長いのがいいの、短いのがいいの|M通信

浅生鴨さんの新刊エッセイ集『どこでもない場所』の担当編集をしています、守屋といいます。書籍のこぼれ話「M通信」に浅生さんから「M通信」と題して補足いただいていたのですが、そのことで思い出したことを通信します。

わー、すみません。私が他の人のエッセイを送ってしまったばっかりに、ブラピのサインが上手くなっていたとは…。最初に打ち合わせをしてから、初めの原稿がいただけるまでの2ヶ月、あの手この手で連絡をしていたことを思い出しました。

そもそもなぜ他の人のエッセイをお送りしたのかというと、一編の長さをどのくらいにするかをご相談するためでした。

エッセイ集は、ananや群像といった雑誌や、新聞で連載していたものをまとめて1冊にすることが多いようで、そうすると雑誌面の都合上、1回ごとの文字数が大体決まってきます。例えば週刊誌の連載だと1回2000~2500字くらいで、誌面1ページを使って連載しているものが多いように思います。

左右社には雑誌がなく、今回のエッセイ集は基本的に書き下ろしです。書き下ろしなので、いろんな長さのエッセイを入れられます。ともあれ最初の目安として、最初にもらう原稿を何文字で書いてもらうのがいいのだろう…?ここで迷っていました。

あのエッセイ、このエッセイの長さはどのくらいだろうと机の周りにあるエッセイ集をリサーチして文字数を書いた付箋を貼って、ふむふむ意外と長いのだね、すごく短いのもありだね、ということをやっていると、長さによってエッセイの雰囲気がガラッと変わるものだとわかって、余計に悩む。どのくらいの長さのものをどこに書くかというフォーマットが、書くものに影響すると思うと悩む……。

一案としてご相談したのが6000字くらい。原稿用紙15枚程度です。ワンテーマで颯爽とした短いエッセイもいいですが、いくつかの話が緩やかに繋がったエッセイもいいなと思い、はじめは長いほうがいいなとご相談しました。それで、付箋を貼った本(「父の詫び状」)から6000字程度のエッセイを抜き出して、文字数とともにお送りしたのでした…。

結局『どこでもない場所』には2000字から8000字くらいまで色々な長さのエッセイが入っています。フォーマットがぁ〜といって散々悩んだのに、原稿をもらって書籍のフォーマットに流し込んでから、ページ数のことも考えつつ削ってもらったり、最後まで長さの調整をしてもらうことになりました。浅生さんはゲラ(原稿を書籍のフォーマットに流し込んだもの)になってからも結構赤入れをするそうで、今回の赤入れも快く引き受けてくれたように見えましたが、「6000字で長めっていったのに…」と思っていやしなかっただろうか…。

ともあれ、いろんな長さのエッセイが入っているのが面白いところでもあり、書籍の方には公開していない長いエッセイも入っているので、ぜひぜひ覗いて見てください。

本書『どこでもない場所』に興味を持っていただいて、取材などご検討いただける場合は左右社までご連絡いただくか、あるいは浅生鴨さん公式ホームページの応募フォームからも受け付けております。

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あそうかも

『どこでもない場所』

9月上旬刊行のエッセイ集『どこでもない場所』(左右社)の案内やメイキングなどのあれこれをまとめるマガジンです。たぶん出版社の担当編集者もいろいろ書きます。書籍内容の無料公開もここで予定しています。また、いま絶賛募集中のインタビューのうち、noteに公開された記事はできればこ...
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