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ルシファー獣神化・改のディクショナリーを読む

はじめに


 モンドリ(DREAMDAZE)の2日目、7月9日のモンストニュースのラストで、ついにルシファーの獣神化・改が発表されましたね!!! PVもイラストも性能も「破格」というほかないです。おめでとう。ありがとう。

 今回はルシファーの「ストーリー」にあたるモンストディクショナリーを、なるべく丁寧に読んで、考察……というよりは、妄想を行ってみたいと思います。モンストアニメ3期(新シリーズ)が好きなオタクの話なので、冗談半分にお読みいただけたら幸いです。
 以下、小刻みに引用しながら考えてみます。

モンストディクショナリーの物語

映画「ルシファー 絶望の夜明け」の後日譚

ストライクワールドの危機を自らの命と引き換えに救ったルシファー。天界でも魔界でも、亡き存在になったと思われていたルシファーだった…

モンストディクショナリー 新生・堕天の王 ルシファーのプロフィールより

 公開から2年以上経っていますのでネタバレを恐れずに申しますと、映画の中で、ルシファーは命を落としています(詳細が知りたい方は映画をご覧ください!)。終盤でそれがルシファーなりにストライク・ワールドを救うための策だったことが判明し、彼女の遺志を継いで死力を尽くした仲間たちによって、世界は滅亡の危機から救われました。
 エンディングではルシファーの墓碑が描かれ、ウリエルたち四天使が花を手向けに訪れます。ラストでウリエルが振り返るとそこにはルシファーの姿が。しかしこれは幻覚なのか、実体なのか……それを知る術は我々にはありません。そのため、天界のウリエルたちには「亡き存在になったと思われてい」るのでしょう。
 魔界の王たるベルゼブブも、ルシファーが亡くなったことは知っているはずです。

映画では確かに亡くなった、しかし……

亡き存在になったと思われていたルシファーだったが、実は異なる世界に記憶を失った状態で漂着していた。

モンストディクショナリーより

 映画の終盤で、ビナーは生命の樹と同化し、命を落としたり、あるいは傷ついたりしていた仲間たちや世界を蘇らせ、癒しています。大仕事ですね。
 しかし、エンディングで無事を喜び合う仲間たちの輪の中に、ルシファーはいませんでした。体を焼かれてしまったと思しいノアも、ゲートに押し潰されて消滅したスルガトも蘇ったのに、なぜルシファーはいなかったのか?
 天聖「ビナー」の真の力は、生死を操る力です。
 この力によって、滅ぼされた悪しき天聖たちは、傀儡としてボロボロの姿で蘇りましたし、アーサーをはじめとする仲間たちは五体無事で目覚めましたし、傷ついた世界は緑の息吹に包まれました。それではなぜルシファーだけが生き返っていなかったのか。
 完全な妄想でしかありませんが自説を述べておくと、ルシファーは「自身の死の理由に納得していた」からではないかと思います。「私の命くらいくれてやるさ、仲間を守るためならな」と、彼女は優しく微笑みながら言いました。これは偽らざる本心であったでしょう。
 悪しき天聖たち相手には容赦なく眠りを呼び起こして使役していたビナーですが、絶望から解放された彼女が仲間たちと世界を癒すにあたっては、本人の意思を無視して生き返らせることはタブー視したのかもしれません。
 この自説の傍証としては、映画に出てきたルシファーの墓碑の銘文が挙げられます。

Lucifer
The light bringer

She knew true friendship (彼女は真の友情を理解していた)
She knew true solitude    (彼女は真の孤独を理解していた)
She knew true devotion   (彼女は真の献身を理解していた)
She gave up everything   (彼女は何もかもを手放したのだ)
and more          (そして、それ以上のものも)
May she rest in peace.    (彼女に安らぎが訪れんことを)

 カッコの中は私の拙い訳で恐縮ですが……。
 真の献身、とは、映画での彼女の行いを指していると思われます。仲間たちの怒りと憎しみを一身に浴びながら、世界の本当の歪みを突き止めてもらえるように、悪役に徹し続けたルシファー。死に際の安らかな表情は、自身の役割を果たせたことへの安堵と、きっと真実に気づいて世界を救ってくれるという、仲間たちへの信頼からくるものであったでしょう。

 ところがどっこい、ルシファーは記憶を失って「他の世界」に漂着していた?
 ここで、モンストアニメの世界観をおさらいしてみましょう。詳しく知りたい方は「5分でわかるモンストアニメ ー初級編ー」をご覧ください。

 簡単にまとめてみると、次のようになります。
 「モンスターが暮らすそれぞれの世界をまとめた総称」が「ストライク・ワールド」です。天界、魔界、モンストアニメに出てくるアーサーの国、ソロモンのレシアル国、ノアの故郷の砂漠の星などをひっくるめた呼び方が、ストライク・ワールドというわけです。モンストアニメ以外でも、たとえば十文字雷葉たちのイベント「黄昏の閃巧廃鬼団」の紹介ページを見ると、舞台は「ストライク・ワールドのとある国」だと記されています。
 つまり、ルシファーが映画の後に漂着した世界は、「ストライク・ワールド」の中の、天界でも魔界でもない世界ということになります。人間界で言うなら、違う国か星に流れ着いたようなものになりますね。
 さしずめ、自分の死に納得しつつも、ウリエルたちと再会できないことに未練があり、その未練が生命の樹と同化したビナーの能力に触れたことで、不完全な状態で蘇ってしまった、というところでしょうか。あくまでも推測に過ぎませんが……。

ルシファーの安息

そんなルシファーを発見したマグダレーナという名のひとりの修道女が、ルシファーを介抱し、自分が暮らす貧民街の教会へと連れ帰って保護をする。マグダレーナは悪政を敷く帝国から弾圧を受け、非常に弱い立場の中で貧民街で暮らしており、貧民街へ招かれたルシファーは、そこで暮らす人々と出会い、優しく迎え入れられて、一時の安息を得た。

モンストディクショナリーより

 マグダレーナ(Magdalena)は、マグダラのマリアに由来する女性名です。私はキリスト教には疎いことこの上ないので、このパートは特に正確さが保証できないことを前提にお読みください。
 マグダラのマリアは、イエスの処刑、埋葬、復活を見届けた女性とされています。イエスが「神の子」「ユダヤの王」であると自称した咎で処刑されたこと、(モンストの)ルシファーが自ら悪役を演じて本当の危険を炙り出そうとして命を落としたこととを重ね合わせるのならば、ディクショナリーのマグダレーナは、ルシファーの「復活」を最初に目撃した人物として、この名を持っているのでしょう。
 ちなみに、ルシファーとイエスについては、面白い類似点がいくつかあるように思われます。

  • 三位一体説で神と同一視されるイエスと、神をも凌ぐと噂されるほどの力を持ち、かつ神を守ろうとするルシファー

  • ゴルゴタの丘で処刑されたイエスと、映画のエンディングで天界の丘の上に墓標があるルシファー

  • 処刑から3日目に復活したイエスと、自らが亡くなった映画「絶望の夜明け」の公開(2020年)から3年後に獣神化・改を遂げたルシファー

 こじつけの域を出ませんが、考える余地はありそうです。
 「貧民街の教会」「圧政を敷く帝国」は、ローマ帝国がモチーフでしょうか。元来多神教を奉じ、また皇帝崇拝も行われていたローマ帝国において、キリスト教徒は迫害を受けていました。
 ここでのルシファーは、おそらく自分が天界の天使であったことを忘れています。もしかすると名前すらも覚えていないかもしれません。ひとりの、身寄りのない金髪紫眼の女性として目覚めた彼女は、マグダレーナに招かれた貧民街で、人々との温かな交流を通して、安息を得たのでしょう。
 モンストアニメでも映画でも、ルシファーがウリエルたちと共に過ごす時間を犠牲にして戦い続けてきたことを考えると、この安息の重みも知れようというものです。

帝国に捕われるルシファーと貧民街の人々

しかし、ある日のこと、ついに帝国の弾圧が貧民街の人々にまで及び、帝国軍の兵士たちが押し寄せて人々を一斉に逮捕してしまう。ルシファーの内に眠る強大な力に気づいた圧制者は、ルシファーに目をつけ、貧民街の人々と共にルシファーを捕らえ、処刑を執行することを決定する。

ディクショナリーより

 この項目からは、ルシファー改PVと時間軸が被ってもきますので、PVも参照しながら見ていきましょう。
 ここで改めて「帝国」について考えてみます。
 モンスト好きなストライカーであれば、帝国の指導者として、まず真っ先にカエサルを、次いでルキウス・ティベリウスを思い起こすことでしょう。先ほど述べたように、この「帝国」の元ネタはローマ帝国
 カエサルは史実ではローマ皇帝にはなっていませんが、モンストの世界においては若くして皇帝に即位し、その支配領域を拡大したことが示されています。ただし注意しておきたいのは、モンストのカエサルは「ローマ皇帝」であるとは、一切明言されていないことです。
 ルキウス・ティベリウスは木属性の激究極降臨です。史実にはこの名のローマ皇帝は存在しません。アーサー王伝説に登場し、アーサーと覇を競った架空のローマ皇帝が元ネタです。モンストでの設定も、このアーサー王伝説を下敷きにしていて、我らがアーサーと激戦を繰り広げます。

ルキウス・ティベリウス神化イラスト
ルシファー獣神化・改PV

  ルキウスの神化イラストには、多様な軍事兵器が描かれています。進化前のディクショナリーで、彼女が統治するローマ帝国は軍事力と科学力を誇っているとあるので、技術のレベルはかなり高いでしょう。特に着目すべきは、彼女の背後の飛行船です。ルシファーの獣神化・改PVに出てくる、処刑台を包囲する飛行船に似ていませんか? 仮定するなら、ルキウス・ティベリウス治世(もしくは、その近辺の時代)のローマ帝国が、ルシファーやマグダレーナたちを捕らえた、ということになるでしょうか。「ルキウス(Lucius)」は輝くという意味のラテン語「lux」に由来するとされ、明けの明星を指す「ルシファー(Lucifer)」と、語源的につながりがあると言えなくもないので、この可能性は高そうです。
 PVでルシファーに蹴飛ばされてしまったおじさんは、おそらく処刑人の長であり、皇帝ではないでしょう。余談として、このおじさんは「罪深き魔女のしもべとみなし……」と罪状を述べています。今の時期なら、魔女と聞けばセイラムのことを思い出すかもしれません。名前からも推測はできますが、桑原さんのボイス秘話にて、セイラムのモチーフ元は17世紀アメリカの「セイラム魔女裁判」だとわかります。もしかすると、伏線にも満たないけれど関連事項を張っておいたよ、ということなのかもしれませんね。

記憶に閃くは親友の面影

強大な圧制者の前に成すすべなく諦観するルシファーだったが、そのとき、自分の中に眠るかつての記憶が蘇る。

ディクショナリーより

 自らが強大な堕天使であることを忘れている彼女は、足場を崩されて落下するそのときまで、諦観しています。記憶を失っても性格は大きく変わらないのであれば、「基本的にはめんどくさがり」な彼女にとって、成すすべがなければ諦観するのはごく自然なことだったでしょう。
 しかし、巨大な処刑装置の中を落ちていく途中、共に処刑されようとする一人が手を伸ばします。助けようとしてのことか……。その表情に重ねて、彼女はそこにいない別の誰かの面影を見ます。

ルシファー改PV

 ウリエルです。
 モンストアニメをご覧になっていたなら説明は野暮でしょう。二人は大親友でした。
 モンストアニメにおいてルシファーが獣神化するときも、ウリエルはルシファーに手を差し伸べています。

モンストアニメ ルシファー ウェディングゲーム第7話

 この構図は、神がアダムに魂を吹き込む場面を描いた宗教画に近いものでしょう。アダムはのちに原罪を得て楽園を追放されるので、堕天使であるルシファーのモチーフ元、神は大天使長ウリエルのモチーフ元と思われます。傷ついたルシファーが、ウリエルの聖性に触れて新しい進化形態を得る、という構図です。
 さて、彼女はウリエルの姿を見、かつての記憶を蘇らせたとあります。いったいどこまで思い出したのでしょうか。自分の名前__ルシファー、叛逆の堕天使であったこと、その力の振るい方、までは固そうです。
 また、先ほどのPVの場面で、割られた足場の破片が色とりどりに輝いて落ちていきます。これは獣神化ルシファーの翼の端が、三角形のパーティクル状にほろほろと舞っていることを思わせてくれるようです。

反逆、再び__!

反逆の精神が再び灯ったことで、魂の奥底で繋がっている反逆者たちの牢獄である「コキュートス」の扉が現世に解き放たれ新たな力を手にしたルシファーは、堕天の王として再臨を果たした

ディクショナリーより

 突然の「コキュートス」。ストライカーなら木属性爆絶モンスターを思い浮かべることでしょう。
 コキュートスの元ネタは、ギリシャ神話における冥界に流れる川の一つで「嘆きの川」の意味を持ちます。のち14世紀初頭にダンテが著した『神曲』では、コキュートスは裏切り者や反逆者を収容する地獄の最下層で、その中心部にルシフェル(ルシファー)が氷漬けになっていると描写されています。ちなみにこのルシフェルは、三つの頭でイスカリオテのユダ、ブルータス、カシウスを噛んでいるとのことです。モンストではジューダス(ユダ)、ブルータスが実装されていますね。
 話をモンストのコキュートスに戻します。
 「コキュートス」は元々地獄の名称で、ここの管理者として選ばれた青年が、自分もこの名を名乗るようになったということです。この青年は罪人をはじめ、生物を氷漬けにして楽しむ、という性癖の持ち主です(公式設定)。ここに捕まってしまうと最後、解凍されることはなさそうですが、ルシファーはあくまでもコキュートスから解き放たれた、おそらくは反逆者たちの魂に触れたということで、無事に新しい力を得ています。青年としては、ルシファーほどの大物を是非ともコレクションに加えたかったことでしょうが、いかんせん大物すぎたのかもしれません。
 自分が何者であるかを思い出し、力を得たルシファーは、シンプルな衣装、神化を思わせる質感の翼を持って、堕天の王として再臨します。

新たなる玉座

圧倒的な力をもって処刑人たちを瞬く間に殲滅したルシファーが、悠々と玉座に腰掛けると、虐げられた貧民街の人々は彼女を讃え、反逆の救世主の誕生に歓喜の声をあげる。

ディクショナリーより

 処刑人たちを不敵に挑発するルシファー。おじさんのレーザービームも、部下たちの銃撃も難なくバリアでいなすと、超絶防御ダウンブラストと思しき攻撃で彼らを蹴散らします。強い。
 歩いてくるルシファーに対して、おじさんは目を赤く光らせ、決死の抵抗で弾をぶつけますが、エイムがなってないですね。記憶が戻っているなら、ケテルやヒーローズの方がよほど手強かったぞ、くらいは思っていることでしょう。蹴っ飛ばされて倒れると塵と化してしまうあたり、このおじさんたちも真人間かどうか怪しいですね。それともルシファーの蹴りに仕込みがあるのだろうか。
 奪ったガウンを羽織ると、その端が獣神化の翼のように揺らめきます。ガウンの内側と、形を変えた玉座には魔法陣のような模様が入り、オーブカラーに輝いています。座したルシファーを狙う飛行船の砲門。しかしルシファーの敵ではありません。あくびを一つ、指パッチンを一回。ハイエナジーサークルで一掃! 強い!! かっこいい!!!

「叛逆の扉は開かれた…… 我、堕天の王なり。」

獣神化・改SSボイス

 ……これはモンストアニメの記憶もほぼほぼ戻ってるでしょう!

この世界で成すべきこと

こうして、この世界で己が成すべきことを見出したルシファーは、涼しげな表情を浮かべながら、帝国に宣戦布告をするのだった。

ディクショナリーより

 元来、ルシファーはとても仲間思いです。モンストアニメ3期では、その仲間とは第一にウリエルたちのことでした。ヒーローズ、ルシファー軍の面々にも、仲間意識は少なからず抱いていたことでしょう。
 大切な仲間のためには、神に仕える者に対してであろうと、体制や伝統に対してであろうと、反逆を厭わない。それがモンストアニメを通じたルシファーの行動原理でした。
 一度死んで蘇って、記憶を無くして流れ着いたのは見知らぬ世界。しかしここには、マグダレーナをはじめ、親切にしてくれた心優しい人々がいます。おそらく帝国の体制において軽んじられ、迫害されてきて、ようやく現れてくれた叛逆の救世主に歓声をあげる貧民街の人々がいます。慕ってくれる新しい仲間のためにするべきことは明白です。帝国の圧政を覆し、民に安息をもたらすことです。仲間のためなら、ルシファーは戦うことを厭わないのです。
 ディクショナリーの物語は、ここで終わっています。

さらに、「その後」の話

 ここからは妄想50%、願望49%、考察1%くらいなので、ふーん程度でお読みください。

帝国への叛逆は、成就する

 先ほど、この帝国は「ルキウス・ティベリウスが統治するローマ帝国」だと仮定をしました。ルキウス・ローマ帝国は、アーサー王のブリタニアと争っています。モンストのストーリーは元ネタのアーサー王伝説をかなり捻っていると思われる(詳しからぬのでご容赦)のですが、ディクショナリーによれば、アーサーは獣神化改までで、少なくとも4つの大きな戦いを経験しています。

  • ブリタニア統一戦争(進化前〜進化)

  • 「民の安寧を脅かす強敵との戦い」(神化。重傷を負うも、アヴァロンに治療され、復活して獣神化。モンストアニメのアーサー編は獣神化したところからか)

  • モンストアニメ3期の戦い(獣神化)

  • 聖都サラスで復活、暴走した古代兵器を鎮める戦い(獣神化・改。PVの兵器がそれだとするなら、この古代兵器はアヴァロンということになる)

 このどこにルキウス・ローマ帝国との戦いが入るのだろうか……。今から、こじつけでモンストアニメ3期の後の、ルシファーとアーサーのストーリーを組み立ててみたいと思います。

 アーサーが天界から帰還して少し後、ルシファーがローマ帝国に叛旗を翻す少し前のこと__。
 ブリタニアでは聖杯が奪われ、国土が荒廃する事件が起こっていた。解決のために旅に出たアーサーは、聖都サラスにて、聖杯を奪った組織と対面する。首魁は、自分は古代の王の末裔で、聖杯を使って古代遺跡に眠る兵器を蘇らせ、自らが王になるのだと語る。しかし、再起動した古代兵器アヴァロンは、少女の恐れと組織の野心から、首魁を後継者として認めずに暴走せんとする。首魁の改心、アーサーの決意、新たな聖杯の出現を経て、獣神化・改したアーサーは、首魁の真意を聞いた。曰く、「長く続くローマ帝国との抗争は、民を疲弊させる。戦いを有利に進め、早期に決着させるために、古代兵器を扱える力を持つ王が必要だと思った」と。
 ブリタニアとローマ帝国の戦いは、王と皇帝の代をいくつも跨いで続いていた。戦況は一進一退、明確な勝敗がつかない。が、アーサーが王都に戻ると、折悪しく、ローマの皇帝ルキウス・ティベリウスが、自ら戦場に出、ブリタニアの軍勢を退けて進軍しているという知らせが入った(ルキウス神化)。ルキウスは技術力と武力にものを言わせ、大量の兵器を引き連れて侵攻してきた。一騎当千の円卓の騎士たちだが、陸と空より襲い来る軍勢の前に、思うような戦果が出せないで損耗していく。
 状況を変えたのは伝令の知らせだった。ローマ帝国に潜入させていた密偵によれば、貧民たちの叛逆に端を発して、皇帝不在の帝国で反乱が勃発したという。その先頭に立つのは、翼と、角のような輪と、超常の力を持ち、「堕天の王」と名乗る、金髪の女性であると。

 ……という具合で、アーサーはルシファーの復活を知り、内外からルキウス・ローマを退けるのです(妄想)。
 ルシファーはおそらく、自分自身が実際に為政者になることには向いていないでしょう。それには戦いとはまた異なる難しさがある。彼女はマグダレーナか、他の適性を持った仲間をリーダーとして、この世界の「その後」を託すことでしょう。
 アーサーと対面したルシファーは、蘇ったが記憶を失っていたこと、今も全ての記憶が元通りになったかどうかわからないことを告げます。アーサーはアヴァロンの元にルシファーを案内し、治療を受けさせます。
 天界でも自分は反逆者であり、憎まれているかもしれない。それでも、ウリエルたちに一目会いたい。そう吐露するルシファーのために、アーサーはノアの方舟を呼びます。天界を含めてストライク・ワールド中を旅する彼らは、ルシファーに、彼女の行動とその真意は偽りなく記録され、恨みではなく感謝と尊敬の対象となっていることを伝えます。そして方舟の客となったルシファーは、道中レシアル国に赴いてソロモンたちに挨拶をしたのち、天界に帰ることになります。

 HAPPY END……

また他の世界の話

 この際なので、根拠の薄い話もします。
 まずはフェルシアとカノンについて。フェルシアは教会国家グローリーの指導者です。「かつて戦場で生死の境をさまよった際に、朦朧とする意識の中でルシファーの姿を目にし、その高貴さと強さに心を奪われ」たことで、天使研究に没頭し、人造天使カノンを生み出すことになります。
 グローリーのある世界が天界とは別の世界であるとすると、フェルシアが戦場でルシファーを目撃するタイミングとしては、獣神化・改した彼女が戦っているときくらいでしょうか。ただ、この場合、ブリタニアとローマとグローリーと、もしかするとグローリーと敵対する隣国までもが同じ世界にあることになります。世界を地球のような惑星だとするならば、別におかしいことではないのでしょうが……。

いずれ訪れる天界の危機

 ディクショナリーを読みこむと、天界に襲い来る危機がいくつかあることがわかります。

  • 天界大神殿の底部に悪魔たちが侵入(サンダルフォン、メタトロン獣神化)

  • 邪悪な樹「クリフォト」の復活(ビナー獣神化)

  • ソロモンの鍵が奪われ、天界と魔界に争いが引き起こされる(ソロモン獣神化)

 アニメを作れる余地がたくさんありますね。モンストアニメ続編をください

おわりに

 いや〜〜、ルシファー獣神化・改、めちゃくちゃ嬉しいですね。色々考えさせられて気がついたら一万字近くになっていました。
 今回の獣神化・改PVを制作してくださったのはANIMAさんです。モンストアニメ3期本編、映画「絶望の夜明け」にも携わってくださっています。ありがとうございます。天使シリーズ第2世代獣神化、ビナー獣神化、アーサー改のPV(ダイナモピクチャーズ、現ニンテンドーピクチャーズさん制作)と併せて、もう実質モンストアニメの続編と言ってもいいんじゃなかろうか。
 公式さん、是非とも10周年で、モンストアニメの続編または新シリーズの発表をお待ちしております。

 長々とした与太話を読んでくださった方、どうもありがとうございました。