181121造船所資本系列700-350

1960年代主要造船所の資本系列

1960年代、日本の造船業が世界一になり、日本の輸出で主要な地位を占めていた頃の造船所です。どの時代に誰が資本を投資して造船業を立ち上げたかがわかります。

官営長崎・神戸が民営化されて、三菱重工・川崎重工の母体となったこと。続いて、官営海軍工廠が造られたことがわかります。日本海軍の主力艦は長崎・神戸・呉で建造されています。

そして、第一次世界大戦中、三井物産・鈴木商店という大商社が造船業に進出します。ここまでが、戦前の主要造船所で、1960年代までの半世紀にわたって、日本の重工業の中核を形成していました。

1960年代後半の高度経済成長期、千葉・堺・坂出・横浜に造船所が新設されます。このタイプの造船所は戦前からの造船所とは立地が異なっています。坂出は塩田跡に作られました。港に作るのではなく、広い平地に作って港は造成して作るようになったからです。

日本史に知識のある人は、「あれ? あの造船所は」と疑問を感じるでしょう。そう、横須賀です。幕府の製鉄所からスタートして横須賀海軍工廠として帝国海軍の主力造船所だあった横須賀が図に掲載されていないのは何故か。

横須賀は在日米軍基地になっています。上の表は、資本系列を示しているので、在日米軍基地は登場しないのです。さすが米軍。首都に近い最高の造船所を確保しています。

この図表は、播磨造船所進水記念絵葉書の写真集を作ったときに、参考資料として作りました。日本の工業化の授業などに使うと便利です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?