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【セミナー】マイクロソフトMVP受賞・EBILABの小田島氏が老舗食堂を再構築したDXとは?

こんにちは、AI・イノベーション事業部の武田です。

2021年2月17日に経営層向けAI・IoT関連オンラインセミナー「デジタル時代を勝ち残るために必要なDXのはじめの一歩」を開催しました。

連日のように耳にする「デジタルトランスフォーメーション(DX)」。これからの時代、デジタル技術の活用も、ビジネスの変革も必要だってわかってはいるけど、一体何から始めればいいかわからない…そんな方のために、今回はマイクロソフトMVPのAI部門を受賞しているEBILABの代表取締役社長 小田島春樹 様より、老舗飲食店 ゑび屋大食堂を再構築した際の取り組みの紹介と、どのような効果をもたらしたのか等について講演していただきました。


第1部 たった一店舗の老舗飲食店が実践した次世代飲食経営

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株式会社EBILAB
伊勢の老舗食堂『ゑびや』 をAIとデータの力で再構築。ゑびやのデジタルシフトの経験をもとに、日本中のサービス業のデジタルシフト支援を手がける。

代表取締役社長 小田島 春樹 さん
1985年、北海道生まれ。大学ではマーケティングと会計を専攻。大学卒業後、ソフトバンクに入社し、組織人事や営業企画を担当。2012年、奥様の実家が営む「ゑびや」に入社し、店長、専務を経て、現在、有限会社ゑびやと株式会社EBILABの代表取締役を務める。

①『ゑびや』はなぜ変化する必要があったのか

『ゑびや』は、8年前まで"手切りの食券"と"そろばん"で管理していた老舗の食堂。そんな昔ながらの小さな街の食堂が、データの分析と活用により再構築したワケを教えていただきました。

日本は人口減少・生産年齢人口減少が進み、30年後には現在より30%も減少するのではないかと言われています。人口減少が進めば事業も縮小、働き手の採用も難しくなることはほぼ確定と言ってもいいでしょう。さらに日本は他国よりもあらゆる業務において生産性が低いという統計も出ています。
しかし小田島さんは「同じ人間なのだから、『使うもの』と『考え方』を変えれば、日本でも変化できる余地はある」と、コロナ禍を勝ち抜くためのポイントを4つ教えてくれました。

■小田島さんの「勝ち抜くための4つのこと」
①正しい時代認識を持つ

ーコロナ禍でも儲かる会社は、時代に合わせてビジネスを変化させられる会社
ーこれからの時代にはなぜAIが必要なのか認識する

②既存の組織のあり方を変える
ーDX化など新しいことに組織が苦手意識を持っていては前進しない
ー内部の人のマインドから変化させていく必要がある

③いつかのリスクに備え、既存事業に依存しない
ー持続的に成長するためには、「二兎追うこと」が必要!

④経営者自身の考えをアップデート
ー過去の成功体験にすがらず、30年後を見据えて経営していかなければならない


②データから捉える市場の変化

2つ目に、なぜデータの活用が必要なのか、実例をもとに教えていただきました。

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小田島さん「お客様からのアンケートを分析することで、コロナ前後の来店客の属性が大きく変わったことを、データでいち早く発見できた」

コロナ前からお客様アンケートをデータ分析していたゑびやでは、コロナ禍で大きく減った東京からの観光客の変わりに、地元の若者が多く来店していることに注目し、若者から人気の商品を目立たせた看板を店頭に出したり、購入しやすいよう単価の安い商品を開発するなど、リアルタイムなデータを活用することでコロナ禍でのマーケットの変化にも素早く対応できたそうです。


第2部 クロストーク 何から始める?DXとデジタル化

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第2部は、株式会社EBILABの小田島さんと、株式会社エキスパートギグ 代表取締役 田野存行さんにお話を伺いました。
(ファシリテーター 株式会社ミヤックス 代表取締役社長 高橋蔵人)

Qなぜデジタル化に率先して取り組もうと思ったか
田野さん
「工場は、設備を見た時にどういう稼働率かわからないなど、見えていないことが多い。また、グローバル化で原価を下げなければいけない。そのようなところから導入を始めました。」

Qデジタル化を支援している企業経営者の共通点は?
小田島さん
「リアルな話をすると、世代交代をした”後継社長”が圧倒的に多いです。後は、起業してある程度成長したが、途中で止まってしまった経営者など。」
高橋「自分のビジネスに本気で向き合ってる人や、何か変えなければいけない危機感を持っている人ですね。」
田野さん「古いやり方のまま引き継ぐと大変!っていうのもありますよね笑」

Q企業がデジタル化を推進するうえでどのような人材が必要?
田野さん
「人材というより、トップの決断が大事。自由に発言できる環境作りや、諦めない姿勢を見せるとか。継続的に改革を進める意思表示を行うなど。改革を行うには保守的な反対勢力はかなりいると思います。そういった層に粘り強く理解を求めることができる人が必要だと思います。あとは、自分が間違ったことに気がついたらすぐに考えを改められる人。変化できる人が重要だと思います。」
小田島さん「特別な人材は必要ないと思います。DXはやり方も考え方も変えていかなければならないので、その会社の文化を変えることに等しいと思うんです。やはりトップが変わっていくことが大切だと思います。」
高橋「デジタル化に取り組む上で失敗した例はありますか?」
小田島さん「義父が代表取締役をしていた時に、先導が自分と義父の二人になってしまったこと。従業員も会社としてもどっちの話を聞いていけばいいのかわからなくなってしまったことが失敗ですね。」

Q講演後、まず何から始めたら良い?
田野さん
「やることが多くて困ったこともありますが、まずは出来る所から。大きな目標の中に小さな目標をたくさん立てて進めることが重要だと思います。弊社においては、IoTの切り口をベースに広げて行きました。システムありきというより、"今までのやり方"を疑うこと。一つ一つを紐解いて、どうやって解決できるかを考えました。」
小田島さん「これからデジタルなことをしていく中で、今、PCは何年前のものを使っていますか?システムを導入しても、それが動かない動作が遅い、では意味がありません。まずPCを1年に1回くらい新しいものに買い替えてみましょう!」

さいごに

セミナーでは、このレポートではまだまだ書ききれない熱い想いを伝えていただきました。

私個人特に印象に残ったのは、最後の「まずは最新PCに変えてみる」こと。まだまだ古いPCで仕事をしている人は多いのではないでしょうか。毎日のように使うwordやPowerPointだって、日々どんどん新しい便利な機能が増えています。せっかく効率化のためにアップデートされた機能も、それを使うPCや人が古いままでは、せっかくの機能も活かすことはできません。まずは、最新のPCと一緒に業務も、また自分自身もアップデートしていくことが、デジタル化を進める上での第一歩に繋がるのではないかと思いました。

ミヤックスでは、今後もDXやAI、IoTについてのセミナーを開催する予定です。
30年後の未来のため、皆様のDX化のお手伝いが出来れば嬉しいです。

noteでも随時お知らせしていきますね!!


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