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モンストシリーズ私見

※2024年4月20日追記
すべてのモンストシリーズがサービス終了することになった。デザインやストーリーが良いだけに、ゲーム自体の出来が残念だという感想。

2023年になるかならないか辺りから、モンストのスピンオフゲーム(モンストシリーズ)が立て続けにリリースされていることをご存じだろうか。
モンストニュースで最後にちょろっと紹介される程度だったので、モンドリで初めてゲームの存在と内容を知ったという方も多いのではないだろうか。
この記事では、しがない1ユーザーとして、現在も存命のモンストシリーズについて率直な感想を書き出してみたい。


1、ゴーストスクランブル(ストブル)

ジャンル:ブッ祓い共闘アクション
リリース:2022年7月19日

ヤクモちゃんはこういう感じになる

今ある中では一番年長。
「モンQ」を引っ張って飛ばしたり、チャージ攻撃をしたりで敵を倒していくゲーム。4人マルチ推奨設計。

いいところ

*マルチでのコミュニケーション手段がある
「準備OK!」「ごめんなさい」「ありがとう!」「連戦希望」など、募集待機画面で同時に使い分けできるグッジョブのようなものがある。これモンストにも欲しいよなあ。
募集の段階で「ガチのみ」「誰でもOK」が選べるので、初心者が事故る心配もあまりない。

いまいちポイント

*モンQのデザインの好みが分かれる
モンQはオバケが「強いもの」=基本的にはモンストのキャラ、あるいはコラボ先のキャラの情報をコピーして姿を模倣したという設定なので、手足がない。
芋虫みたいという声をたまに見かける。わかる。特に装飾少なめだとより芋虫っぽく見えてしまうことがある。
(筆者の推しは実装されているが、幸運なことにかなり好みのデフォルメだった)

*人口が少ない(少なそう)
ちゃんと数えたわけではないが……
公式アカウントのいいね数やアンケート集計を見る限り、賑わっている印象はない。リリースから1年経過したのでコア層が固定化されてしまっているのかもしれない。9月現在は東京喰種とのコラボを開催しているので、これでプレイヤーが増えるかどうかが分岐点ではないか。

2、スピードラッシュランナーズ(スピラン)

ジャンル:共闘ランニングバトル
リリース:2023年2月2日

リニューアルで確かにかなり良い方に様変わりした

4人マルチ推奨設計。リリース時はお世辞にも遊びやすいとは言えなかった。ランゲームの割に感度が悪く、操作感が快適でなく、ボイスはなく、テンポも悪く……
という感じだったのだが、夏にリニューアル。UIを一新し、コンテンツを増やし、モンストキャラにはボイスを実装

いいところ

*基本操作が単純
レーン移動とジャンプとスキルポチーだけでなんとかなる。タイミングを見極めるのが重要。

いまいちポイント

今時のソシャゲにあるまじき粗製はリニューアルで改善されているので、殊更に言い立てるほどのことはないと思う。

*公式略称
「スピラン」で調べるとマリ◯メーカーの方がたくさん出てくる。これはスピードラッシュランナーズ公式にもプレイヤーにも、マリメのプレイヤーにとってもよろしくない事態では……

3、タワーオブスカイ(タワスカ)

ジャンル:積み上げタワーパズルRPG
リリース:2023年2月28日

筆者が一番遊んでいるモンストシリーズゲーム。
「モンストキャラではなく独自キャラがメイン」「基本ソロプレイ」の2点で、他のモンストシリーズと一線を画している。
プレイ方法は簡単。六角形を組み合わせたブロックを、各種トリックの発動を目指しつつ、崩れないように積んでいく。Twitter / Xによると、どう◯つタワーバトルのような感覚、らしい。

ガチャはこんな感じ
低レアもキャラデザがいいので悪い気はしない

いいところ

*稀に見る良心運営
例に漏れず初期は色々言われていたのだが、アップデートのたびに的確に改善が入るのである。
「オーブ配布が少ない」→ガチャチケットを新設、新ガチャが来るたびに10連は引けるように
「スタミナが少ない」→モンストでいうスタミナミンをポカポカ配るように
「ギミックが理不尽」→仕様調整
「対戦でチート多発」→通報機能を設置
「スキルボード開放が面倒」→一括開放実装
「ガチャ渋すぎ」→最高レア確率を5%に(体感で割と出る)
などなど。アンケートちゃんと読んでくれてるんだろうな。

*キャラクターが魅力的
イラストは正直、スピンオフゲームの中で一番綺麗だと思っている。
レア度に関わらず、キャラクターはLive2Dで動くし、ボイスがある。なんとキャラ同士の関係性ボイスや、プレイヤーとの親密度ボイスもあるのだ。
ストーリーは長すぎず、サクッと読める分量と内容に調整されている。
モンストとのコラボで登場したダルタニャンたちや、ホロライブとのコラボで登場した面々にもボイスがあった。親切設計。

*ガチャに天井がある
恒常・期間限定(持ち越しはできない)ともに天井がある。レア度とわず1キャラごとに1マイレージがもらえ、300マイレージで交換可能。親切。

*対戦やレイドバトルは任意
ミッションと報酬はあるが、苦手なら全然やらなくていい。2ヶ月間やらなくても問題なく遊べている。やれば報酬がいっぱいもらえるというだけなので。

*周回も任意
周回をすると報酬がたくさんもらえるし、配布キャラを完凸することができるが、キャラ入手自体は早々にできるので、やりたければでよい。モンストの運極と異なり、完凸だからといってステータスやアビリティの増加以外の効果はないので。

いまいちポイント

*イベントごとに特効キャラがガチャ追加
イベントガチャ(後に恒常入りする)で追加されるキャラは報酬増加効果と「(任意のギミックの)耐性」を持っており、これの有無がイベントクエストの難易度を数段変える。ただ、特効キャラがいなくても手持ちを育成しておけばPS次第で全然なんとかなる。結局のところ、見た目や声優さんが好きなキャラを引けばいいのだ。

4、ミステリーレコード(ミリコド)

ジャンル:4人協力謎解きアドベンチャー
リリース:2023年3月30日

謎解き大手のSCRAP、タンブルウィード、AnotherVisionが謎解き製作を担当している。筆者はリリース当初にマルチでしかプレイできないという話を聞いてインストールしなかった。

未プレイにつき外野の印象

*人がいない
公式アカウントへのいいねが軒並み1桁、一般人からのツイート/ ポストがわずかしかないあたり、かなり過疎ってるんだろうな〜という印象。

*略称
ミステリーレコードをミリコドと略すセンスはどこから来るのだろうか。語感も良くないし。ミリレコでいいじゃん

5、キュービックスターズ(キュビスタ)

ジャンル:ジャイロシューティングRPG
リリース:2023年5月23日

ヤクモちゃんはこういう感じ

モンストのキャラクターが好きな人にとっては待望のスピンオフ。頭身絵があり、ストーリーはフルボイス。公式生放送など、リリース前後のプロモーションに最も力が入っている印象。

いいところ

*フルボイスストーリー
やっぱりこれだよねえ。モンストIPとして経済圏を拡大するなら、キャラクターの魅力を高めていかなければならないわけなので。

いまいちポイント

*横画面ジャイロ操作
今の時代にジャイロかあ…………というのが正直な感想。仮想パッド操作に切り替えも可能だが、初心者はもたついたプレイ感でつまづいてしまいそう。

6、ゴールドラッシュバトラー(ゴルバト)

ジャンル:ボード×カードゲーム
リリース:2023年7月19日

当初は7月4日にリリース予定だったものの、開発が間に合わず前日に延期を発表、モンドリに間に合わなかったという幸先の悪さ。カ◯ドセプトというゲームの面影を感じた人が多かったようで、初期の注目度は高かった印象。

未プレイにつき外野の印象

*しれっと描き下ろしがある
おそらくモンストのキャラクターを推している層を対象にしたゲームではないので、あまり宣伝されていないが、レンブラントなどがしれっと描き下ろされている。

*コアプレイヤー層は確立されていそう
公式大会やリアルキャラバン等を独立で開催(予定含む)するなど、モンストプレイヤーと必ずしも被らない層を獲得していると思しい。

番外:バーストファンタジスタ

そういえば集英社の最強ジャンプで漫画連載してたな〜と思って調べてみたら誰もTwitter/Xで話をしていなかった。なんだったんだ。

モンストシリーズ総評

採算は取れているのか……

モンストはセルラン1桁常連で、日本のトップソシャゲと言っても差し支えない規模のゲームである。しかし、現在サービス中のスピンオフゲームは皆揃ってセルラン外にいると推測されている。そもそもソシャゲは課金で成り立つものだが、すぐ終わりそうなゲームに課金をしたい人は多くないだろう。
そうなると「MIXIの稼ぎ頭モンストが、採算の取れないモンストシリーズを養っている」という構図なのではないか……と、1ユーザーは疑ってしまうのである。採算目的ではないにしても、現状ほとんどの人はモンストシリーズのことを忘れ去っているだろう。
モンストは一時期、集金ストライクではないかと騒がれていたし、今年は年中コラボを開催している。スピンオフが赤字なので、延命のためにモンストの課金圧を上げるというような事態だけは避けてもらいたいものだが、実際どうなのだろう。
MIXIは過去にもモンストのスピンオフ(ドリームカンパニー=モンパニ)を出して、一年足らずでサービス終了させている。最年長のストブルは1年続いてコラボも開催しているし、今リリースしているものからはすぐに手を引くつもりはないのだろうが、行き着く先がモンスト集金環境でないことを祈るのみである。

ソシャゲ量産時代を戦えるクオリティなのか

モンストをプレイしている層のうち、モンスト系だけをプレイしているのはどのくらいの割合だろうか。おそらく大半の人は他ゲーも遊んでいるのではないだろうか。
原神、FGO、ブルアカ、グラブル、パズドラ、プロセカ、スタレ、ドカバト、ウマ娘、などなど、大ソシャゲだけパッと挙げてみてもこのくらいあるし、据え置きゲームや漫画・アニメ作品のゲームも含めると膨大な数がある。
そこにモンストシリーズの新しいゲームです!と言って、共闘=マルチにこだわった、そこそこのUIとプレイ感のゲームを出したところで、目の肥えたゲーマーたちはやがて関心を失っていくことは想像に難くない。時間も有限なのだし。

選択と集中

主力のモンストとコトダマンに加えて、さらに6個のソシャゲを展開するのは、流石に多ソシャゲ飼育崩壊を恐れられても仕方がないだろう。
そもそもモンストシリーズの目的は「モンストIPの育成・延命」である。本家の持続可能な発展のためのスピンオフを延命するために、モンストが無理をするようなことがあっては本末転倒ではないか。

のちのちこういう感じに落ち着きそうなものだが……

【キュビスタ】
スピンオフの主力として、本家モンストでは出せないディクショナリー準拠のストーリーを展開し、オリジナルキャラクターの魅力を広める足がかりにする。本家か紙媒体でやってほしいものだが……

【タワスカ】
「モンスト世界線(ストライクワールド)ではない世界」と「独自のキャラクター」という、スピンオフゲーム唯一のリソースを活用し、自社コラボ等で「モンストワールド(仮)」の拡張を担うと同時に、モンスト未プレイ層とモンストの橋渡しとする。

【他のゲーム】
売上によっては……

元々あって人気もあるモンソニ!の音ゲーとか出したらいいのに。
モンストシリーズはどこへ行くのだろうか……

おわり。