190318 [クックレビュー]『テミン「It's My Show Time」』



グループSHINeeのメンバー テミンは、2年前に初単独コンサートを開き、スタート曲で「Rise」を選曲した。ギリシャローマ神話の中のイカロスの物語からモチーフを引用したこの曲は、しかし墜落しない飛翔を物語る。全身が燃えて灰になってしまっても翼を広げて飛ぼうという歌詞は、『歌手になったら、死に物狂いで一生懸命にやります。』と話していた少年テミンの未来を話すのに不足がなかった。

3月17日午後、ソウル オリンピック路 オリンピック公園 SKオリンピックハンドボール競技場。テミンの2度目の単独コンサート「T1001101」の初ステージを見ながら、2年前の「Rise」が思い浮かんだのは偶然ではなかった。傾斜になった黒い壁の上に立ったテミンは、まるで空中を飛んでいるようだった。墜落しない飛翔。テミンの今を正確に見せてくれているようなこの曲のタイトルは、偶然にも「Identity」、わたしたちの言葉で「正体性」という意味だ。

「正体性」は、これまでの数年間、テミンにとって重要なキーワードだった。他のすべてと区別される自身だけの存在感を見せてあげようというテミンの欲は、「MOVE」と「WANT」を作り上げた。今回の公演は、テミンがどれほど独歩的な素質とカラーを持ったアーティストとして成長したのかを確認することができる場所だった。ミニ2集「OUTRO」に歌詞を付けて作った「Identity」で公演をスタートしたテミンは、2時間30分間、韓国と日本で発表したソロ曲25曲のステージを披露した。3月15日から3日間続いた今回の公演では、観客1万5000人余りが詰めかけた。



テミンは、歌の中で絶えず自身を燃やした。毎ステージがそれ自体で完全なショーになった。「Holy Water」から「Heaven」、「Shadow」、「Guess Who」、「Sexuality」で続く区間は、特に圧倒的だった。荘厳な雰囲気の「Heaven」と傾斜面の上での群舞が調和をなすと、まるで神話の中のワンシーンが目の前に現れるようだった。テミンは、「Heaven」の歌詞を直接書いた。ファンたちへ慰めになるような話を聞かせてあげたくて、歌詞が完成したあと、事務所A&Rチームへ『絶対に僕の歌詞を歌に付けてほしいです。』とせがんだと話す。

ステージの奥に設けられた傾斜面は、公演に特別感を加えた。テミンは、『初めてやってみるステージ装置です。』と話し、『公演前に公演会場を別に借りて、テクニック(技術)練習をしました。』と話した。筋力と均衡感覚を要求する高難度演出だったが、その効果は十分だった。圧倒的なビジュアルを見せてくれただけでなく、緊張感を高めたりもした。テミンは、ダンス曲以外にも「Never Forever」、「催眠」、「独り言」、「Soldier」など、感性的なR&Bも多数選曲した。

2月、ミニ2集発売前に出会ったテミンは、『パク・ヒョシン先輩が好きです。すべてのことを次々と吐き出しながら歌う雰囲気が好きです。』と話した。パク・ヒョシンが声で自身を吐き出す歌手なら、テミンは身体ですべてを吐き出すパフォーマーではないだろうか。ときには鋭く、ときには流麗に動く身体は、普通の歌手の絶唱ほどやビリっとするカタルシスをくれた。しばしば「ジェンダーレス」と説明されるテミンのダンスは、実際、性別だけでなく、たくさんの境界を消し去っている。少年と成人の境界、アイドルとアーティストの境界、前進するダンスと芸術の境界までも。そして、その中でテミンは、自身の正体性(アイデンティティ)を強固にして、はっきりと現した。テミンは、今もなお果てるところなく高く飛び立っている。



☞︎ http://m.kukinews.com/m/m_article.html?no=642119

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