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バルゼレッタ barzelletta vol.35

人生の転機

ナポリ湾沿いの農家民宿での生活もだんだん慣れてきた

滞在が長くなるとともに、
冬が近づき寒さが増すとともに、私の心も隙間風が。。。

日本に残してきた懸案事項はまだ片付いていない、
ずるずるとイタリア滞在している私。

初めはうじうじ、

別居中にイタリアには来たはいいが、
イタリア(フィレンツェ)の生活に馴染めない、
日本は恋しい、
イタリア語もわからない、
都会(フィレンツェ)の生活も合わない、

しかし南イタリアに移動してから
すっかりリセットされた自分になっていた。

オット(夫)からは
年末までには結果(私たちの今後を)を出すと言われていた。

そしていよいよ決着をつけるべく
その返事はどうするのかと手紙を書くと
なんとイタリアに来てするという返事が来た!

オットはイタリア好きで
案内人付きで旅行もしたかったのだろう。

私はと言うと、

来て返事をする?
もしかしたら!(嫁ぎ先)に戻れるかも!


一縷の望みのようなものもあった。

もちろん、
オットがもう一度やり直そうというのをだ。

そしてその年も押し迫った頃ににやってきたオット。

来る途中に経由地フランクフルトで雪の為足止めを食い大幅に
到着が遅れた予定の飛行機。

24時間後にやっと到着。
私はローマ空港で夜明かしをしいつ飛行機が飛ぶのかどうか、
全くわかないまま
オットは無事到着できるのか?
ずっとどうなるか、ドキドキしながら待っていた。

そしてやっと
ローマ空港の到着ロビーに現れたオットの顔を見て、

あ、ダメだこの男は

と心の中で思った。

リコンを現実のものとして
自分の中に受け入れた瞬間だった。

オットとは、シチリアを中心に
農家民宿巡りをする予定になっていた。

旅の初めにさっさと
今後どうするつもりなんだと切り出したら

オット「オレ、やっぱり子供が欲しい」と。

そうですかそうですかと。

アンタは子がほしいのか、そうかそうかと。
別に頭にくることもなく、

ってことは、リコンだね。と念を押すと、

夫は、こっくりうなづき
協議リコンが成立した。

ちょっと悲しかったが

前のようなどん底モードはなく
案外すっきりしていた自分だった。

(元)オットの決断は
本当の意味で

(私が)自分一人で生きていく、という
意識を府に落とせたと思う。

永久就職したと思ったのに!
結婚という安心モード、だれかの庇護を突然取り外されたが

だれにも頼らず自分の足で歩かなければならないんだ、
と本当に、はじめて思った瞬間でもあった。

しかしそれにしてはすっきりさわやかな自分でもあった。

次回に続く

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