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暖を取るだけでない火鉢の効用

やっとあったかい部屋にPCを持ってきましたよ。今まで20畳くらいある冷蔵庫みたいな工房の片隅でテキストを打っていたのだけど、今日から6畳の仏間です。暖房器具は今のところ2畳のホットカーペットなので、室内温度13度。もちろん、ホットカーペットだけじゃありません。これから使うもうひとつの秘密兵器は、火鉢。です。

北海道の人には、信じられないような部屋の寒さかも。あったかい部屋に移動してきて13度かよ、って話ですが。いや、ほんとそうですね。今どき暖房器具に火鉢を使う人なんて、いないですよねぇ。でも火鉢使ったらもうちょっとあったかくなるよ。けど、火鉢ってそもそも一般的な家にはフィットしません。「生の火」だし、気密性の高い部屋だと「一酸化炭素中毒」の危険性もある。火鉢って、ひとつの部屋に長時間滞在する人じゃないと使えない。「パチパチ」って、時々火の粉も舞ったりするから、歩いて数分のコンビニに行ってすぐ帰ってくるくらいは平気だけど、基本的には火の番してないと危ないです。

火鉢って、部屋全体を温めるというよりは、横に置いといて手をあっためる、みたいな感じです。体は着込んだり、足も履いたりで温めることはできるけど、手はどうしても裸ですから、冷たくなってきます。それで、手をあっためるわけです。私が子供のころでもすでに火鉢は珍しかったわけですが、あの赤い炭のあったかさは得も言われぬものがあります。

炭なので、遠赤外線でしょ、あったかい風や空気で暖めるよりも芯から温まる感じはあります。そもそも原始的暖房器具だから、災害の時も強いんじゃないかと、勝手に思っている。炭っていうと、今はすっかりバーベキューに主役だから、火鉢って言うと「ついでに何か焼けますね」って言われます。けど、バーベキューとは違うんですよ。肉とか、魚とか、焼かないの。せいぜい「炙る」もの。スルメ、海苔、餅、あられくらいかな。火鉢は調理器具ではありません。

災害の時にも…なんて書いたけど、実際に最初の火おこしは台所のコンロでやるから、エラソーなこと言えないですね。武司くんは数年前からすっかり火鉢マスターで、今年は自作に火鉢を伊賀の陶芸家さんに作ってもらい、炭や火箸、炭壺なんかをスターターキットにして25000円くらいで販売してました。売れるんかいな、思ったら、5個くらい売れた。

今は火鉢なんてちまちましたものよりも、薪ストーブが主流ですね、どっちかっていうと。で、生きてる火、なんていうと変かもしれないけど、自然におこっているいる火というのは見てて飽きないんですね。火鉢も一緒で炭の世話をしている間というのは、独特の時間の流れ方です。これが多分、ハマる要素かと。哲学的になるというか。火と語らうというか、対峙する時間ですね。単に暖房というと機能ですが、火鉢は機能だけでない、訴えかけてくるものがあるようです。火を見つつ、それが自分にも返ってくるような、ある種の原始感覚が呼び起こされる感じでしょうか。

では、火鉢やってみよう!という人のために、少し。火鉢そのものは古物屋さんに時々あります。っていうか、結構ある。1000円~5000くらいでしょうか。金魚飼ったり、鉢カバーとして需要がありますね。あと必要なのは炭おこし、火箸などですが、これも比較的あると思います。炭壺も。で、炭は森林組合で売っています。近隣の森林組合に行くか、ネットで買ってください。で、一番ないのが「灰」なんです。灰ってそもそも木が炭になってそれがさらに燃え尽きたのが灰です。今、木って燃やさないじゃないですか。それこそ、薪ストーブあるなら別ですが、そういう人から分けてもらうか、知り合いの陶芸家の人に分けてもらうかですかねぇ。昨今は炭火をたしなむのもなかなか大変なようです。


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