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is、am、are / にほんしゅ・あさやん

とは言ったものの、何から見つめ直していったらえぇんや?
そもそも先ず "見つめ直す" って事は、一回見つめとかんとあかんのちゃうか。
見つめてみてから、見つめ直した所を記していったらえぇんか?
いや、一回見つめる時に見つめ直す事を考えながら見つめたら見つめる濃度が薄なるんやないか。
旅行に行くのに軽く下見しに行く位なら、行き当たりばったりで旅行行った方が絶対楽しいやん。
その時々のハプニングも含めて旅行というもんやんか!!
とはいえ、下見はしなくとも下調べはするもんでして。時間をかけて足を運ぶんやから、最低限の敬意を払って行く先々のことについては調べておかないと失礼だなと。
料理でも「レシピ通り作らんでも目分量で作るんや!」と毎回まばらの大味になる方というのはどうも苦手で。一回レシピ通り作ってみてからアレンジしようやと思ってもうて。
歌舞伎役者の中村勘三郎さんの言葉で、「型破りというのは型があっての型破り。型がなければただの型なし。」という一句が好きなのですが、まさにその通り。旅行もある程度自分の中で行く先々の予定を立てておく事によって、その時に起こるハプニングがハプニングになる。
行き当たりばったりだけで行く旅行はただの放浪。、、ん?放浪は放浪でありやな。

とまぁ。冒頭から余談まっしぐらで止められないのが悪い所です。
なるだけ良い所を見つけて、こういった所なら誰にも負けないぞ!!という部分を記していきたいと意気込んでいたはずなのに。
気づいたら文章が放浪してました。

でもほんま、中村勘三郎さんの "型なし" の話は好きでして。温故知新やないですけども、全ての歴史に意味があり知る事により技術が身についたりアイディアが浮かんだりする。
恥ずかしながら、その事に気づいたのが28歳。
大越酒店で働かせてもらいながら、唎酒師の資格を取得する為に勉強を始めてからでした。

僕の事を知ってる方も知らない方も、あらかたお気づきだとは思いますが、勉強はむちゃくちゃ苦手です。

初めて「あ、勉強向いてないんかも」と感じたのは中学一年生の時。
小学生の頃から、特に成績が良かったわけやないですが、向いてる向いてないとかの考え方は一切なかったです。
それがいきなり誕生したのが、中学一年生の時に友達が通ってた塾にどうしても行きたくなって体験授業を受けに行った時。

家からも自転車で10分位の距離にあり、小学生気分が抜けずに毎日一緒にふざけて遊んでた友達が通ってる塾なので、さぞ楽しい授業が行われてんねやろなと期待を膨らませながら教室に入ると、先生が赤線を引くホワイトボードを見ながらまじめに勉強する友達をすぐに見つけました。
たしか15人位おった中からすぐに見つけたので、その瞬間に達成感を感じたアホな中学生やったのは言うまでもなく。

「おーやっとるやっとる」くらいの気持ちで友達の視界に入る席に座り、気づくか気づかんか位の動きで『来たでー』的なモーションをかけるも、無視。
まぁ、授業中やししゃあないか〜と授業を受けていると、「じゃあ、今日体験授業に来ている浅浦君。ちょっと前に出てきてもらえる?」と先生から指名を受けました。

「ここにbe動詞を書いて」

今でこそ、英語は小学校の授業でも必修化されましたが、時は1999年。ミレニアムな当時はまだまだ中学英語は中学生からがほとんどで、僕もやっとアルファベットを全部覚えたばかりの頃。

ホワイトボードの前に立ち、水性マジックを手に取り友達の方を振り返る。
さすがに正面から顔を見ると、いつもの笑顔で微笑んでくれている友達。
少し緊張しながらも、ホワイトボードにマジックを近づける。
そして力強く、覚えたての"B"と"b"を書き、一言。

「B同士です」

静まる教室。固まる先生。目を逸らす友達。
「さっ、座って」の言葉と同時に消されるBとb。

僕が授業の途中から教室に入ったのは遅刻をしたからやったのか、その時間に来るように言われてたからやったのかは覚えてませんが、この後から友達は僕とは完全に赤の他人ですみたいな顔で授業を受けてたんは覚えています。

休憩時間になり、友達に話しかけにいこうとしましたが、友達は僕の知らない塾の友達と楽しそうに喋っていて、もちろん言われてないですが「絶対に近寄ってくるなよ」という空気を出しながら終始いつもの笑顔を見せていました。
胸のあたりがざわ〜ッとした後は、心ここに在らずで何にも授業の内容も覚えておらず。

「まぁ授業の内容も何言ってるか全然分からんかったしなぁ〜」と強がりながら自転車を漕いで帰るも、ペダルが重い重い。
結局20分近くかけて家に帰ると、
「塾から電話あって、浅浦君はウチの塾には向いてないですって言われたわ」と、わざわざ玄関で待ってたおかんに笑われながら報告受けました。

笑い飛ばしてくれるようなおかんでほんま良かった。

「こっちこそあんな塾お断りや!」と調子に乗った口調で戯けてみたものの、恥ずかしさを精一杯隠してる姿がモロバレやったのか「せやな!早よごはん食べ」とまた笑って諭すおかん。

その後高校受験に向けて中学2年の終わり頃からおかんが見つけてきてくれたプライベートスクールに入塾したのですが、その辺の話はまた今度に。

よぅよぅ考えたら、当時は勉強に対してやなくて、塾に対する苦手意識やったと思うんです。そんな事に気づくのは随分と先のことで。というかこうして文章に起こしてる今で。勉強は自分のペースでやり始めると案外楽しくて昨年は英検にも挑戦して合格する事もできました。

受験したのは、英検5級ですが。
小学生に混じりながら、is,am,areを書くたびに、サーっと消えていくBとbを思い出しつつ。

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