針を刺しても痛みがない。糖尿病の合併症の怖さ
先日、父の施設入居までの経緯を記事にしました。
おそらく、40代から糖尿病の診断はされていたようです。家族には隠していました。
実は、足の傷が大事になったのは初めてのことではありませんでした。
切断騒動の2年前にも、傷が大きくなり皮膚科を受診しました。
その時が、「神経障害」の検査を、近くでみる機会となりました。
痛そうなのに、痛くない
医師が長くて細い針金を、足にスーッと刺しました。2−3センチ位は、刺していたように見えました。(記憶曖昧です。)
あんまり痛そうで、大袈裟な記憶になってる可能性大です…
ベッドに横になっている父は何も感じずに平然としていますが、見ている私は鳥肌です。
これが痛くないの?
神経障害って、こんなにも感覚が麻痺してしまうの?
衝撃の光景でした。これでは傷ができても気が付くわけがありません。
その時の足の傷はどうして気がついたのか?
母がバスマットに付着している血液を見つけたからです。スリッパも血だらけで、おかしいと思い、足を確認した時にはかなりの大きさの傷だったのです。
本人は出血には気がついていても、痛みがないので大事に思っていませんでした。
「痛み」は大切な感覚
つくづく「痛み」とは体を守るために大切な感覚だと分かりました。
フットケアと「糖尿病の足病変」は、とても関係が深く、医療系のフットケアセミナーを受講すると必ず触れる内容です。
スライドを見て勉強をして、頭に入っているつもりでいました。
頭に入っていても、リアルな感覚として腑に落ちてはいなかった。
血だらけになっても、針で足を刺されても、何の感覚もないのです。
これが糖尿病の合併症、抹消神経障害です。
手や足の感覚がなくなり、痛みも感じなくなります。
痛くなかったら処置もおざなり、傷があっても歩き回るし、食事のコントロールをする気にもならないでしょう。
糖尿病は自覚症状がないのが特徴です。合併症である神経障害も、自覚ができない症状です。
自覚症状がないのに食事に気をつけ、運動をする。血糖値をコントロールすることは、並大抵の努力ではないでしょう。
以前、知り合いに肺気腫を患った人がいました。とても症状がつらかったのだと思います。ヘビースモーカーでしたが、キッパリ煙草を辞めました。
症状のつらさは、本人に治療や予防を促すだけでなく、生活習慣も見直すきっかけになります。
糖尿病には、よほどの重症になるまでその自覚症状がないことが怖いのです。
痛みの感覚は戻らない
医師からは、「すでに神経障害は出ているので、次に腎機能障害が出ないように気をつけてください。」
私は、血糖値のコントロールがうまくできていれば、痛みの感覚は戻るものだと思っていました。
しかし、一度出た症状は戻らず、進行して次の症状が出ないようにすること大事なのです。
神経障害→腎機能障害→網膜症(最悪だと失明)のように進行するから、神経障害でストップすることが大事だと言われました。
知らなかった・・・症状は改善するのかと思った・・・
さらに、糖尿病の怖いところなのですね・・・
上の症状の他にも、心筋梗塞・脳梗塞のリスクも高まります。
それでも、気をつけなられない糖尿病
その時の傷が塞がるまでに、3ヶ月以上かかりました。
母と私で、できる限りのことをしました。
やっと治った時に、くれぐれも気をつけるように、口が酸っぱくなるほど伝えました!
原因である、合わない靴も捨てるように何度も言いました。
しかし・・・その2年後に、さらにひどい悪夢が起こったのでした。
「フットケアだより」ダウンロード役に立った!勉強になった!と思われた方は、サポートして頂けると嬉しいです。さらなる勉強のために使わせていただきます。