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疑念

デイで仲良しだった職員さんが今年の春、障害者入所施設に、移動になった。よく2人で散歩に出かけ、最後の散歩の日、「最近胃の調子悪くて、今度病院で検査するんや」前にガンを患った事があると私だけに打ち明けてくれた。入所施設は、不規則な生活になる、「夜勤もあるし大丈夫なん?」わからん。けどこの先介護士として働くのなら入所施設は、経験しとかないとね。」

デイで会う最後の日、ほんとは、利用者にプレゼントなどしてはいけないのに、私の腕にゾッとローズクォーツで作った手作りのブレスレットを通して、口に手を当てて、「内緒ね私もたくさん浅野さんに話聞いてもらったし、気持ちを込めて作ったよ。」私声が高いから、握手だけした。「また私も会いに来るよ」帰り際にそう言って笑顔で別れた。

その大切なブレスレットをずっとつけていた2日前、プチッと切れたのだった。嫌な予感が頭をぐるぐるした。

その入所施設から週一で来る女性がいて、「○○さんずっと休んでるんや」と聞いた。とても不安になる。しかし、誰にも聞けない。聞いたところで、新たに来た人がほとんどなので、知らない人がおおい。

彼女は、まだ若い。私よりも10は年下だ。これからまだ人生が、ある。命のロウソクは、まだまだ消えないはず。

なんともなければいい。しかし、不吉な思いは消えない。命の尊さを噛み締めつつ、また再会できることを祈っている。

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