人工芝グランドの作り方。〜本末転倒な講義〜

画像1 なぜ? アスファルトやコンクリートの上に人工芝を敷設しないのか? 1番は人体への悪影響。 人体への悪影響と言えば、足首や足の筋肉や骨、腰、腰椎や脊髄や頚椎への悪影響。 そう考える向きがあります。 では、脳への影響はどうでしょう? 幼稚園児からスポーツをする時代。 例えば、5歳の頃から大学卒業まで、固いコンクリートの上で激しいスポーツを続けたら? スポーツとは?
画像2 ただしい、人体に優しいグランド作りのスタートです。 人工芝でも、天然芝のグラウンドでも水捌けは重要です。 水捌けの良いグランドを作るために、天然芝のグラウンドでは2%、人工芝では1%程度の勾配を取ります。 天然芝のグラウンドでも水捌けが悪いと地盤に不陸がでます。また、芝枯れの原因にもなります。 人工芝でも同じく、水捌けが悪いと地盤に不陸がでます。 そもそも、人工芝の下に水が流れて落ちるのは、降雨の10%程度の水です。 水をどこで処理するのか?人工芝の上か? それともアスファルトの下か?
画像3 人工芝の上で水を処理する。更に10%を地面に浸透させずに、アンダーマットの上で処理をする。 利点は2つ。路盤の不陸は保証される。 アスファルトを必要としない。 ドローンを飛ばして、高低差を測量。 このデータを元に路盤の形成をする。大体水捌けの悪いグランドは、写真のように中央がすり鉢状態です。正しい姿勢に直してあげます。 こうして水処理をしっかり行う路盤を作れば、アスファルトやコンクリートは必要ではありません。 地下には水がたくさん滞留しています。 水が地球の真ん中めがけて浸透することはない。
画像4 アスファルトの下に流れた水はどこに行くのでしょう? なぜ、アスファルトの上に敷設した人工芝は水浸しになるのか? 当初は水捌けの良いグランドも年々水捌けが悪くなり、不陸も激しくなって来ます。 透水性アスファルトの悲劇!笑。透水性アスファルトの特徴は水を通すこと。水を通すぶん、アスファルトの目が粗く、隙間が多くなるように施工します。本来、道路の水捌けの為に開発されたアスファルトで、人工芝の路盤整備ように開発されたものではありません。透水性アスファルトは都度高圧洗浄しないと目詰まりを起こします。
画像5 目詰まりが起こると、もちろん水を通さなくなり、人工芝とアスファルトの間に水が溜まり、ウォーターベッド状態になります。おまけに、透水アスファルトを施工整備する際にU字溝を施工することが多く、アスファルトの天よりも5センチ程度高く施工されたU字溝が水の行き場を塞ぎます。透水アスファルトを人工芝の下に施工した場合、高圧洗浄なんて無理な話しです。また、目が粗いぶん、柔らかく変形しやすいのが特徴でもあります。 透水性と聞きますと、みんな騙されます。 アスファルトの下に浸透した水はどこに流れて行くのか?
画像6 結局は問題の先送りのようなもの。 見えないところで処理するよりも見えるところで処理。 特に、黒ゴムチップとアスファルトは最悪の組み合わせ。夏場は60度以上になることも多い人工芝。その下には熱を蓄積するアスファルト。黒ゴムが太陽の熱をどんどん吸収して、アスファルト路面に熱を送ります。透水アスファルトは熱にも弱く形崩れをおこします。これが原因で路盤が歪みます。そこにアスファルトの下に浸透した水が悪さをします。水が横道を作りトンネルを掘ります。トンネルが陥没してWの悲劇を生じるのです。
画像7 結局は水は土の中か、土の上で排水されます。透水アスファルトですから、アスファルト路面の上を排水することはありません。土の路盤に水が通れば、いずれ表面に不陸が現れます。だから、しっかり勾配を取り、土の路盤に水が浸透しない仕組みを作る必要があります。グランドを測量し、水をどこに処理するかが、重要になります。
画像8 路面を削り、不陸を調整しています。 例えば、サッカー場1面の不陸調整程度なら一週間もかかりません。グレーダーという機械を使えば、あっと言う間に終わります。因みに、グレーダー工事は年度末や年末にはオススメしません。なかなか空きがないからです。
画像9 場合によっては石の粉を土の路盤に敷いたり、土と混ぜて、軟弱路盤を強化することもあります。この粉は非常に安く、とても重宝します。
画像10 粉によって微妙な高低差もしっかりと地盤も勾配も作れます。
画像11 このように、砕石の上に粉を撒いて締め固めして、砕石のズレを無くすこともあります。
画像12 さて、いよいよ人工芝の施工スタートです。土の路盤は成長過程の子どもたちの身体を守り。脳を守ります。スポーツとは何か?スポーツ施設とは何か?天然芝のグラウンドでスポーツをすることが理想的なら、アスファルトやコンクリートの上でスポーツをすることはどうでしょう?天然芝の下にアスファルトやコンクリートはあるのでしょうか?天然芝の下は土です。ならば、人工芝の下も土が理想的です。
画像13 日本では、異常に高い人工芝グランド。 でも、勘違いはしないでください。お支払いしているお金は人工芝の整備の費用ではなく、アスファルト路面整備にかかる費用です。必要の無いものにお金を払って、身体に損害を与える必要は無い。 高い人工芝グランド=良いグランドではありません。意味のない満足です。人工芝とはそもそも安くグランド整備をする為のものです。そこに1億もかかるなんて本末転倒です。

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