20180523

耐えきれない夜と、ざらつきを溶かすアルカリの花、
受粉せよ
痛みを
花弁へ埋めよ
その指を
遡れ、茎を
幾千の、細胞のよろこびをもう一度指にください
どうかもう一度、
と願いながら、
(速:巨大な象の足の裏でにじられた日々を思い出して
すっぽりと飲まれたよ、わたしは今、花の裏にいる)
たどり着いた根で、逆さ向きの花を咲かせよ
誰にも見えぬ、指の花
(五つの花弁が各々に、残響をよばう)
見られなくてよい、土の夜で、
指紋が肥え、膨れ上がり、ひらいた
(根毛、バクテリア)
色のない土の夜に
育んだ、わたしたちのあやまちが再生される

遺伝情報が零になる瞬間

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