β-230 おれんじ

楽曲を軸にさまざま書いていくシリーズ、第11回は赤い公園の「オレンジ」です。

立川を拠点に活動を続けているバンドで、以前からその存在は知っていたけれど、不覚にもまともに聴きだしたのは最近だという・・・。

なんだかすみません、でも私は良さそうな楽曲を中心に聴き漁っている身なので、有名無名問わずビビっときたら、しばらくヘビロテします、どんなミュージシャンでもね。

ただ遭遇したのがようやく最近になってしまって、やっぱりきっかけがないとどうしてもね。。

ラジオをよく聴いているので、「オレンジ」もそこで出逢いました。

間違ってはいけないのは、決して10月の件を受けて"聴こう"という気にはなっておらず、あくまで偶然に出逢った良曲だったので、ちょっと掘り下げようという身になっただけです。

ただ、10月の件を背景にくるめると、歌詞のワンフレーズに勘繰ってしまうような意味を付け加えることになりそうで怖い・・・、とりあえずやんわりと歌詞を甘噛みしておきます。

FODオリジナル「時をかけるバンド」のOPテーマで、ドラマのほうでは、"ちゃあはん"の3人が歌っております、12日の「MUSIC FAIR」に出演されておりました(ちょっと後になって、そのことを知りました)

作詞・作曲は津野米咲さんです。

津野さんは赤い公園のリーダーで、赤い公園のメロディラインやライナーはほぼすべて彼女によって制作されたそうです、すべての楽曲を聴いていないので、断定できないのが歯がゆいですけれど。

一方、ソングライターとして、これまでSMAPの「Joy!!」など数々の作品を手掛けているなど、非常にこれからの音楽界で活躍していくと考えていたんだけれどね、、目に見えない葛藤やプレッシャーを感じ抱え込んでいたのだろうか、と根拠のない憶測を並べながら。

さて、歌詞へと移りましょう。

イントロなしでいきなり「あの日誓い合った約束はもう忘れても構わない 最後くらいかっこつけたい」というところから始まる。

誓い合った約束はなかなか忘れないものだけれど、忘れてもいいなんてということは、この思いを掲げたひとは、何かに対して区切りをつけないといけない、もしくは新しい場所へと移るために、最後の最後で悔いのない集大成をぶつけたいのではないかと考えてみたり。

表題の「オレンジ」ということば自体が、SMAPの「オレンジ」で、どちらかというと"これまでのところから、新しいところへと向かう"というイメージを植え付けられてしまうので、そういった解釈をしてしまうんですよね、どうしても。

滲んだオレンジどうか振り返らないで

歪んだオレンジどうか見ないで(2番サビ)

沈んだオレンジ振り返ってよ(最後に)

ここでのオレンジは、滲み、そして歪み、そして沈む。

オレンジはいわゆる"私"という立ち位置なのだろうか。

補足するかのように1・2番の歌詞にその足跡が垣間見える。

小さな瞳と小さな棘で対になっている1番Aメロ、"私"は"君"にもたれかかって眠りこけて、気づけば歳を重ねていた―

"君"がいないとぐるぐる回ってしまう、じゃあ"私"ってどんなんなんだよ。

さあ、違う違うそんなんじゃないとは、どのことを指すのか、サビを挟み、ぐるぐる回りながら2番へと進む。

ここで、津野さんはエレキからキーボードへと移る。

ほんのわずかな気持ちで大丈夫、優しい世界を交換こし続けよう。

1番Aメロに"優しい世界"が奥に移る"君"とあるので、"私"と"君"とで、優しい世界を交換しよう、だけど"君"は小さな嘘でさえもつけないくらい正直で、"私"はそれが羨ましくも同時に嫌にもなってしまって、なぜだか少しでもそんな状況を打開しようとどうでもいい嘘を重ねてしまう・・・。

ここで2番のサビに向かい「二人出逢って過ごした時間を忘れても構わない」とつながる。

ここで"私"と"君"の間に大きな隔たりができてしまったことを悟る。

小さな嘘を積み重ねると、塵も積もって大きくなるというのはよくあることで、それに気づいて「違う違うそんなんじゃない」という展開になったとしてももう遅いということは確かに経験上、よくあるなあ(私だけかもしれないけど)

そうなると、「違う違うそんなんじゃない」「じゃあ私ってどんなんなんだよ」というBメロは、”君”がいないとぐるぐる回ってしまう"私"なんだけれど、一方では"私"と"君"の言い合いの一節でもあるのかなともね。

「あの日誓い合った約束」も「二人出逢って過ごした時間」も忘れても構わない、でもまだ"私"の心の真ん中にいるのも事実。

さよならと言い聞かせて、目を滲ませている"私"よ、笑って見せろ。

早く約束も二人の時間も忘れてしまって、前に進め、振り返ることなく。

でも、沈んだ状態にあるいま、どうしても振り返ってしまう、まだ、過去のものと清算することはどうにも難しい。

そんな状態でアウトロが流れて、フィナーレを迎えるという・・・。

どうも、付き合った二人が、結ばれることなく隔たってしまい、ひとつの終わりを迎え、その直後の想いを奏でたという雰囲気だなとは感じた。

こういう系は、無条件で沁みる。

なかなか、スパッと切り替えられない身なので、どうしても。

切り替えられるひとが、羨ましい。

MVのおはなし、ちょっとだけ。

ボーカルの石野理子さん、ギター・キーボードの津野米咲さん、ドラムスの歌川菜穂さん、ベースの藤本ひかりさんがそれぞれ向かい合ってセッションしながら、展開していくという極めてシンプルな構図、白を基調とした明るい空間にて、踊るように歌い、演奏していくさまは、音楽を演奏することの喜びを感じながらも、楽曲が明るい展開でないので、どことなくもがいて、じたばたして、もどかしくて、という部分もあり、という見方でも捉えてしまいがちになってしまう。

どう思うかは、それぞれのご判断。

ということで、ぜひご覧くださいませ、なお関係者ではございません。

2020年下半期のあした・の・β<ベータ>、ベストヒットの一曲でした。

もうちょっと、聴き込まないとね、本格的に知ったの今月からだし。

ちなみに上半期はこちらです。

では、また。

ここまで読んでいただいてありがとうございます(人''▽`) 間髪入れずに言ってみますか・・・ よろしければ!でもまさかね・・・