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パワー(圧力)は何も解決しない。何も生まない。

先日、「有吉反省会」などに出演しているロングフェイスこと「岸博幸」さんの講演会に行ってきたと書きましたが、その中でもうひとつ、思い出した話がありました。

岸博幸さんは現在、エイベックスの役員(取締役?)をやっていて、音楽業界の再建を担っているそうです。音楽業界は、今から20年前は「6000億円」市場だったが、今現在は、「2000億円」まで落ち込んでいる、典型的な「衰退産業だ」と言っていました。

ただ、その中でも、AKBやEXILEなどは、時代の流れに逆らうこと無く、新しいニーズを知恵を絞って見出して、音楽業界全体とは反して、右肩上がりの業績を続けているのだそうです。

時代の流れに逆らった対策は、ことごとく失敗して、右肩下がりはまったく止められなかった。それの代表策が、著作権法改正による、音楽の違法コピーへの対策です。

法律を強化して、パワー(圧力)で解決しようとしたわけですが、違法コピーは止まらず、また、音楽そのものへの需要も少なくなっていき、まったく響かなかった、対策に金が掛かるだけだった、とにかく意味がなかった策だったのです。

AKBやEXILEなどが取った策は、ニュースにも散々なっていてもう誰もが知っている策、違法コピーできないアナログな「握手券」や「投票券」を特典につけるという商法です。また、コンサートの演出を豪華にしたりと、金を出して足を運んで得られるエンターテイメントに重きを置いて展開していって、それが今もなお継続して成功しています。

パワー(圧力)に頼ったやり方では、もしかしたら歯止めにはなったかもしれませんが、新しい産業を生む結果には、決してならなかったでしょう。

これらは決して、時代の隙間を逃げ回って金にしているのではなく、完全にデジタル時代の新しいニーズを開拓して勝ち取った成功だと私は思います。

デジタルに偏れば、人間は必ず、アナログを欲しくなるものです。デジタルで何でもできる時代になりました。敢えて、金を払い、電球を取り替えるだけのために、人間を派遣するサービスもあり、それが流行っています。「人が恋しいから」という理由で繰り返し、利用するそうです。DMでは、メールで大量に送信される中、敢えて、手書きのDMを送ると、圧倒的にメールでの効果よりも反応があるそうです。

JASRACは、また、音楽教室からパワー(圧力)で金を取ろうとしています。当然、また、強い反発が生まれるでしょう。そしてさらに、音楽教室も減ってしまい、さらに音楽から遠のく結果になるかもしれない。パワー(圧力)では何も解決しない、何も生まないということが、なぜ、分からないのでしょうか。きっと、それ以外に、知恵が働かないのでしょう。働かないというか、そもそも、もう知恵が存在しないのでしょう。

産業が、知恵を無くしたらいよいよ終わりです。

アプリ開発も同じです。前に、デザイナーの立場が強い企業のアプリはほとんどがクソ以下のものにしかならないと書きました。社内アンケートを取ったにも関わらず、上位の案をすべて無視して、デザイナーの独断で最終決定されてしまい、結果、非常に評判の悪いアプリが出来上がりました。本当に最悪の出来上がりです。

改善要望があるから運営陣に伝えてほしいと営業に伝えたら、運営陣が気を悪くするからやめてくれ、と言われた件も同じです。パワー(圧力)で本当に良いものへの判断ができなくなったら、もう終わりなのです。この営業も、今のままで良いとは思っていない、他からも実は要望は上がっている、と愚痴っていました。でも、それが社内ではタブー、禁句になっていると。

これらが全てプライドによるものなら、プライドの持ち方を絶対に間違えています。より良い意見を取り入れてより良いものを生産していくことにプライドを持ってもらいたい。信念の持ち方が、絶対におかしいです。

うちのアプリ「CountizePad」はお陰様で一ヶ月以上も好調のまま、Google Playの「急上昇」にも今も継続して掲載されています。初めは、完全に私の独断で、私が良いと思う機能だけでリリースし、それでダウンロード数が伸びたというキッカケにはなりました。でも、それが全てだとは思っていませんでした。なので、今、皆様からの要望をどんどん取り入れて、私が思いつかなかった機能をより良く搭載できていっています。私はこのことにプライドを持っていたい。

「俺の思い通りにやっていれば正しいんだ、口を出すな」

というパワー(圧力)をかざした時点で、そこで終わるでしょう。そうしないことに、私は信念を持っていたい。

CountizePad: メモ帳に文字数カウント機能を添えて
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.materialize.wordcountize

IT業界全体は男の社会です、まだまだ。女性も少しはいますが、圧倒的に男が激務に耐えて働きますから、やはり男の発言にパワー(圧力)が生まれます。そして経験の多い者の方が技術職ですから経験=パワー(圧力)が生まれます。

若い人の知恵を得ない、女性の知恵を得ない、いつまで経っても循環しない産業になってしまいます。そんな中、台頭するのは、若い集団のベンチャーだったり、女性を積極的に使った集団だったりと、新しい風を柔軟に取り入れた、時代を掴んだ者たちがやはり、圧倒的に成功するのです。

偉そうに書きましたが、自分はきっと、まだそれほど大きなパワー(圧力)を持っていないから、こんなことが書けるのかもしれません。圧倒的なパワー(圧力)を手に入れたとき、人間は変わってしまうのでしょうか・・・。

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