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子どもとの時間は量よりも質 「夜間もやってる保育園」

息子が保育所に通い始めてすぐ、私は園長先生に呼び出されました。

「Oくんなんですが、先生が叱ってないのに『どうかお許し下さい。!堪忍してください!もう悪いことはいたしません』って、何度も手をこすり合わせて体を折り曲げるように言うんです」

そして、ようやく言いにくそうに、

「おうちで...その...どんな叱りかたされてますか」

つまり、家で虐待されているんじゃないのか、と言う心配があって、それで私が呼び出されたのでした。

先生がそう思うのも無理はありません。私が仕事をしている間、息子はばあちゃんに預けっぱなし。その安子ばあちゃんはと言えば、毎回迫真の演技で、読み聞かせをしていました。

「どうか!ああ!どうかお許し下さい!もう悪いことは一切したしません!どうぞ堪忍してくださいぃ!!」

と、空に向かって手を擦り合わせ、畳におでこを付けるように何度も謝る。当時よく読んでいたのが「桃太郎」。子どもというのはよく見ていますね。ちょうど息子は保育所に入れられたばかり、家に帰りたくてしょうがない。それで、先生に向かって謝れば、家に帰してもらえると思ったのかも知れません。

私は先生にその説明をしましたけれど、それでも先生はちょっと疑っている感じ。それはそうですよね。でも、その時に、ああ、この保育所に入れてもらえて良かったなぁ、と思いました。そうやって先生が真剣に子どもの心配をしてくれる、ってことなんですから。

その保育所を初めて訪問したとき、足に装具を付けた女の子をお母さんが迎えにきていました。そのお母さんは私に言いました。

「どこの保育所でも断られたんですが、ここはトイレにバーを付けてくれて、入所させてくれたんです」

世の中に出れば、色んな人がいる。保育所に色んな子どもがいれば、広い世界を知ることができます。そういう意味もあって、保育所を利用しました。まあ、本当のところは、ばあちゃんだけに子育てを任せるのが心配だった、って言うのもありましたけど。私は夜の仕事をしている間、義母が息子の面倒を全面的に見てくれましたが、私のような人は極少数でしょう。

私たちが夜遊びに行けばそこに働いている人たちがいる。その人たちにも子どもがいる。という事実に改めて気付かされるのがこの映画です。飲食店だけでなく、官公庁に勤める人もいます。夜中に子どもを迎えに来る場合も多数。翌朝という事もあります。お母さんもだけど、保育士さん大変そう。だけど、こうやっても子どもって逞しく育っていくんだなぁ、としみじみ思いました。でも、夜間保育に預けられなくて、ひとりで過ごしている子どもも多いかと思うと、複雑な気持ちにもなります。

映画の中で、一番頼もしかったのは、娘の子どもと自分の子どもが同じ予定日だったというお母さん。つまり、自分の子と孫が同い年。すごい、すご過ぎる。私の周りで、息子の子ども、つまり、孫が生まれてから、自分が再婚。若い嫁さんに子どもが出来たので、孫よりも自分の子が若いって男の人がいますけど、どっちにしても、タフだわー。

あと、やっぱり増えている外国人の方も子ども抱えて大変そう。まあねー、でも他の映画でもそうだけど、子どもの出てくる映画は手ぬぐいとか持ってかないとアカンですね。泣かせに来るから。絶対。

映画の中でもっと見たいなー、と思ったのは魚住農園さん。魚住さんとこだけで、これまた一本の映画ができそうな、そんなステキな農園でした。

映画はスクリーンで。どちらさまもステキな映画ライフを。

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