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サッカー日本代表が、好きだ

日本の試合の前は、いつもお祭りの日の夜のようだった。
これから見に行く花火を楽しみに待つような、何かに期待しながらゆっくり支度するような、落ち着かないけど心躍るまますぎていく時間。

決勝トーナメント一回戦、日本時間午前3時というかなりムチャなキックオフも、きつかったけど辛くなかった。いよいよやって来た瞬間に、ひたすらテレビ画面を見つめていた。


息を飲むような緊張感のはりつめた前半、日本の対策が効いている確かな感触。そして後半、落ち着いた立ち上がりに感じた期待そのままに、15分間の2ゴール。

正直言って、ここで初めてベスト8が見えた!と思った。
日本史上初の、というより、日本サッカーの、これまで大勢の選手たちが積み上げてきたものが、ついに大きな、大きかった世界の壁を越すのか、と思って泣けてきた。心が震えるような感慨がわいた。

でも、そこから。強豪から2点先取したその先は、未知のゾーンすぎた。
選手たちはつとめて冷静に、自分たちのプレーを保とうと奮闘していた。何が起こってもおかしくないのは、両チーム同様だった。
結果的に終盤での逆転劇を演じられ、日本の戦いは終わってしまった。


そのときの心境はほぼ無だった。
そのままとった仮眠の中で、見事に今見たままの悪夢を見た。

それから腑抜けのようにずーっとただ考え続けていた。
努力とか、本気とか、打破とか、到達とか、試練とか、無慈悲とか。
そしていろんな人の声や記事を読んで、起こった事が少しずつ体の中に浸透していくのを感じつつ、自分なりの考えを見つけた。

日本のサッカーが本当に形を見せてきたこと、初めてベスト8の扉を開けるところまで行ったこと、日本代表チームが本当にいいチームだったこと。
いろいろ納得はしたけれど、ショックはまだ消えないけれど、試合を落ち着いて見られるようにはなった。
でも今度は、終了直後の彼らの顔を見て、胸がいっぱいになってきた。

W杯は世界中のサッカー強者が一同に集まって戦う大会そのものが面白く、どのチームのどんな試合を見ても楽しかったし、全部楽しみにしていた。日本をもちろん応援してるけど、世界のサッカーが見られるのがすっごく楽しみだ、と。

でも、まる二日、あの試合の事が頭から離れなくて、ようやく、本当に日本代表が好きなんだなーと思えた。日本人として、国の代表としてというのはもちろんあるけど、日本代表チームそのものが好きなんだな、と思った。


これからも日本のサッカーを、代表チームを、サッカーを愛しながら見守って応援していく。サッカーも世界も日本も、まるごと楽しみに見ていく。

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