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身体の動きを学んでみる;1〜関節の動く範囲(1)

(ヒトの身体が)動くということには、まず動く主体が必要です。
運動効果器としての関節(構造)=アクチュエイターです。

同時にそれを動かす指令が要ります。
これは神経系の役割です。

動くための情報(環境から得る)も必要でしょう。センサーですね。
これも神経系の役割の一つです。

情報を得て、指令を出し、運動器に伝えるという役割が神経にはある、
ということです。

これらをどの視点で考えたり論じたりするかで、その学問や研究は
異なってきます。

まぁ、堅い話はそれくらいにして、
まず動く主体(アクチュエイター)について考えてみましょう。

動く主体は先ほども述べたように、ヒトにおいては関節がその役割を担っています。

関節が動くことで何かを持ったり、支えたり、移動したり、身体の向きを変えたり、跳びあがったり、しゃがんだり、泳いだりできるわけです。

活動・行動・行為・作法など、ヒトの動くことに関する全ての行いは、この関節の動きから成り立っているということをよく覚えておいてください。

そこで、もし動く主体に何らかの支障が生じれば、当然動きは制限を受けます。最も多くの支障として想定できるのが、関節の動く範囲の制限です。

関節可動域制限と呼ばれているものですね。

ここで、関節可動域=関節が動く範囲を示しています。

これには実は二通りあります。

一つは、解剖学的関節可動域(anatomical ROM/movements)=他動可動域・運動(passive ROM/movements)です。

もう一つが、
生理学的可動域(physiological ROM/movements)=自動可動域・運動
(active ROM/movements)です。

※ ROM=Range of Motion:可動範囲

他動可動域・運動とは、
自分の身体の外側からの力によって動く範囲のことを指します。

一方の自動可動域・運動とは、
自分の体の内側からの力(筋肉の収縮が主体です)によって動く範囲の
ことを指しています。

そして、互いの関係は、他動>自動となります。

他動可動域の方が、自動可動域よりもわずかながらでも大きくなります。

さて何が言いたいかというと、
関節の動く範囲を決める大元は他動可動域にあるということです。

他動可動域は大きくても自動可動域は小さい、ということはあり得ます。

でも、
他動可動域は小さいけれども、自動可動域はそれよりも大きく動く、
ということはあり得ないということです。

まずはそのことをよく頭に入れておいてください。

身体の動きが硬い人に、ストレッチが必要な理由がここにあります。

そして、身体が硬いということで、動きの範囲を狭めてしまっているということをまず知っておきましょう。

動きの範囲が狭いということは、当然その運動や活動、行動にもなんらかの制限がかかるということです。(続く)

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