鴨のふきだしモノクロ

【募集】運まかせと人まかせで何とかしたい

 いま僕は泣きながら次の小説の準備をしているのに、その前、九月に新刊のエッセイ集を出す予定になっている。この場合、もちろん中身をちゃんと書くことが僕の何よりも大切な仕事なのだが、書いたものをどうすれば多くの人に届けられるかということもまた大切だし、もともと僕は宣伝だの広報だのをやっていた人間だから、どうしてもそのあたりのことが気になってしまうのだ。出版社の皆さんがいろいろと知恵を絞ってくださっているから、僕としても何か協力ができるといいなと思っているのに、だからといって特に画期的なアイデアがあるわけでもなく、今はいくつかの計画をぼんやりと考えている程度だ。

 実は九月に熊本まで車で行こうと考えている。三月に気仙沼まで車で行くという企画に参加して、車での旅行は久しぶりだったし面白かったので、こんどは逆方向へ行ってみようと思ったのだ。熊本では漫画家のゴトウマサフミさんを訪ねるつもりでいるのだが、もちろん僕が勝手にそう考えているだけで、本人にはまだ何も言っていないので、このノートを読んだら、たぶんびっくりされるだろう。
 せっかくなら、この熊本への道すがらに各地の書店に立ち寄って新刊の案内ができると楽しいだろうなと内心では思っているものの、とにかく書店員のみなさんはとても忙しいから、いきなり訪ねるのはたいへんな迷惑になるし、そもそも僕に立ち寄って欲しい書店など皆無だろうから、計画倒れに終わりそうな気がしないでもない。
 それでもまあ、出発するタイミングで募ってみて、万が一にも寄っていいよなんて酔狂なことを仰ってくださる書店があるなら、ぜひ寄ってみたいものだ。これは書店に限らず、大学やら専門学校やらのサークルなんかでも新刊の案内をさせてもらえるのなら、平たく言えばたくさん買っていただけるのなら、可能な限り寄りたいと思う。
 ああ、その道順によって、本州を抜けて行くか、四国を通過するか、フェリーに乗るかが変わるから、早めに決めなきゃダメなんだな、これ。

 もうひとつは、アマチュアのみなさんからの取材を受けてみたいなあってことを考えている。条件は一つだけで、取材から一ヵ月以内にどこかに発表してねということだけだ。紙媒体でも学校新聞でもブログでも構わない。残暑見舞いのハガキに書いたっていい。とにかくどこかに発表してくれさえすればそれでいい。これは個人での取材でもいいし、グループでもいい学校の授業でも、何かそういうサークルの練習台としてでもいい。とにかく何かしら僕から話を聞き出したいという変わった趣味趣向の持ち主がいれば、これまた可能な限りお応えしたいと思う。僕は原稿チェックを一切しないので、取材のあとは書きたいように書いてくれたらそれで構わない。
 もちろんアマチュアに限定しているわけじゃなくて、プロも大歓迎だし、新聞雑誌WEBなど既存のメディアのみなさんからの取材だってたくさん受けたいと思っているけれども、これは出版社の人も動くだろうし、そもそも僕なんかに需要はね、ないからね。これっぽっちも。残念ながら、ええ。

 とまあ、こんなことを今はぼんやり考えながらゲラに赤を入れているわけです。書いたはいいが、ページ数の関係でどうしても本には収録できなかったエッセイも何篇かあるので、それはいずれここで公開しちゃえばいいと思っているし、出版社さえオーケーなら本に収録したものだって躊躇することなく、さらっと公開したっていいんじゃないかと思っている。今どきの消費者は、すでに内容を知っているものを買おうとする傾向が強いわけですし。

 新刊については、まもなく、もう少しだけ詳しいご案内が出来るようになると思います。

 あ、そうそう。もしも、俺が売り方を考えてやろうという神のようなかたがいらっしゃったら、あるいは、お前に画期的なアイデアを授けてやろうなんていう神のようなかたがいらっしゃったら、ぜひぜひご連絡ください。すぐにゲラをお送りしますから。僕は面倒くさがりなので、できるだけ運まかせと人まかせで何とかしたいんです。

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浅生鴨

たいていのことは苦手です。

『どこでもない場所』

9月上旬刊行のエッセイ集『どこでもない場所』(左右社)の案内やメイキングなどのあれこれをまとめるマガジンです。たぶん出版社の担当編集者もいろいろ書きます。書籍内容の無料公開もここで予定しています。また、いま絶賛募集中のインタビューのうち、noteに公開された記事はできればこ...
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