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ゲストハウス運営のリアル<オープン5ヶ月目のデータ公開>

2023年4月15日にオープン以来、
多少のトラブル(後述)もあったものの、
無事に8月の営業を終えることができました。

宿という業態は、お泊まりいただく方以外、なかなか実態の見えづらい部分もありますから、改修リノベーションのお手伝いなど、応援いただいた方々へのご報告も兼ねて、あらためてここでオープンからのデータを見返し、まとめてみようと思います。
また今後、宿泊・観光業に取り組みたいという方々の小さなヒントにでもなれば幸いです。

繰り返しですが、2部屋しかないゲストハウスですから、
つねに毎日1部屋予約がはいっていても稼働率は50%です。
そう考えると30%という数字は善戦と呼べるのではないでしょうか。

なによりうれしいのは、このまま頑張れば、
「改修時の借入金が返済できそう」という見通しがたった点です(笑)
実績ゼロの素人が無謀にもゲストハウスを立ち上げたので、
未来の見通しがたったことは、次のステップを目指すうえでも、安心できる要素となりました。
(今後機会あれば、固定費などのコスト構造もお伝えできればと思います。)

おかげさまで宿泊予約サイト
Booking.comおよびairbnbのレビューでは、
地域トップクラスの高評価をいただいています。
(airbnbでは最短でスーパーホストの称号もいただけました)

「大成功!」とまではいかないまでも、
これまでゲストに一定の満足いただけている要因について、
考えうる要素を挙げてみました。

  • 古民家宿泊のニーズに合った

  • 地域とつなぐ情報の提案

  • 一の湯など周辺の魅力

自動チェックイン(事前にゲストに解錠方法等をお伝えする無人チェックイン)という方法もある一方で、私たちはすべてのお客様に対面で応対させていただきました。
その際、館内の設備をお伝えするとともに、そのゲストのご要望をお聞きしながら周辺のおすすめスポットを紹介していました。
そして必ず「なぜ当館をお選びいただいたのか?」をお聞きするようにしていましたが、その理由の多くが、WEB上の写真で見た古民家の様子を気に入られて「泊まりたい!」と思っていただけたそうです。桐生はもちろん、群馬もはじめてだけれど、こんな古民家に泊まってみたかったという方が多く、なかには予約してから所在地が群馬県桐生市だと知った、という方もいらっしゃいました(笑)。

古民家を気に入った台湾人ゲストが、撮影した写真を送ってくれました。

エリアの魅力とのつなぎ役として、近くの銭湯一の湯の入浴料を宿泊料に込みにしていることも好評でした。
また、夕飯によくお薦めしている、同じく徒歩圏内のクラフトビールやハンバーガーを味わえるBryüは、ブロードウェイの日本公演できたという女性グループにも好評でした(本場にも通じる味!)。日本常連のイギリス人のおじさんたちは、Google翻訳を駆使して居酒屋いがや自慢の鳥メニューを堪能したようです。

台湾人ゲストが撮影した一の湯。鉄道ファンのご夫婦で、古い建物が大好きなようです。

若い世代のなかにも「桐生が好きになりました!」という人もいて、まち全体の魅力を味わっていただけた様子がわかると、まさに当館の目指すところ感慨深かったです。

最後に、ネガティブな面も少しご紹介。
幸いお客様にも恵まれ大きなトラブルはありませんでしたが、
目についたトラブルとしては…

  • ノーショー(お客様が来ない)

  • 急遽の深夜チェックイン対応

  • 物品の破損

  • 隣室の騒音

といったところでしょうか。
お客様が来ない問題は、どこの宿泊施設にもあるようですが、事前決済を徹底することである程度被害は防げると感じました。
お客様のご都合による深夜のチェックインですが、いたしかたない状況もありますので、これは腹を括って、無我の境地でお待ちするようにしています(笑)。(規約的にはチェックイン可能時間を過ぎたら、ノーショー扱いにしても良いかと思います)
会話や生活音が響きやすいのは、古民家の宿命ですが、若者グループはどうしても騒ぎたくなると思うので、WEBでの事前説明、チェックイン時のお願いを重ねるしかないかなと思います。(本当は1日1組限定にできればいいのですが、収益性を考えると難しい状況です)。

桐生の魅力のより深いところへ

まだスタートして5ヶ月、改善点も多く、
実現できていないオプションプランばかりですが、
想定以上に「はじめて桐生に来た」という方も多かったことから
新たな交流人口の創出や地域の経済効果に、
多少なりとも貢献できたと思います。
今後は”ゲストと地域とのつながりの質”にいっそう
こだっていきたいと思います。
単に「思い出ができた」というところから、
「また桐生にきたい」「もっと桐生と関わりたい」
という人を一人でも増やすために、
ますますサービス品質を磨いていきたいと思います。