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瀬戸内海の中心でモゴモゴとキョドる無職(4/9)

2022年9月29日(木)

 起きた。いい天気とは言い難いが、雨が降る気配はない。散策日和だ。
 今日は多々羅キャンプ場にもう一泊する。さくじつの厳しい移動を癒すために、のんびりここら辺をツーリングしよう。なんの目的もないけれど、大三島と生口島をフラフラ走る。

ゾム、コンテナ外すとハンサムだな〜

 坂が多い。案外、海が望める場所はそれほど多くはない。ほとんどの時間を山間走行に費やす。柑橘類の畑だろうか、手入れされた低木が規律正しく茂っている。

 海を眺めながら休憩中に、ピンクナンバーの団体に声をかけられた。滋賀のゲストハウス「日本何周」さん御一行だ。

ワレ、ヒトリデハシル、サミシイ

 なんかよくわからないことをポロポロとのたまった気がする。店員さんとかと一言二言しか喋っていない日々の連続で、しゃべりの筋肉が退化している。

消沈で海を眺める

 信号待ちをしているとき、島のおじいちゃんが「えらい遠くから来てんな〜」って話しかけてくれて、うれしい。ピースサインをつくった。

 今回、数日かけてカブでここまで走ってきて気づいたのだけど、地元の人やツーリング中の人たちは本当によく声をかけてくれる。

 ナンバープレートに「越前市」と記載されているうえ、プレートが刃物の形を模しているので、すぐに「こいつは福井県から来たのか」とわかってくれるのだろう。
 これが合併前で旧市名の「武生市」だったら微妙だったかもしれない。隣の「鯖江市」も、一定のメガネ好きにしか伝わらないだろうし。
 合併施策に感謝。

 生口島でコーヒー豆をピックアップした。

 カマしてる系のロースタリーでした。
 カバンの中がコーヒー豆でパンパンになっていくのが嬉しい。朝起きて「今日はどれを飲もうかな」なんて考えている時間はとても贅沢で好きだ。

 さて、銭湯へ行って1日を締めよう。

 伯方の塩が経営している銭湯で、塩風呂をウリにしている。経営が厳しいらしく、空っぽの浴槽がいくつか見られる。こういう銭湯の光景は、切なくて、好きだ。

 サウナが案外いい感じ。水風呂から上がって、お湯が張られていない露天風呂で、瀬戸内海を見ながら休憩する。

 外にある歩くお風呂みたいなとこで、おばちゃん達が井戸端会議しながら一生ぐるぐる回ってておもしろかった。

 ここも経営が怪しそうだ、なくなってしまったらどうすればいいんだろうね、って言ってた。本当にそうだと思う。銭湯は絶対になくてはならない。私も終の住処を見つけ出すときの必須条件として、銭湯へアクセスが良い場所というのは外せない。あとは図書館。

多々羅大橋

 近くのスーパーで買ったトマトと淡麗グリーンラベル、手持ちのパスタで簡易晩酌セット。まあ1日なにも食ってなかったらなんでもうまいわな、っていう味。こういうご飯に「まあうまいか」って言っている時間って、すごくいい。

 余談。今これを書いているのが、東京・沖縄旅行から帰ってきた翌日なのだけど、この文章を書いていて背筋が伸びる。東京と沖縄では、友だちに会って、毎日ビール2L飲んで、美味しいご飯でお腹がパンパンになっていた。
 それでいいのか。そんなことで良かったんだろうか。私の旅とは、孤独、質素なご飯と丁寧にドリップしたコーヒー、その時々に発泡酒、であるべきではないだろうか。

 反省だ。次はこういう旅をしなくてはならないな。

 閑話休題。

 明日は高松のあたりまで行く。そろそろモバイルバッテリーの残量が尽きてしまうので、ゲストハウスに宿泊しなければならない。


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