見出し画像

GEMS COMPANY1stライブに参加して脳がバグった話

2019年6/28,29,30日にYOKOHAMA DMM VR THEATERで行われたライブ、MagicBoxに土曜日曜の4公演に参加してきました。勢い任せの文章、技術面から考えられる演出の勝手な妄想、またメタ系な話がメインですが良ければお付き合いください。
(7/2引用記事を追加させていただきました)

総合的なライブレポはこちら、大体言いたいことは同じなので紹介させていただきます。


圧倒的な接地感と実在感

人間、見たことのないものを想像するのはなかなか難しいものでして、正直ぼんやりとした、せいぜい普通のライブのライブビューイングくらいのものなのかなあ、いやそれでも十分たのしいよなあなどと思ってました。

ジェムカンのコンセプトとしてはバーチャルであることを前面には押し出していません。しかし実際の所バーチャルであり、ある程度そう言ったバーチャルアイドル的な演出を使ってくるだろうなあとかMV再現をしてくるだろうなあとか思っていたわけです。

ライブが始まると持ち合わせていたちっぽけな価値観なんか砕け散りました。今まで見てきたもの、経験してきたものはなんだったのだろうか。
確かに彼女たちがそこにいました。
いるんですよ、そこに。どう見ても確かに存在しているんです。そうとしか思えない。同じ会場で行われた他アーティストの映像を見ても本当にそうなの?と思うこともあるでしょう(筆者的には演出の方向性の違いだと思っています)。

こちらがこっそり(こっそりではない)上げられた公式の宣伝映像。

あくまでもTwitter画質であることがネックな感じがありますが確かにいる感じがすると思っていただけるでしょうか・・・?実際はもっと実在感、質量感があるのですがなぜそう感じるのかを個人的に妄想したので書き連ねたいと思います。

背景を背景として使わなかったジェムカン

1回目の(自分にとっては1回目、公演的には2回目)ERINGIBEAM.を見て思ったのは「後ろ(背景映像)使わないんだ・・・」でした。厳密には上の方に少しだけサイドモニタと同じような映像が流れていたのですが基本的には彼女たちの後ろは使われていませんでした(少なくとも使われていないように見えた。この時点ではそういうものなのかなって思っていた)。

公演が終わりライブ自体の完成度もさながらいろいろ気になる点もあったので夜公演まで時間があったのもあり他のアーティストはどんなライブをしていたんだろうと動画を見ていました。たとえばえのぐ。(名前を知ってる程度に留まっていたので映像を見るのは初めてでした)

同じくVRTHEATERでの模様です。ライブ前になんとなーく受動的に得ていた情報から想像してたのはこんな感じのライブでした。近未来的なエフェクト!もしくはMV再現!!!群馬の土手!!!みたいな。でも実際はそうじゃなかった。そこにからくりがあるんじゃないかと。

(補足)えのぐはこれが初のARライブでそれ以前はこういった大々的なエフェクトは無かったようです。VR THEATERでライブを行うことでやっと「本領発揮」出来たという感じでしょうか。カラフルなエフェクトはえのぐという名前にもかかってるんですよね(気づくのが遅い)。


そもそもVR THEATERのシステムってどうなってるの?

公式の技術紹介です。なんのこっちゃって感じですが錯覚でステージ上にあたかもいるような位置に像が結合されるみたいです。厳密にはホログラフィックではないので端の席やもしそれ以上端の席があった場合かなりのっぺりな感じになってくるので絶妙な箱のサイズなんじゃないかなと思います(本来の意味でのホログラフィックなら3Dモデルが立体物として空間に投影されるので)。これはあくまでも映像をステージ中央に投影しているので見る場所によって立体感が変わるというものではありません。偉い人などが演説に使ったりするプロンプターが同じ原理だそうです。

大統領演説とかで見たことある方もいるのではないでしょうか。

他のアーティストとの比較


技術紹介を見るとわかる通り、ハーフミラースクリーン(演者が写る)とプロジェクタースクリーン(後ろ)に分かれていて映像としてはハーフミラーのほうにもエフェクトを入れた場合エフェクトや映像を2層の奥行きのあるレイヤーとして出力できるようになっています。えのぐのライブはこれをフルに利用しているなあと感心。

2分29秒あたり。薄く見える+・・・・+の模様と○や×などの図形が後方スクリーン、他はアイドル含めハーフミラースクリーンに映っていると思います。さっきも書きましたがジェムカンも想像していたライブはこんな感じのキラッキラでいかにも最先端!!!って感じのものでした。これはこれでいいですよね。振り付けとモーショングラフィックスがシンクロするところとか非常に気持ちが良いです。また、彼女たちの前(観客側)にエフェクトが出たり踊りに合わせた光の軌跡がでるのはVR THEATERじゃないとできないなあと。生身のアーティストもライブすることがあるようですがそのときもアーティストの前にエフェクトが出せるそうです。ただしこれは良いところだけではないみたいです。

17秒くらい。斜めアングルなのでわかりやすいと思いますがハーフミラースクリーンいっぱいのエフェクトでアイドルの接地感が薄れています。おそらくジェムカンはこういった気になる人は気になる程度の表現すら排除したかったのかなと思われます。他の事例に関しては界隈を追い続けている方の記事がありましたので参考にしていただけると幸いです。


結局背景の映像を犠牲にして何が行われていたのか

(追って注意)これはぼくの妄想です。そういった技術関係者でも何でも無いです。考察したいのでしているだけです。あと比較として非常にわかりやすいのでえのぐさんを例に出していますが下げやディスなどの意図は一切ございません。あるのは方向性や売り出し方の違いかと思います。

(ニュースサイトによるライブレポが出たので雰囲気が最大限に伝わるのではないでしょうか)

わかるでしょうか・・・この・・・感じ。
上からのスポットライトの光がステージに当たっていてちゃんとパースがついています。写真ではわかりませんがピカピカに磨かれていた(であろう)ステージには反射した靴が映っていました。曲中もエフェクトやモーショングラフィックスは一切無いのですが、ただそこに確かに存在しているこの感じが伝わるでしょうか。
後ろのスクリーンも映像が流れていたのは上の方のほんの一部だけで、前からのライトが当たったときの影が映し出されたり、追加のバーチャルスポットライト的な光が見える、といった使われ方でした。ハーフミラーで投影された映像にライトを当てても実際は影なんて出来ませんからね。リムライト(後ろから光強いを当てられた際シルエットのように見える光)も表現されていてさらに実際のライトの色とほぼ連動して色が変わるんですよ(さすがに激しい点滅とかは省略されていた)(リムライトよりもっと見るところあるだろ)。そこまで考えられてるの、あまりにも恐ろしくないですか・・・。そんなもの見せられたらそこにいるって錯覚しないわけないじゃないですか(いや、いたわけだが)。

あくまでも彼女たちは「アイドル」

最初にも書きましたがジェムカンはメタ的に言ってしまうとバーチャルの皮を被っていますがコンセプトはあくまでも「実在するアイドル(人間)」と同列でありいわゆる「バーチャルアイドル」とは考え方が違います。そのために楽曲に合ったエフェクトなどは一切排除(というか実在感のためだけのエフェクトが密かにある)して綿密な計算の元で実際のスポットライトなどと連動した絵作りが行われていたわけです。あくまでも「リアルなアイドルのライブ」の演出に徹していたわけです。MVではなかったヘッドセットマイクを装着していたり(イヤモニをしていたかは確認できなかった)もポイントではないでしょうか。
特に実際に見た方ならうんうんうなずいてくれると思うのが特に暗転時の表現。曲が始まる時、袖から出てきてセンターに立つとき。曲の演出でステージが暗くなるとき。このときの特に衣装の白い部分、発光している部分の表現方法があまりにもそれっぽい。アイドルやそうじゃなくても生身のアーティストのライブに行ったことがある人は見た経験があるんじゃないでしょうか。あまりのリアルさに最初見たときは「普通に人間が出てきた!?!?!?」などと思ったほどです。脳がバグる。バグった。Citrossとか衣装全体が白いので暗闇にぼうっと浮かび上がっている様子がマジだった。いた。あるいてた。ここはどこだ。なにを見にきたんだっけ。次元が歪んでいる。現実とは。バーチャルとは。アセンション。

コンセプトを貫き続けるその姿勢

思い出しながら脳がバグってきたところでまとめ。
ファンの間ではジェムカンはVtuberとは似て非なるコンテンツというのは浸透していると思いますがまさにこのライブはそれを強固たるものにしてくれたんじゃないかなあと思います。コンテンツの形としては普通のアイドルものなのに最新技術いっぱいで不思議な感覚。推せる。
技術的なメタめの話ばっかりしてきましたがパフォーマンスも回を増すごとに(ファン含め)パワーアップしてたのも印象的でした。千秋楽アンコールJGJの落ちサビで花菱さんと長谷が感極まっていたのを聞いて号泣してしまいました。まあ泣くよね・・・。発足時から追ってた人とかはもう比じゃないくらいだったかと思います。
2ndライブも絶対やると齊藤Pが約束してくれましたし2ndライブ、その先の(5Gがらみのコンテンツって何・・・?また新しい世界が開いてしまうのか)彼女たちの成長を見守っていきたいと思います。

ではまた。長々とありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?