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デキる女

デキる女風のオーラを撒き散らす女が来た。

趣味のいい紺色のスーツにエルメス風スカーフ。小ぶりなでも高級であろう上品なピアス。メイクに隙はなく、爪はサロンで整えられているが、色は控えめ、でもキラキラ付き。

はじめましてお会いしたかったんです、とニッコリ。でも、あ実物はこんな感じか私あなたよりイケてるわよつかぜんっぜんイケてますからオーホホホ。という心の声が聞こえる。なんだろう、この最初から挑戦されてる感じ。

大丈夫です、こっちがぜんっぜんマジ卍に負けてますからオーホホホと心で返しつつ、こういうの若い時はしょっちゅうあったなあと思う。笑顔の女子にどこかで値踏みするようにチェックされること。この人どのくらいおしゃれなのかな目線でチラチラ見る人っていたよなあ。。。

久しぶりだったので、おっと懐かしい!と思い出した。

まあそういう系のことは、自分が気にしなくなっちゃってるんだなあと思いながらオフィスに戻ってきたら、直属の超絶仕事ができる上司がささくれが治らない~!と嘆いていた。その人はなにか相談すると、いつもパキっと気持ちよい答えをくれて、そしてダイジョブダイジョブ!かっかっかっ!と思わずつられる笑い方で心配ごとも吹き飛ばしてくれる。

家族のために、今どき毎日昆布と鰹節から出汁を取って味噌汁を作るその人の爪は、短く切りそろえられていてマニキュアも塗られていない。今のわたしはその方が好っきやねんな~と思いながら、席についた。




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