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相手を観る/立ち位置を調整すること

1.はじめに

いま、この状況で、なぜ自分はそこに立っているのか。

考えたことありますか?

倉本さんのポストです。
この方とは面識はありませんが、この方と共通の恩師を持っています。
1ヶ月前からコツコツと書き上げていた記事と上記ポストが類似していたので、ここでご紹介しました。


さて、あなたは試合中における自分の『立ち位置』の意図を説明できますか?

ロジックでサッカーを学んできた人は当たり前のように説明できる。

感覚でしかプレーしたことのない選手は目が点になるような質問です。

"Footballer"が集まっているチームは全員が『なぜ?』を説明できる。

今回の記事では、自分の『立ち位置』を理解することで、以下3つのメリットが得られます。


① ボール保持者を助けることができる
② 自分がボールを受けた時のプレー成功率が高めることができる
③ ボールを効率よく前進させることができる


それでは、解説してきます。

2.相手の守り方4パターン

まずはじめに、相手の守り方を4つに分類していきます。

(1) フリー
(2)-1 ゾーン弱
(2)-2 ゾーン強
(3) マンツーマン

それぞれ解説していきます。

(1) フリーの状況解説

最後はフリーな状況の図解です。
パスを受けようとしている時も、パスを受けとった時も相手のプレッシャーを受けずにプレーできるような状況のことを言います。

(2)-1 ゾーン弱の状況解説

2番目は、ゾーンディフェンスで守られている状況の図解となります。
『ゾーン弱』のパターンは、パスを受けようとする時はフリーだけれども、パスを受けとった時には弱いプレッシャーがかかるような状況のことを言います。

※ソーンディフェンスとは. . .
球技における守備(ディフェンス)戦術の一つ。
特定の相手にマークをつくのではなく、自分が担当するエリアに侵入してきた相手に対して守備をするディフェンス方法を言います。


(2)-2 ゾーン強の状況解説

次にゾーンディフェンスのもう1つのパターンの図解です。
『ゾーン強』のパターンは、パスを受けようとする時にはフリーだけれども、パスを受けとった時にはフリーではない状況のことを言います。

(3) マンツーマンの状況解説

最後に相手がマンツーマンディフェンスを採用していて、近い距離にディフェンスの選手がいる状況について、図を用いて解説していきます。
この状況は、味方からパスをもらおうとするとインターセプトされてしまう状況のことを言います。

※マンツーマンとは. . .
球技における守備(ディフェンス)戦術の一つ。
ゾーンディフェンスとは異なり、特定の相手選手を決めて近い距離にくっついて守り続けるディフェンス方法を言います。

※インターセプトとは. . .
(直訳)横取り,妨害
サッカーやバスケットボールでは、A選手からB選手にパスが届く前に相手チームの選手が途中で奪うことを言います。

サッカーの試合中における、ボールを持っていない選手の状況は上記4パターンに分類されます。
それぞれの状況で、どこに『立ち位置』を取ればいいのか。
各々が理解していれば簡単にボールを失うことはないはずです。
次章では、状況に応じた具体的な打開策をご紹介します。


3.守り方に応じた打開策

チームの一人ひとりが自分の状況を見て判断しながら、自分の『立ち位置』を決断する。それができると指導者が全員のポジションをコントロールする必要がなくなりますよね。
そして、もし自分の『立ち位置』にミスがあった場合は、映像を見返してどうすれば良かったのか具体的な改善策を自分で導き出すことができるようになります。
それでは、4つの状況ごとの打開策をそれぞれ解説していきます。

(1) フリーの打開策

まずはフリーな状況の場合です。
何もしなくてもパスは受けられますが、パスを受けた時点で「勝負あり」な状況を作り出したい。
そこで下図のようにポジションを取ると優位に立てます。

(2)-1 ゾーン弱の打開策

相手ゾーンディフェンスの圧力が弱い場合の打開策の解説です。
ここで重要なのが、相手の圧力を恐れないことです。
個々の技術が不足していると、圧力が弱いのに「ゾーン強」のように感じてしまったりすることがあります。
一方で、技術が高くなくとも駆け引きの巧みさで圧力が強くても「ゾーン弱」のように感じたりすることがあるのです。
要は相手の圧力の感じ方がプロとアマチュアの大きな差と言えるでしょう。
少しの距離があれば複数の選択肢を持ってプレーすることが可能です。
下図は相手が中央にボールを出させないように守備をしてきた時の例です。
相手が中を切ってくると、縦のパスコースが見えてくるはずです。そこでは前線の選手が、フリーなのか/ゾーンで守られているのか/マンツーマンで守られているのか、3つの状況を判断してボールを受けるアクションを起こすことになります。


▲相手のDFが中を切ったままプレスに来た場合
▲相手のDFが縦のパスコースを切ってきた場合


(2)-2 ゾーン強の打開策

次に相手ゾーンディフェンスの圧力が強い場合の打開策の解説です。
サッカーの進化によって強度が高まり、近年では強い圧力を受けながらプレーすることが多くなっています。
相手の圧力が強い時に無策でボールを受けてしまうと簡単にボールを失うことになるでしょう。

▲相手がボールに対して強く寄せてきた場合


(3) マンツーマンの打開策

最後にマンツーマンで守られている場合の打開策の解説です。
マンツーマンで相手にマークされている時に、パスを受けてしまうとインターセプトされるリスクが大きくなります。
だからこそ、意図的に相手を釣り出す(おびき出す)ようなポジションを取ることで、高い位置で前向きになることができるのです

▲相手がマンツーマンでインターセプトを狙ってきている場合


4.まとめ

サッカーは3つの状況を判断しながら、それぞれが適切なポジションをとり、適切なパスを選択すれば簡単にプレーすることができる。
一方で、「簡単にプレーすることが最も難しい」のも事実。
如何にして、簡単にプレーするための準備をするのか。
簡単にプレーするための「本物の技術」を身につけるのか。
これを他の記事でも解説していきたいと思います。

では、また。

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