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旅に紙の地図が最強の話

もうひとつ、買ってよかったものを挙げてみようと思います。それは地図です。前回はデジタルのkindleを紹介しましたが、今回は純然たる紙の地図です。

旅に出た時、自分が今見ている景色はどこだろう。あの見えている山はなんて山?さっきの川はなんて川?そんなとき、スマートフォンで地図を見るとしましょう。GPSで「おお!今ここなんだ!」って分かって移動していく自分を見るのは楽しいですが、いかんせんバッテリーを食います。それに、範囲を大きくすると目標物は小さくなるし、フォーカスすれば全体像が分からなくなる。小さな液晶に集中してスクロールしていると、景色はどんどん過ぎ去っていきます。

もう全然やりにくいんですね。それで、地図を買いました。まず、都道府県別の普通の地図です。これは、都市、町、鉄道や道路、山、川などかなり詳細です。

サイズはA5版くらいでしょうか。これだと全体像も、細かい部分も一緒に見ることができて、自分の今いるところや、これから行くところもすべてこの一冊で把握することができます。私は県境が好きなので「そうか、長野から新潟に入るのはこのルートとこっちもあるのか」など、これを見ながらプチ興奮をします。

もうひとつは路線図です。これは全国の電車の駅が網羅されている蛇腹式の本です。

この赤い線は写真を撮ってから加工したものですが、自分がどういうルートで行くのかを見るときに大変役に立ちます。これらをスマートフォンの乗換案内でやっていると、すぐにバッテリーを消耗します。それに、俯瞰的に見ることができませんから、あっちやこっちのサイトを見て確認が必要。スピード感はこの紙の地図のほうが圧倒的に優位です。この地図とデジタルの情報と併用すればとても効率よく旅程を進めることができます。

この2冊、をリュックに入れて、私は旅に出ます。前回kindleを挙げた時に、読む本はすべてkindleにダウンロードして持っていく、と言いましたが、この2冊だけは紙の本で持っていきます。旅の楽しさが倍増するし、何よりもiPadのバッテリーは大幅に節約できます。

バッテリーの残量をうるさく言うようですが、私のようなローカル線の旅行者は電車に5,6時間乗るのは普通。9時間以上乗る時も珍しくありません。ローカル線では当然充電できませんから、バッテリーの残量はとても大事。ポータブルのバッテリーも持っていくけど、それはあくまでも予備。まあ、どこにでも新幹線で行く人には無縁の話かも知れませんが。

ローカル線の旅の何がいいかと言うと、目的地に少しづつ近づいている感覚です。伊勢を出て、名古屋、中津川、松本、長野を過ぎて新潟方面に行くにつれて雪が増してきます。森宮野原を過ぎると新潟です。そこからさらにずっと十日町まで行って、そこで一泊。そこから新潟へ行くにつれて雪は少なくなり、さらに長岡、三条、新潟、村上と行き、そこから山形に入って鶴岡へ。田んぼの藁の貯蔵形態や、雪の備えの強弱、そんな風に、日本各地固有の景色を堪能し、地図に指を添わせながら国土を少しづつ移動していくのは、なんて豊かなことでしょう。

逆に、新幹線や飛行機はどこでもドアで、途中の町をまるっきり無視してあたかもないものかのようにしてしまいます。もちろん、時間の限られた出張や海外旅行などではやむ負えないでしょう。これはどういう旅がしたいか、という、旅の目的に大きな違いがあるわけですが。それはまたの機会に。この地図を手に入れてからますます旅に出るのが楽しくなりました。それに、次はどこへ行こうかなー、なんて地図を眺めながら、ルートを考えるのもまた一興。日本が楽しくなる2冊です。


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