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音楽・美術・書道と囲碁
古代中国の貴族の教養は琴棋(きんき)書画(しょが)であった。日本もこれに倣(なら)い、日光東照宮の陽明門に「君主の四芸」の彫刻がある。琴棋書画は学校教育に受け継がれて、音楽・書道・美術になったが、棋(囲碁)は消えて代わりに体育が入った。西洋の学校教育に囲碁はなく体育があったかららしい。欧州の支配階級は身体を鍛えたが、中国では知性による国家統治が理想とされ、上流階級は囲碁という知的スポーツを楽しんだ
もっとみる女子に進学を薦めた村長
江戸時代初期、西播磨に赤穂藩・龍野藩・山崎藩・平福藩が設置される。四つの藩は変遷を重ね、戦後の赤穂市・龍野市・山崎町・佐用町になった。一方、江戸時代の相生(あいおい)は赤穂藩の辺境に過ぎず、相生市は藩を母体としない珍しい自治体なのである。
相生が近代都市に成長したのは、唐端(からはた)清太郎の努力に尽きるといってもよい。一八八九年、町村制の施行とともに相生(おお)村が発足したが、村政は混乱を極め
先生こそ「仰げば尊し」を歌おう
一昔前、卒業式の式歌は「仰げば尊し」と決まっていたが、近年は「贈る言葉」や「旅立ちの日に」が増えているようだ。
学年主任をしていたとき、「仰げば尊し」を式歌にしようと、歌詞や歌い方を調べてみた。この曲は三コーラスで、一番は卒業生の師への感謝、二番は師の卒業生への説諭、三番で学校生活を振り返り「今こそ分かれ目いざさらば」で終わる。一番は卒業生、二番は教師、三番は両者で歌う構成になっているのである。
プロのエッセイ、アマのエッセイ
てまきねこを書くために「エッセイの書き方」を研究した。
エッセイスト曰く「アマは自分が書きたいことを書くが、プロは読者が読みたいことを書く」。テーマの選択・論旨の展開において読者の好奇心を満たすような工夫をするらしい。別のエッセイストは「起承転結の転から考える、転がすべて」。
私もプロとして文章を作ることがある。授業のプリントは、私の書きたいことではなくて生徒に教えなければならないことを書く。