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04. その土地らしさの見つけ方と、つくるを考えてきた話

1.d design travelとは
2.その土地らしさとは
3.その土地らしさをつくること
4.つくることを学生の頃から考えてきた話

D&DEPARTMENT PROJECTの埼玉県熊谷市のイベントに参加してきました。
とても有意義な時間だったので、
アプリ制作の連載形式記事の番外編として参加者個人の感想を記事にしたいと思いました。
その土地らしさを見つけることは、まちづくりの土台になると考えます。

もし、誤情報等の問題があればご指摘いただければ幸いです。

D&DEPARTMENT SAITAMA by PUBLIC DINER
一階が飲食店で二階にテラスとショップがありました。

1.d design travelとは

まずD&DEPARTMENT PROJECTとは、
デザイナーのナガオカケンメイさんによって創設され、
「ロングライフデザイン」をテーマに掲げて活動されています。
47都道府県に1か所ずつ拠点をつくりながら、物販・飲食・出版・観光などを通して、47の「個性」と「息の長い、その土地らしいデザイン」を見直し、全国に向けて紹介する活動をされています。

d design travelとはその出版活動にあたり、
47都道府県それぞれにある「その土地に長く続く個性」や「らしさ」を
デザイン的視点から選び出し、既に多くの書籍が出版されています。

私は学生の頃にこの活動を知り、当時暮らしていた名古屋市から夜行バスに乗って東京の世田谷の店舗や渋谷のミュージアムへ通っていました。
地元の山口県や母校のある愛知県のd design travelを購入して、
まちのためにこんなにキャッチーで素敵な活動が出来るのか、と感動しておりました。

このd design travelの何がすごいかというと、まず取材のスタイルです。
2ヶ月間、実際に現地に滞在して、
自費で食事、買い物、宿泊を体験するというスタイルで取材・編集されています。
その中で、
下記のような24個のdマークを見つけて言語化・書籍化されています。

[昨日購入したd design travel福岡の表紙絵]

2.その土地らしさとは

d design travel編集長の方は、
その土地らしさの見つけ方に関して、
「実際自分も分からないが、やってきたことをお話する」
という前置きをされました。
芸能人のヒャダインに似た、とても好感の持てるかっこいい方でした。

dマークとして取り上げるものとして要約すると、

・感動しないものは取り上げない(感動しないと書けない)
・見た目がかっこいいという理由だけではdマークにはならない
・創意工夫による流れ、仕組みを見ている
・キーマンがいる
・仕組みの中に名物が含まれている
・土地の気質が含まれている

例えば、千葉だとディズニーランドを考えると非常に難しい
とおっしゃってました。
確かに、ディズニーは土地の気質は欠いている気がする。。
実際にd design travelに書いてある取材対象選定に考え方も掲載しておきます。

・その土地らしいこと
・その土地の大切なメッセージを伝えていること
・その土地の人がやっていること
・価格が手頃であること
・デザインの工夫があること

2ヶ月間の取材期間は、それ以上短すぎてもダメで、長すぎてもその土地に情が湧いて見えないことが増えてくると感じていらっしゃるようです。

地元の人がいいと思っていることと、
外の人がいいと思っていることには若干の乖離がある
ということですね。
地元の人が当たり前だと思っていることが、本当は大きな地域の魅力だったりする。
ふむふむ、わかる気がします。
日本人がいいと思うことと、外国人のいいと思うことは異なるのと同じですね。

あと、僕がすごく感銘を受けたのが、
d マークは他の県と被ることは載せないということ。
これ、本当にすごいと思います。めちゃくちゃ大変。

例えば、道の駅という形態でその土地らしさやデザインが他県とかぶっていたらdマークに選べないということだと思います。
本当にその土地にしかない要素を言語化する
d design travelの都道府県が増えるに連れて出版ハードルが上がっていく。

編集者の方の本気が伝わってきました。ものすごいです。かっこいい。

3.その土地らしさをつくることを考える

イベントでは参加者の方々と、
「埼玉らしさのある店舗を作るとしたら」というグループディスカッションを行いました。
普段、店舗や住宅を設計している身としては、まちの人たちと一緒に店舗について考えるというのは初めての経験でした。

自分たちのまちについて良く考えている人が集まっている。
熱がある。楽しい。
まちづくりの企画の設計は、みんなが参加してオープンにやった方がいいなと感じました。
「自分たちのまちらしいホテルがないから作っちゃおう!」
と発言されている方もいて、最高!と心の中で拳をあげました。

その土地らしさを見つける行為と、
その土地らしいものをつくる行為は表裏一体です。

僕はどちらも続けて行きたいなと強く思いました。
懇親会では、どなたも初見なのにも関わらず二軒もお邪魔してしまいました。本当に貴重なお時間をありがとうございました。

4.つくることを学生のころから考えてきた話

個人的に学生時代に、思想の影響を受けた
D&DEPARTMENT PROJECTのd design travelを読み返していて、
学生時代に作っていた作品の思考が戻ってきて、載せてみたくなりました。
その土地らしいものとは何だろうか。ずっと考えてきている。

・トイレで瞑想して発想した活動がまちに溢れて人が集まるクリエイターの集合住宅
・山口県萩の原風景や特徴をハードに落とし込んで、伝統狂言の持続と発展が地方活性化に繋がる能舞台


学生のデザインって感じですが、
建築のハードだけじゃなくて、土地、人間、文化、プロダクト、ソフトが全部含まれるものが作りたい。そこに人とコミュニティがあってほしい。
その辺の気持ちは、学生時代から変わりません。

今アプリを作ろうと考えているのも出力経路が異なるだけで、
僕の感覚では全く同じです。対人間、対地方、対コミュニティ。
建築も一生やりたい。建築で出来ることはとても多い。

デザインの力でもっと世の中が良くなると信じます。
出力経路は問わない。

その土地らしいものを見つけること、つくること、それを助長すること、全てがまちと人のためになります。

なので、色々やっちゃいます。

熊谷から東京への帰りの電車でそんなことを考えましたー

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