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「あなたのため」を押し付けていた毒姉

「あなたのためを思って言ってるのよ」「こっちの方がいいって」

人生の大きな決断をしようとしている妹に向かって、私の態度は毒姉そのものもだった、と気づき、自分のしたことの過ちを懺悔します。

かつて、妹が人生を大きく変える決断をする出来事がありました。私の両親含め、家族に動揺が走った出来事でした。
私はその決断を思いとどまらせようと、彼女の家に行き、「実家の近くに引越し新たな生活をスタートさせるのがいい」という主張をしました。

当時、妹の子供たちはまだ幼く、実家から遠く離れた土地で再スタートをきることはとても大変なことだと思い、実家近くの不動産情報や就職情報の資料を持って説得に行ったのです。

結局、妹は実家には頼らず今いる土地で頑張るという選択をしました。結果として今は子供達も巣立ち、妹自身も立派に独り立ちしています。

私は傾聴なんてまったくしませんでした。その時の妹の思いや考え、その決断に至った経緯は一切聞かず、「こうした方がいい」という私の主張だけを押し付けていた、と思い出します。

その私の主張とは、世間一般的にはそうした方がいい、という程度の内容です。

私の主張とは違う決断をした妹に対し、私は
「お父さんとお母さんを困らせるようなことをしないで。」
と言いました。

あなたのためを思って伝えたはずの言葉は、その相手(あなた)ではなく、発言した本人または第3者の利益のためだとよくわかる捨てゼリフですよね。
なんてひどいことを言ってしまったんだろう。

自分が親になった今ならわかる。

子供が自分で出した決断が、自分の考えと違っていたとしても応援したいと思う。心配だから近くで見守りたい気持ちもあるけど、遠く離れた土地でも子供が頑張る、と決断したなら、遠くから応援する。子供が出した決断を「親を困らせること」だなんて思わない。

自分が当時の妹と同じ立場になったら、幼子を抱え同じ決断ができるとは思えません。子供への影響、金銭的な心配、将来への不安。そんなのわかった上で1人で頑張ると決断した妹は、私よりよっぽど強い、と今なら思えます。

「あなたのため」が本当に相手のためになっている事なんてあるんでしょうか?

standFM 原さんの放送を聞いて、私のしたことを懺悔したくなりました。

「全力で無視する」ぐらいが本当の「あなたのため」なのでは、と考えさせられました。
「無関心」ではなく「無視」という所が大事なのだと思いました。心を寄せながら、でも「あなたのため」は押し付けない。
私は「自分のため」に「あなたのため」を押し付けていました。

そして。

「お父さんとお母さんを困らせるようなことをしないで。」

この言葉は私自身に向けて言った言葉だと、ブーメランのように今、自分自身に突き刺さっています。

ヒリヒリするので、また、今度、深掘りしてみたいと思います。

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