Asklepios PROJECT

「未来の治療環境をより良くするために」=「アスクレピオスプロジェクト」 病院で働く人…

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「未来の治療環境をより良くするために」=「アスクレピオスプロジェクト」 病院で働く人たちも、入院する患者さんも、お見舞いに来る家族も、 すべての人が幸せになれる理想の環境を今一度みんなで真剣に考えてみませんか? http://www.central-uni.co.jp/

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虫の鳴き声と人類の歴史

こんにちは!セントラルユニの西尾です 前回に引き続きクリティカルケア学会での本田先生の講演内容をお伝えします。前回は、情報も私たちにとって必要な環境の一部だと認識され始めたきっかけについて、過去の実験を振り返りながら紐解いてきました。 今回は、2つめのテーマである「情報環境が私たちの健康に及ぼす影響について」のお話しです。 あってはならない情報となくてはならない情報物質・エネルギー環境と情報環境で比較してみると、環境化学物質など人体や環境への毒に当たる「あってはなら

    • ”もの”と”こころ”の架け橋とは

      こんにちは!セントラルユニの西尾です。 今回は情報と医療環境という視点で、研究開発をしている本田学先生のお話です。昨年のクリティカルケア学会での講演内容から、 ”情報医学の視点から考える病室環境”についてお伝えいたします。 病室の環境と音=情報、ユマニチュードがどう関係してくるのか?そもそもなぜ、情報に注目して研究をされているのか?アカデミックな内容ですが、紐解いていくと、「なるほど!」と全てが繋がり納得感が深まりました。 本田先生は”情報医学の視点から考える病室環境”と

      • ICUダイアリーの実際とは?その4

        今回はICUダイアリーを積極的に運用しているMさんのインタビューの続きです。(過去の記事はこちら→その1 その2 その3) 運用している中で見えてきた、今後の展望や検討事項など具体的な内容になりました。 お忙しい中、貴重なお時間をいただきインタビューに答えてくださった Mさんにこの場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございます。 ICUダイアリーの管理について教えてください。 ダイアリーの内容は管理者の確認を入れています。ただ、患者さんの情報は患者自身のものなので、扱

        • ICUダイアリーの実際とは?その3

          今回はICUダイアリーを積極的に運用している医療者にインタビューをしました。運用している中で見えてきた、課題や運用する中でのルールづくりなど、現場ならではの新しい発見が沢山ありました。 お忙しい中、貴重なお時間をいただきインタビューに答えてくださった Mさんにこの場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございます。 ICUダイアリーを始めるタイミングについて教えてください言動と認識の乖離が出てきた患者さん(PICSの兆候)などダイアリーの始まりはさまざまですが、始めるタイミ

        虫の鳴き声と人類の歴史

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        • アスクレピオスのアイデアノート
          3本

        記事

          ICUダイアリーの実際とは? その2

          今回は前回の続きです。ICUダイアリーの課題や、希望要望なども 詳しくお聞きしました。 お忙しい中、貴重なお時間をいただきインタビューに答えてくださった Aさんにこの場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございます。 ICUダイアリーのうまく活用されると、どんないいことがあると思いますか?最近はコロナで面会ができないので、患者さんのご家族からどんな状態なのかの問い合わせが結構多いんです。 定期的に連絡しているドクターなどがいればいいけど、一般的な経過だとわざわざ電話する

          ICUダイアリーの実際とは? その2

          ICUダイアリーの実際とは? その1

          今回は、実際にICUダイアリーを使っている病院の医療者さんにインタビューをしたお話しです。まだまだ浸透していないICUダイアリーですが、実際の現場での工夫や、課題も見えてきました。 どんな患者さまにICUダイアリーをつけるのでしょうか?現状は、全員ではなく入室中にネガティブな反応が多くなったり「生きているのがつらい・・・」と言う発言がみられた患者さんや、家族が遠方でお見舞いこれなかったりする方などにダイアリーをつけていました。 特に、ご家族が来た時にいなかった間の様子を知

          ICUダイアリーの実際とは? その1

          日本クリティカルケア看護学会第18回学術集会に参加します!

          こんにちは。西尾です 6月11日・12日にかけ、北九州にて開催される日本クリティカルケア看護学会第18回学術集会に参加します。 初日参加してきましたが、思っていたよりも多くの方が来場されており、盛り上がってます! 年々医療をとりまく環境が大きく変化している中で、ここ近年ではコロナのパンデミックで、特に医療者にとっては厳しい現実に直面するシーンが多かったと思います。そんな中、あらゆる状態の患者さまにとってのQOLの向上を目指しながら、クリティカルケア看護の新たな発展のために学

          日本クリティカルケア看護学会第18回学術集会に参加します!

          ICUダイアリーをつくってみた。その2

          こんにちは。IN//SEKIの中尾です。 アスクレピオスではICUダイアリーの可能性と現状の課題について整理し、院内専用タブレットやスマホで、手軽にICUダイアリーがつくれるアプリ化のアイデアが生まれました。必要な項目の仮説をたてるために、自分たちでICUダイアリーをつくり体験してみたのが前回でした。 今回はICUダイアリーをつくってみて、見えてきたヒントについてお話しします。 共通していたこととは・・・日付や名前など、基礎情報以外に全員に共通していたのは以下の項目でし

          ICUダイアリーをつくってみた。その2

          ICUダイアリーをつくってみた。その1

          こんにちは。IN//SEKIの中尾です。 以前お話ししたICUダイアリーの続きです。アスクレピオスではICUダイアリーの可能性と現状の課題について整理し、より簡単で効果的なICUダイアリーがつくれるような仕組みをつくれないか、アイデアを出し合う中で、 院内専用タブレットやスマホで、手軽にICUダイアリーがつくれるアプリがあったらいいんじゃないか?というアイデアが生まれました。 ICUダイアリーは決まったフォーマットがありません。大学ノートに文字だけでその日の状態や出来事

          ICUダイアリーをつくってみた。その1

          あけましておめでとうございます

          昨年もコロナに翻弄された一年でした。 医療者の皆さんには本当に感謝の思いでいっぱいです。 少しづつではありますが明るい兆しがみえ2022年は昨年よりも 前進できる年になることを願います。 アスクレピオスプロジェクトは・・・ 医療者・家族・患者家族のお話をききながら、 新しい課題や全く新しい発見をもとに、プロダクトやサービスをつくり、 現場に寄り添いながら、治療環境をより良くするためのプロジェクトです。 アスクレピオスプロジェクトにとって2021年は、 患者さんやご家族、

          あけましておめでとうございます

          患者さん視点からみたICU Nさんその3

          こんにちは。IN//SEKIの中尾です。 今回は、一般病棟に移ってからの治療環境について詳しく伺いました。 ・Nさん ICU入院:2日  一般病棟:7日 病棟に移る時のお気持ちはいかがでしたか?____________________________
 やっぱり嬉しかったですね。痛みも減ってきたし、辛かったICUを出て回復に向かう実感も沸きました。 病棟での環境はいかがでしたか?________________________________________
 多

          患者さん視点からみたICU Nさんその3

          患者さん視点からみたICU Nさんその2

          こんにちは。IN//SEKIの中尾です。 前回のインタビューでは、頻繁に看護師さんを呼ぶことを遠慮してしまうとおっしゃっていたNさん。ICUで感じた医療者とのコミュニケーションについて伺いました。 ・Nさん ICU入院:2日  一般病棟:7日 ナースコールを押すのは遠慮してしまいますか?______
___ そうですね。ナースコールをする時は大体、痰が詰まって息苦しい時に吸引してもらう時なので、どの程度でナースコールを押すべきか、事前に看護師さんに確認しました。 あ

          患者さん視点からみたICU Nさんその2

          ご家族視点からみたICU その2

          こんにちは。IN//SEKIの中尾です。 今回は、ご家族がICU入院経験のあるIさんにお話を伺いました。 前編はICUでの印象的な内容についてでしたが、後編は面会中に感じたことなどを中心に伺いました。 面会中はどのように過ごすことが多かったでしょうか?――――――――― 個室の時は、長期だったのでPCとwifiを持ち込んで仕事をしていました。 椅子が固くてお尻がいたくなってきてました。長時間面会する家族用に、程よい椅子と机があると、助かるなと思います。 また、妻がずっ

          ご家族視点からみたICU その2

          ICUダイアリーって何だろう?日記をつける理由や対象者、課題を実例から学ぶ

          こんにちは。IN//SEKIの中尾です。 みなさんはICUダイアリーをご存知でしょうか? ICUダイアリーとは、患者さんのICUでの様子を記録する日記のこと。医療スタッフやご家族が、患者さんの闘病中の頑張りやさまざまな変化を書き留めておきます。 のちにこの日記を使って患者さん自身やそのご家族がICUでの体験を振り返ることで、PICS(集中治療後症候群)予防に効果があると期待されています。 最新の「日本版敗血症診療ガイドライン2020」でも集中治療患者へのICUダイアリーが

          ICUダイアリーって何だろう?日記をつける理由や対象者、課題を実例から学ぶ

          患者さん視点からみたICU Nさんその1

          こんにちは。IN//SEKIの中尾です。 今回はICU入院経験のあるNさんのインタビューです。辛いご経験を思い出しながら率直な思いを語ってくださったNさんのお話は、治療環境をよりよくしていくためのヒントが沢山ありました。またご自身の経験や知識を活かし、新しい活動をされていることに、勇気をもらいました。この場を借りて感謝を伝えさせていただきます。本当にありがとうございました。 ・Nさん ICU入院:2日  一般病棟:7日 ICUに入室されて最初に感じた印象について教えてく

          患者さん視点からみたICU Nさんその1

          ご家族視点からみたICU その1

          こんにちは。IN//SEKIの中尾です。 今回は、ご家族がICU入院経験のあるIさんにお話を伺いました。 壮絶な体験を伺いながら、治療環境がご家族視点からどう映っているのか、ご家族である患者さん自身の思いを代弁いただき、沢山の発見をさせていただきました。 この場をかりて感謝を伝えさせていただきます。本当にありがとうございました。 ・Iさん お子様 ICU 3日間  一般病棟17日間   奥様 ICU 4日間 ご家族のICU入室までの経緯を教えてください―――――――――

          ご家族視点からみたICU その1