権利侵害の意識がどんどん曖昧になっていく
テレビ番組内で芸能人が「○○の番組を私もYouTubeで観ました」「○○の音楽をYouTubeで聴きました」と発言することが多くなったと感じる。
減少傾向にあれば特に気にならなかったのだが、何故、増えているのか、違和感を覚えてしょうがない。
YouTubeなど、WEBコンテンツがそれだけ日に日に普及してきていて喜ばしいことだと捉えることもできるのだが、同時に、著作権の意識が編集しているテレビマンも低いんだということが露呈しているとも言える。
テレビ番組など、テレビ局の許諾を得ずにYouTubeなどの動画共有サイトへ投稿するのは、もちろん「違法」である。しかし、それらを閲覧するのは、違法ではない。
「違法ダウンロード刑罰化」は、何が違法で合法なのか?
http://www.materialize.jp/art/column-essay/3830/
違法ではないから、テレビ番組で閲覧していることを発言してそれを放送して問題が無いのか、というところに私は眉をひそめてしまう。
元は違法にアップロードされているものだ。それを嬉々として閲覧していると番組内で発言すれば、その影響は少なくなく、多くの人たちが同じように閲覧するようになる。
あまりにも多くの番組がアップロードされている為、あたかもそれが「普通のコト」のように思えてしまう。アップロードは「違法」だ。そういった著作権の勉強は学校では行われない。これはコピペ騒動の時にも指摘されていたことだ。
いつしか、「わあ~もっとWEB上に面白い番組が揃えばいいのに~」と、”善意”でアップロードを行ってしまう人たちが出てきてしまう。
テレビ番組とWEBは、こうして違法なことを違法じゃないような錯覚をさせてしまう、非常にデリケートな環境だということを忘れてはいけない。
これは「脱法ドラッグ」もそうだった。「脱法」という言葉だけがフィーチャーされてしまい、法を脱しているような誤解を生んでいた。実際、本当に「合法」だと信じていた人は大人であっても少なくない。「捕まらないんだったらドラッグっちゅうもんを合法の今の内に試してみよう」、なんて思った人も多くいたはずだ。
「コンプライアンス」という言葉だけが先行して、世の中の意識は大して変わっていないように感じるし、むしろ、テレビ番組とWEBが融合することによって、ますます権利侵害の意識を曖昧にさせているような気がしている。
(アシベズヘア/facebook)
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