立地ではないのだ。山道をのぼり、かなりの標高に位置する辺鄙な工業団地まで来なければならない。(https://note.com/asaigerma/n/n568db2706e61参照)
そんなところまで、わざわざ訪れてくださったお客様を「商品は置いてません」で追い返すのはあんまりだ(笑)

4人で(Sさんご夫妻と渡辺工場長とぼく)通例となった研究所の見学コースを見て回る。この時はちょうどアサイゲルマニウムの原末を粉砕する工程が稼働中だった。実は、ぼくも27年も経つが、この粉砕工程を直接見るのは初めてで、思わず写真を撮った(爆笑)。ある意味で貴重な情景を御覧頂いたことになる。

Sさんご夫妻と解説する渡辺工場長

工場を見ていただき、原料のゲルマニウムの塊を手に持ってもらったり、製造工程を工場長が説明したりする中で、(八雲に近い・・・それほど近くもないか)函館でこのように作っているのですね!と感慨深そうにされていたのを思い出す。
更に、研究施設となる南面のR&Dセンターもひととおり御覧頂いた。
全体を一時間から一時間半くらいかけて見て回っただろうか・・・・。一階ロビーに戻り、色々と話しもさせていただいた。夏の暑い時期に、当館の三階会議室でアサイゲルマニウムセミナーをしたことを話したところ、奥様はnoteで記事をご覧になったという。ぼくのnoteを読んでらしたんですね・・・と急に赤面したのではないか(汗)。自分では分からないが。noteの読者の方が函館研究所を訪問され、初対面するということは殆どないので、ちょっと慌てた(慌てたからとて何をするでもないけど)。
とにかく、道南の渡島にこのような研究を行う会社の施設があるのは知らなかったと、驚き喜んでいただいたので、ぼくらも嬉しく感じた。なかなかエンドユーザーの方に出会う経験がなく、ぼくたちも本当は地元の函館や道南地方の方々に知って、健康のために活用していただきたい思いがあるのだけれど、なかなか難しい。それこそ函館には直接販売する店舗もなく、結局手に入れるには通販になってしまう。函館で作っているのだから、函館でも広まって欲しいのだ。
今日、2024年2月19日の函館新聞の一面に研究内容紹介記事が掲載された。ぼくが入社以来ずっと取り組んできた、アサイゲルマニウムならではの身体への作用を示した研究だ。多くの函館市民が読んでくれたら嬉しい。もちろん、函館のみならず全世界の人たちにアサイゲルマニウムが赤血球の破壊と新生に役立ち、身体中の組織への酸素供給を高めてくれるということを知ってもらいたい。

2024年2月19日の
函館新聞第一面より


見学後のメール

Sさんご夫妻は、こうして喜んで帰途に就かれた。八雲でも皆さんに紹介したいと言っていただいたのは、本当に嬉しかった。
そして、翌日にSena Ayrton氏からのお礼メールが届いたのだ。ぼくは早速、『アイルトン・セナからメールが来て、ちょっと興奮しました(笑)私たちが学生の頃、彼はヒーローでしたから』と記して返信を送った。
いただいた返信で、Sさんがあまり体調の良くない状況であることを教えてくれた。ぼくは、それに対して返信した記録がなく、恐らくちょうど福岡・熊本に出張していた中で返信するのを忘れてしまったのだろう。大変失礼してしまったと・・・後悔先に立たずを地で行くぼく。

そして、ぼくが送った『彼はヒーローでしたから』に対応してくださったのでしょう。往年のマクラーレン・ホンダの自作モデルの写真(かっこいい)を添付してメールしてくださったのです。

Sさんが送ってくださったコレクションの写真


奥様からのメール

ぼくは時折、そういえばSさんはどうされたかな・・・などと思っていた。自分がメール返信を忘れていることなど、全く気にもとめず。
そして、先週の熊本でのアサイゲルマニウムセミナーの際にも、今年は八雲あたりでも、たとえ参加者は3名でもいいからやろうかな、などと妄想していた。もしも参加者がSさんご夫妻だけであっても、来てもらえばいいと。そんなところに、Sさんの奥様からメールが届いた。
もしかして・・・、と思ったのだが、Sさんが亡くなられたとの知らせだった。
早速、お悔やみを伝えるメールを差し上げたところ、『もう少し早く知って飲み続けていたら…と思うと悔やまれますが…私自身はこのような中でも体調崩すことなく居られるはゲルマニウムのおかげと思っています』との返信をいただいた。
まさに、そのとおりだ。
もう少し早く知っていたら・・・、これこそ、ぼくの仕事の不足によるものだと感じる。
もちろん、様々な制約があり伝えられない事が多い。しかし、それでも必要としている人に情報を届けなければならない。どのような方法が良いのか、ぼくは結局は直接あって話をするのが一番伝わると感じている。聞きたいことを質問してもらい、それに答えられる限り答える。それが大切なのだと感じている。だからこそ、直接会って伝えられる機会をしっかり作っていきたいと改めて思い強くされる。

しかし、それであっても、Sさんご夫妻が11月に突然の訪問であっても訪ねてきてくださって良かった。そう思う。また、その時に対応可能な状況だったことは本当に良かったと思う。
また、Sena Ayrtonからのメールを受け取れたことも、ぼくにとって大切な思い出だ。決して忘れることはない出来事だ。


終わりに

アサイゲルマニウム・ユーザーもしくは気になっている皆さん、函館研究所をご覧になりたい場合は、見学可能です。ただ、できれば事前に連絡いただき、お越しになる時に弊社に案内できるものがいるか、などのことも含め、見学可能なタイミングを確認してくださると幸いです。
Sさんは幸運にも(ぼくは天の配慮だとと思っている)最高のタイミングに来られたので、本当に良かったです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?