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【絵本レビュー】 『とらっく とらっく とらっく』

作者:渡辺茂男
絵:山本忠敬
出版社:福音館書店
発行日:1966年7月

『とらっく とらっく とらっく』のあらすじ:

港で荷物を積んだトラックが遠い町めざして走ります。高速道路では乗用車や観光バスに、工事現場ではダンプカーやローラーに出会います。やがてタンクローリーを追い越してぐんぐんスピードをあげていったら、「しまった! 」白バイに止められました。日が暮れて、山を越え、もうすぐ終点の大きな町です。スピード感あふれる車の絵本。

『とらっく とらっく とらっく』を読んだ感想:

トラックがひたすら走る絵本なのですが、スピード感があり、なんだか一緒にトラックに乗っているような感じになります。途中で白バイがやって来たときは、読みながらも「まずいぞ!」と焦ります。車好きの息子は題名を見ただけですっかり虜となり、わたしの膝の上にどっかりと座って来ました。途中の工事現場では、ブルドーザーやミキサーなどの大型工事用車両も満載。息子の鼻息も荒くなります。

ローリーに鎖がついているの、見たことありますか。この絵本を通じてやっと理由がわかりました。答えは読んでからのお楽しみですが、山を登りきったら一休みしてエンジンを冷ますこと、など私も車について学ぶことができました。

渡辺茂男さんといえば『しょうぼうじどうしゃじぷた』も有名ですが、まだ言葉も話し始めの小さな息子が、毎晩あの本を抱えてベットにやって来たことを思い出しました。ここしばらくは、『とらっく とらっく とらっく』がおやすみ前の儀式となりそうです。


『とらっく とらっく とらっく』の作者紹介:

渡辺茂男
1928年静岡県生まれ。慶應義塾大学卒業。アメリカのウェスタンリザーブ大学大学院をおえ、ニューヨーク公共図書館児童部に勤務後、慶應義塾大学文学部図書館学科教授を経て、フリーな立場で子どもの本の仕事に専念している。「もりのへなそうる」「とらっくとらっくとらっく」(以上福音館書店刊)などの創作作品の他、訳書多数。翻訳と創作を合計すると、生涯に300冊もの子どもの本を出版した。2006年逝去。


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