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#5.漫画「SLAM DUNK」がバイブルだったバスケ少年は、如何にして映画『THE FIRST SLAM DUNK』の作画監督になったか 〜またはアしやの異常な愛情〜

その5. 『THE FIRST SLAM DUNK』1・23復活上映を観てきました!


X(旧TWITTER🐦)にもポストさせて頂きましたが、1・23に開催された復活上映を観戦して来ました!



最高でした!井上雄彦監督も、上映に先立ち感謝のコメントをアップされていましたね!
安定の高宮アート笑


思えば、映画公開前の宣伝の際には、高宮が大活躍していましたよね!
私はこちらのポストがツボでした笑

復活上映1月23日当日。
X(旧TWITTER🐦)のポストにも述べましたが、まず、上映時間が近づくにつれ満員になる客席。まるで決戦の舞台の広島国際大学・石田記念体育館が試合が近づくにつれ超満員に埋まっていくように。
会場のボルテージ、温度が上がっていく様に、平日の午前中なのにみんなこんなに…と泣きそうになってしまいました。(勿論、夜の部も同じ様子でした)
観に来てくれたみんな、あとんす。🙏



そして。始まる前から予感はしていましたが、思った通り、と言うのか。
今回、久々に観る大スクリーンの復活上映で、きっとあそこで止めどない感情が吹き出すだろう、と覚悟している自分がいました。


〜ここから先は、映画本編の内容にも触れます。今更ネタバレもないと思いますが、映画未見でこれからBlu-rayやDVDで初めて、THE FIRSTでご覧になりたい方は、映画本編のある程度のネタバレも含みますので、ご了承をお願いします。〜



「LOVE ROCKETS」

「THE FIRST SLAM DUNK re:SOURCE」表紙より

…久々に大スクリーンで観た冒頭、「沖縄」…
宮城兄弟の回想エピソード(もうこの時点で情緒がヤバい)からの、リョーちん、
「行ってくる」。

…そして、あのオープニング。

井上監督自ら描く下書きの筆致からの、動き出すアイツら登場!
ここで流れるOPテーマソング・The Birthday「LOVE ROCKETS」!!


…泣きました。ええ、泣きましたとも。まだ始まったばかりなんで、嗚咽までは頑張って耐えましたが、心の中では大号泣でえづきまくっていました。


私は高校時代、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの頃から彼らの音楽が好きでした。生涯の推しバンドは敬愛する吉井和哉さん率いる、「THE YELLOW MONKEY」というバンドなので、最推しではないのが申し訳ないのですが、高校の頃から友達はカラオケで毎回歌っていましたし、私もバードメンやスモーキン・ビリーが好きでよく歌っていました。カラオケで歌うくらいにはヘビロテで聴いていた世代です。
ここで語り出すと脱線に次ぐ脱線になってしまうので詳細は省きますが、実は自分の大好きなイエローモンキーとも浅からぬ因縁があり、それぞれ違う世界観ながら骨太で男気溢れるロックが、どちらも最高でした。
猿と象。
当時、バンド名に動物の名がつくバンドは強い、というジンクス?勝手な思い込み?もありました。
イエモン、ミッシェル、ユニコーン、スピッツ、ギターウルフ、Dragon Ash、エレカシ、近年ではBUMP、サカナクション、黒猫チェルシー…などなど。象が2匹も。

こんなカッコいいバンドたちのメガトンパンチを若い頃から喰らっていられた我々の世代は、本当に幸せだった。そう思わせてくれる稀有なバンドの、最強のフロントマン、それがチバユウスケさんでした。
その後ROSSOや今回のThe Birthdayに至るまで、日本のロックをトップで牽引してくれた存在と言えるでしょう。
いや、これからもトップで、孤高のロックと音楽を追求していってくれるはずだと信じていました。


『THE FIRST SLAM DUNK』公開直前に主題歌担当のアーティストが発表になり、10-FEETとThe Birthdayの名前が発表された時の世間の衝撃は今でも覚えています。
私は、その当時はもう制作スタッフとして作品に関わっていましたので、実はもう少し前から知っていたのですが、あのオープニング映像に彼らの渾身の一曲、「LOVE ROCKETS」が重なった映像を初めて観た時の衝撃は今でも忘れません。
「ぶちかます」。
まさに、作品にも湘北のメンバーにもぴったりの、メガトン級ロケットパンチ。そんな超絶な一撃を喰らったような、目が醒めるようなインパクトでした。
「カッコえええぇぇえ…!!」思わず叫んでしまいました。

私は若い頃のミッシェルも、The BirthdayになってからもチバさんのバンドのLIVEには行けてなかったんですが、これはいよいよ生でチバさんの歌声を、The Birthdayの演奏を聴きたい!と、長年追っていたとは云えニワカファンではありますが、今度開催されるLIVEやイベントには必ず行きたいと心の準備を、魂のウォームアップをしていました。
なので、公開後の盛り上がりとともにメディア露出も増えていくチバさんの一挙手一投足を追い始め出した、まさにその頃でした。


チバさんのご闘病の報せが届いたのは。


それでも、近いうちにこの試練を乗り越えたチバさんの歌う「LOVE ROCKETS」を、「青空」を、「星の首飾り」を、「なぜか今日は」を、「涙がこぼれそう」を。
(勿論、チャンスがあればミッシェルの名曲たちも。)
いつか聴ける日が来ると信じてやみませんでした。

その後のチバさんの早過ぎる全生涯については、皆様の知る通りです。
何故、チバさんなのか。何故、今なのか。何故、こんなに早いのか。
私でも抱えた大きな喪失感は、共に人生を過ごしたメンバーの皆さんや、ずっと一番のファンでいた皆さんのことを思うと、如何許りかとお察しします。


…でも、でもです。
(復活上映の話に戻りますが)
久々のスクリーンで観た大画面に、劇場の最高級の音響に、チバさんの歌声は炸裂していました。
画面に映し出されて、井上監督の筆致から命が吹き込まれ、不敵にこちらへ歩んでくる湘北メンバーと、王者の風格で階下に降りて来る山王メンバーの、堂々たる姿と共に。
確かに、チバユウスケの歌声とThe Birthdayの演奏がそこに生きていました。声高らかに、響いていました。

自分が生のチバさんの歌声を聴くことは、終ぞ叶いませんでしたが、『THE FIRST SLAM DUNK』という映画史上に残る傑作を毎回見返す度に、そこに確実に「生きている」チバユウスケの歌声に逢えるんだ。
メガトンパンチを喰らえるんだ。
そう、感じました。

あの超絶に格好良くて、全身が鳥肌で痺れて、熱い魂を、感動と興奮と衝撃の思いの波状攻撃で全身に浴びせられる最強オープニングを、まさか喪失感と感謝の涙で滲んだ目で見る日が来るとは思ってもいませんでした。

でも、今だからこそ言える心からのありがとうを、偉大なロックスター、チバユウスケに捧げたいと思います。
これ以上なく素晴らしい最強のオープニングソング「LOVE ROCKETS」を、ありがとうございました!Woo hoo!
 

喰らったら最後、愛まみれ Future
 


何度も繰り返し観て


『THE FIRST SLAM DUNK』は公開以来、おそらく15回か16回観にいったことになると思います。
終映の日まで、ミッチー(ガチ勢なので)の背番号14の14試合まではなんとしても観に行こう!と目標にしていたので。ただ、うろ覚えなので14回ぴったし行けたのか、最後の方でバタバタっと15回くらいになったのか一歩及ばず13回くらいだったのか、まあ普段忙しいのもありちゃんと記録してなかったんですよね。
色々半券や予約メールなど遡れば判明すると思うんですが、いつか時間があれば結局何試合行けたのかの確認、やってみます。笑

で、振り返れば映画の制作作業期間中、実はずっと日に日に出来上がっていく全編通しムービーが定期的にデータ更新され、おそらくメインのスタッフの方々には共有されていたのだと思います。私も作画監督を拝命したので、そのムービーをいつでもみられる状況での作業だったので、作業期間中もほぼ毎日再生しながら作業をしていました。
今振り返ると本当に贅沢で幸せな日々だったんですが、参加した最初の頃はまだ未完成の部分がほとんどだったと思います。いくつか、重要な場面が試合シーンもドラマシーンもマスターカット(作品全体やシーンごとの画作りの指針となるカット)として、ほぼ完成と相違ないカットも入っていました。
それでも、約2時間の通しのドラマは、例え音声や音響が入っていなくともある意味ものすごい圧倒的な情報量と完成度で心に迫って来るものがあり、その状態でも繰り返し何度も観ることができました。そして、制作期間の日が進むごとに、完成したピースがはまっていく。
なので、その期間も含めると私はこの映画を何百回と見返したと思います。


そして作品が完成し、公開された後もそうだったんですが、毎回、見る日やその時の気持ち、精神状態などによって、グッときたり涙するポイントが違うんですよ!
そこがまず凄いと思いました。それらのポイントもまたいつか語りたいと思いますが、今回は「復活上映」です。

久々の復活上映で、オープニングで死ぬほど心が泣いた後、本編でも涙したシーンは、木暮くん(メガネくん)のラスト・クライマックス付近の必死の応援でした。

がんばれ…赤木!

原作で言う「…2年間も待たせやがって…」(映画では表情のみ)
の瞳のウルウルの時点ですでに、胸に込み上げるものがかなり来ていたのですが、今回の観戦でこのポイントにグッときた理由は、恐らく復活上映に参加するにあたって前回のブログを更新し、私が中学生のバスケ時代のことを振り返ったからだと思います。自分の青春時代がリフレインした感覚でした。

前回の〜その4〜はこちら。↓↓

当時私はまさに、木暮くんのような試合に出るかどうかわからない、サブのベンチメンバーとして、スタメンの皆んなを応援する時間の方が多かったメンバーでした。
なので原作でも描かれていた、木暮くんや赤木との3年生たちの過去のエピソードは、我が事のようにグッと来るものが多々ありました。
劇中でも、要所要所で非常に的確に、スタメンメンバーへの声掛けや激励、ベンチへの檄を飛ばしています。

劇中でも安西先生が言ってくれたように、赤木や木暮が支えてきた土台があったからこそ、湘北高校は全国大会という大舞台に立てたし、山王工業という王者に挑戦し、大番狂せを演じられたのです。
そういう意味では、メガネくんこと木暮くんは、スタメンのように特別な才能を持たない我々一般人の目線での、主役級のキャラクターと言えるでしょう。もっとも共感できるメンバーと言っても良いかもしれません。



ベンチメンバーで言えば、リョータが頼りにしている、恐らく一番の親友のヤス(安田靖春)。山王戦ではプレーこそ出番はありませんでしたが、精神面で、ベンチからも、過去エピソードのドラマパートでも、非常に良くリョーちんをサポートしていたと思います。
今回の復活上映でもう一人、アしや的にフォーカスされたのは「シオ」こと潮崎哲士。
花道が負傷して不本意ながらベンチに戻り、悔恨からの隙を見て再出場しようとして彩子さんと安西先生に説得されて呼び戻される場面。
「一緒に声出そうぜ!桜木」と声を掛けるシオの、出番は少ないながら熱さや後輩思いの一面も垣間見れる一言が、とても良かったです。
シオも、井上監督の公開記念感謝アートの一人として、令和に復活していましたね!控えのメンバーにも新規イラストでフォーカスしてくれたことは本当に粋に感じました!


他にも、涙脆かったり木暮の声掛けに真っ先に反応する、バスケ部に賭ける思いや気合いたっぷりの石井や、花道の代わりに実は一瞬だけ出場した堅実派の「カク」こと角田悟など。
ベンチのメンバーも含めて、部員全員で掴み取った勝利だったと思います。


見返すたびに、感動ポイントが、発見ポイントが変わる、何度でも“THE FIRST”で観られる。
また別の機会に、その他の最高ポイントも語れればと思います。
そんな素晴らしい作品に出逢えたこと、その作品を制作する現場に立ち会えたこと。本当に、感謝です。

天国のチバさんとソーちゃんに、届け🏀🤜🤛🟥


#バスケ部 #THEFIRSTSLAMDUNK #SLAMDUNKMOVIE #最後まであきらめない男 #あきらめたらそこで試合終了ですよ

いつまで続くのか、どんな形で終われるのかまだ決めてはいないのですが、先日発表されたBlu-ray・DVDの円盤発売に向け、少しでも盛り上がっていければ良いかなあと思っています。
リアルバスケ界でも、日本代表のFIBAアジアカップ2025の予選が始まります!有明コロシアムで開催される対グアム戦のチケットがGETできたので、観戦するのが今から楽しみです!🏀🇯🇵

ここまでご覧いただき有り難うございました。ご興味がありましたら、是非続きをお待ちいただければ幸いです。🏀🔥

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