ゲイ小説 「僕がゲイだと気付いたのは大嫌いな彼の仕草からだった」#4

たった一瞬の出来事にこれだけ感情を揺さぶられてしまった僕。
彼の事と彼の腹筋は気になったが彼に対して好きという感情は全くなかった。人嫌いの僕は誰の事も好きではなかったし、好きという感情がどんな感情なのかも分かっていなかった。

ただ彼の腹筋が気になる。
また見てみたい。
見れるものなら何度でも。

その気持ちだけが強くあった。

その想いはとある日の昼休みに再び叶う事になる。

もうすぐ昼休みが終わってしまう時間にも関わらず、その日は教室に誰もおらず僕が1番最初に教室へ戻っていた。緑に囲まれ場所も広い学校なので天気が良い日は休み時間の事など忘れて遊んでしまう人もよくいた。

誰も居ない教室はとても静かで窓から入ってくる風は心地良い。普段騒がしいクラスにほんの少しだけゆったりした時間が流れていた。

それから少し経ち廊下の方から騒がしい音が聞こえてくる。
僕のクラスに転校してきた男子が彼に追い回されているようだった。どうも彼はこの転校生にちょっかいを出すのが好きなようで、何かあればドタバタ騒ぎが起きているという感じだったのでまたいつもの事だろうなと僕は思っていた。

ずっと追っかけられていたのだろうか、転校生はヘトヘトになっていて足がもつれて転んでしまい彼に追い付かれてしまった。

転校生に追い付いた後、彼がとった行動。

それは・・・
自らのTシャツを捲り上げて転校生の頭に被せていたのだ。
彼の腹筋を転校生の顔へ当たるように。。。

#5へ続く

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