先日めちゃくちゃ暇な時間があったので知能検査の実習マニュアルを読んでいたところ、知能についてとても良い解説が載っていたので引用しておきます。

＂知能の定義は研究者によって様々だが、多くの研究者が同意する公約数的な定義を、知能研究における代表的な学術誌であるIntelligenceに掲載された論説から紹介しよう。
「知能とはごく一般的な心的能力であり、推論する、プランをたてる、問題を解決する、抽象的に思考する、複雑なアイディアを理解する、すばやく学習する、経験から学習する、などの能力を含む。単に書物上の知識や、狭義の学力や、テストでの得点力があるということではない。むしろ、環境理解の広く深い能力——物事を「把握」し、「了解」し、すべきことを「具体化」できること——を表している。」（Gottfredson, 1997）＂

そのほかにも追記として、

＂知能として、思考力と学習力を中心とする一般的、基礎的で適応に役立つ知的能力を想定する見方が有力であることがわかる。思考や学習以外に、記憶、知識、創造性などを挙げることも多いし、狭義の知性にとどまらず、感情的知性や社会的知性のような観点を強調する立場もある。＂

との解説もあり、そういう前提を共有できるだけでも随分話がしやすくなるのではないかと思いました。
ギフテッドの話題などに関しても、ギフテッドとは何かという問題（IQ130以上が目安となっていますがはっきりとした定義はない）以前に、知能とは何かというところから認識が噛み合わなくて、不毛な議論になっているところをよく見かけます。
ひとつの参考として、お役に立てばと思います。