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スプラトゥーンのブキの使用数を散布図で比較

前回、作成方法を紹介した散布図は、2つのデータの傾向を比較するときに便利です。例えば、スプラトゥーン3のバンカラマッチで使用されたブキの数を、ルールごとに集計して、ホコとエリアのデータを比較すると、下図のような散布図が書けます。

エリアで好まれるブキは?

もし、ホコ(x軸)とエリア(y軸)で使用数に差がなければ、散布図の中の点(ドット)は、1直線(y = x)に並びます。作成した散布図を見ると、だいたい直線になっているので、ほとんどのブキの使用数は変わらないことがわかります。

散布図(ホコとエリア)
使用武器数の比較(ホコとエリア):値はlog2変換したもの。

よく見ると、これから外れたブキがあることに気づくと思います。エクスプロッシャーと、プロモデラーRG などです。エクスプロッシャーの場合は、ホコでの値が12くらい、エリアの値が14くらいなので、エリアではホコに比べて使用数が多いです。(散布図では見やすいように使用数をlog2変換しているので、実際の値は、 3870 と 18356 です。)

このように、y=xの直線から点が外れて、左上にあればあるほどエリアでの使用が多く、逆に、右下にあればホコでの使用が多いことがわかります。やはり、クラッシュブラスターなどのブラスター系は、ホコのほうが好まれるようですね。ボールドマーカーも、ホコでの使用数の方が多いので、塗るよりキルする目的で使われてそうです(イカ速を積みまくって暴れまわっている人いますね)。

データを比較する場合は、前回までのようなパイチャートよりは、散布図のほうが直感的に理解しやすくなります。一方、特定の武器の使用率が高いことを感じたければ(アピールしたければ)、パイチャートのほうが向いています。

ホコとアサリの比較

同様にして、ホコを基準にアサリでの使用数を散布図にすると下図のようになります。やはり、アサリでは、パブロの人気が高いようです。

散布図(ホコとアサリ)
使用武器数の比較(ホコとアサリ):値はlog2変換したもの。

ホコとヤグラの比較

ホコと比較すると、ヤグラでブラスター系が好まれていることが際立つようです。逆に、ボールドマーカーは、ヤグラよりホコで活躍できそうですね。

散布図(ホコとヤグラ)
使用武器数の比較(ホコとヤグラ):値はlog2変換したもの。

*これらは、「ホコ」基準で見ていることに注意してください。ほかのブキを基準(x軸)にすると、散布図の印象は変わります。

使用したデータ

ルールごとに集計したブキの使用数です。下記のようなテーブルになっています。
元データは、 stat.ink に登録されたデータを利用しました。ちょうど、シーズンが終わったところだったので、 Chill season のみをフィルタリングして使用しました。A1 のデータ(投稿者のブキ)は除外しています。

> plot_data
# A tibble: 68 × 7
   weapon              hoko yagura nawabari  area asari buki
   <chr>              <dbl>  <dbl>    <dbl> <dbl> <dbl> <chr>
 1 52gal              20032  19301    25067 26355 14051 .52ガロン
 2 96gal               2373   2632     3317  3436  1581 .96ガロン
 3 bamboo14mk1         1532   1635     2307  1941  1057 14式竹筒銃・甲
 4 barrelspinner       8429  10367    12471 19829  5716 バレルスピナー
 5 bold               11240   3903    21369  7121  5962 ボールドマーカー
 6 bottlegeyser        4385   4509     3592  5985  3347 ボトルガイザー
 7 bucketslosher       2756   3388     4761  4825  2017 バケットスロッシャー
 8 bucketslosher_deco   969   1030     1960  1369   692 バケットスロッシャーデコ
 9 campingshelter      1803   1317     2325  2656  1446 キャンピングシェルター
10 carbon               815    922     3450   923   490 カーボンローラー
# … with 58 more rows
# ℹ Use `print(n = ...)` to see more rows
>

log2 変換する意味

散布図を作成するときには、ブキの使用数の数字を log2 変換してから用いています。これは、データの範囲(レンジ)が広いときによく行われる処理です。

シャープマーカーなどが2万から5万くらいの使用数に対して、リールガンなど使用数の少ないブキは、数百から1千前後しかないので、そのままの値を用いてプロットすると、ほとんど、重なって見えなくなってしまいます。

そんなときには、log2変換すると、すべての数値が二桁におさまるので、見やすくなります。log2変換前後で使用数の順位は変わりません。

*絶対に底を 2 にしないといけない数学的な理由はありません。底を10として、log10 変換でも散布図の見た目はそれほど変わりません。


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