『赤目』の創作環境についてーその0ー前書き

こんにちは!『赤目』制作助手の谷川です。演出助手の植田さんが作品内容についてとっても丁寧に解説してくれているので、

私は、感染症対策やハラスメントガイドライン、情報共有の方法など『赤目』の創作環境について書いてみようと思います。というのも、明後日の方向は、上演内容はもちろんですが、どのようにしてその上演が作られているのかをより良いものとし、さらに座組みの外部にも開いていくことを志しているからです。明後日の方向の一番最初の情報公開の際、演出の黒澤世莉さんは「もっとすごい演劇を観るために、もっと作りやすく続けやすくするために、面白い実験をはじめますよ。」と宣言しました。この、"作りやすく続けやすくするために"の部分のお話をします。

演劇に限った話ではなく、表現の現場では閉鎖的な環境で起こるハラスメントや、契約条件が曖昧な状態での長時間の拘束などなど、多くの構造的な問題があります。これらの課題はどうしたら解決できるのか?関わる人全員を不幸にしない、持続可能な創作環境を作るためには何ができるのか?明後日の方向では、その問いに真っ向からぶつかって、様々な創作環境改善のための取り組みを行っています。

けれどそれらは、「とっても画期的で新しいことをやるんだ!」というよりも、これまでの現場でないがしろにされてきた、本当は当たり前のことをきちんとするにはどうしたらいいのかを考えて、実行していく、という感じです。ただ、当たり前だからと言って簡単なわけではなくて、むしろすごく難しくて(簡単にできるんだったらないがしろにされてないですもんね)、だから明後日の方向でやっていることは"実験"なんだと思います。

このnoteでは、明後日の方向が行なっている、当たり前だけど大事で難しい取り組みたちを紹介してゆきます。当然のことながら、今回の公演は「行き先を探すための公演」なので、それらは決して完璧なものではありません。そもそもこうしたことが完璧になることはあり得ず、常にどうしたらもっと良くなるかを考えていくべきです。なので、「こんな取り組みをしています」と一緒に、私なりの「もっとこうなったらいいのにな」も書いてみようと思います。

と、ここから色々書いていきたいのですが、前書きだけで1000文字くらいになってしまったので、何回かに分けて記事を書いていくことにします!明後日の方向の"行き先探し"、"実験"を皆さまぜひ温かい目で見守っていただけますと幸いです!

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