国語ができるが英語ができないとき

国語ができるのに英語ができない。
50年前の私と同じです。大丈夫、英語はできるようになります。

そのルートは何通りもあって、どれがあなたに適しているのかはわかりません。ここで、書くのは私の体験です。

中学校時代、国数理社はできた。英語はできないが、他の四科目でカバーして高校に合格。高校1年の秋まで、英語はできないまま。ある日、部活の先輩から蛍雪時代を借りて読んで驚いた。「大学入試では英語の配点が一番高い」・・あせりました。

これはいかんと家庭教師を頼んだ。それから、書店に行って参考書を見比べ、羽柴正市という人のスタンダード英文解釈という参考書を買った。

この参考書が良かった。英文を文法ですべて説明してしまうというタイプの理屈っぽい本。文型・格変化・時制・態・単数複数、つきつめれば英語の文法はこの五つしかない。この五つを使いこなせば、すべての英文は解釈できる。あとは、単語を覚えて、構文を覚えて、反復練習すればよい。

その後も、点はとれなかったが、文型・格変化・時制・態・単数複数のどれかを間違えたか、構文・単語を知らなかったか、と原因はわかるから修正は簡単。間違えた部分を問題集で練習するとできるようになっていった。

家庭教師の人も良かった。「英文解釈の問題集を買っておいで、予習してきたところまで教えてあげる」と初めに宣言された。

教えてもらうためには予習するしかないから、ひたすら辞書をひき、(学校の授業中も)予習した。先生の前では、訳した答えだけを読み続ける。

「今日、予習してきたのはそこまで? 来週はもっとやっておいでよね」。
と地獄の特訓数か月。どんな英文でも、文法で説明できるようになった。

羽柴正市という先生。当時は知らなかったが、東大の英語教育の大家だった。偶然とはいえ、良い先生の本を買ったものだ。

家庭教師の人もかなりの英語力の人だった。英語力がついてくると、家庭教師が完璧にできる分野と稀に間違う分野があることがわかってきた。完璧なのは和訳、間違うのは前置詞。

英文和訳は練習で完璧にマスターできる、前置詞は先生でもたまに間違う。高校生が前置詞できなくても当たり前ということだ。和訳の問題はパーフェクトをめざし、前置詞は間違っても気にしないことにした。受験校は、和訳の配点が大きな大学を選べばよい。

できなかったことができるようになるという経験は貴重なもので、社会科の教師だが、国語ができて英語ができないというタイプの生徒を教えるのは上手。羽柴正市先生直伝の方法で、英文をすべて理屈で説明してしまう。

ただし、この方法、すべての人にあてはまるわけではない。理屈が嫌いな人には適さない。


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