知床観光船事故に想いを馳せる

北海道の知床観光船事故でプロポーズを予定していた男性の手紙がテレビ内で読み上げられた事、読み上げたアナウンサーが泣いていた事。
それらに対して否定的な意見が多くあるかと思います。

確かに事故が無く無事に観光が行われていたら、男性の想いは恋人だった方へ伝わり、私たちはその手紙の内容を知る事は無かったでしょう。本来はそうなるはずだったのに、不慮の事故に見舞われたせいで私たちがその手紙を通じて男性の想いを知る事になった訳です。

手紙の内容を明かす事に不快感を示した方が多いと思います。
私も正直な話、当事者がどう思っているか分からないものを遺族や周囲の判断で公開するのはいかがなものかなと感じています。
何でもかんでも明け透けにする事が正しいとは限りませんので。

でも別の見方をすれば手紙を公開する事によってその想いを多くの人と共有し、叶えられなかった願いをせめてみんなに知ってもらいたいという遺族の想いもあるのかなと私は考えています。
今、好きな人にプロポーズ出来る事や好きな人と一緒に居られる事がどれだけ幸せな事か、みんなにも感じて欲しいという願いもあるのではと私は想像します。


その手紙を読み上げたアナウンサーは途中で泣いてしまいましたが、色々想う事があったと思います。視聴者からすればアナウンサーなら私情を挟まずにきちんと読み上げるのが務めだと考えるのかもしれません。
アナウンサーはプロですが人である事に変わりありません。
たとえ他人の事であっても、手紙を読み上げているうちに想いが込み上げてきて辛くなってしまったのでしょう。

どんな事故があったとしても自分の身に降りかかって来なければ他人事。
だけど自分の身に降りかかった時、その想いを知る事になる。

今の時代はたとえ誰かの身に起きた事でも、自分に同じ事が起きたらどう思うだろうかと思いを馳せる時代になったのかなと私は思っています。

想いを共有する事で再び悲しい事が起きないようにする事も出来るはずだし、何より傷付いた人たちの心に少しでも良いので寄り添ってあげて欲しいのです。

亡くなられた方々や未だに行方が分からない方々が1番苦しい思いをした訳ですが、事故に見舞われた方々の遺族や周囲の方々だって苦しいのです。

報道の在り方というものも考えなければいけないですが、
傷付いた人たちへの配慮は私たち視聴者にも必要な事だと考えます。


1日でも早く全員が見つかりますよう願うばかりです。

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