私が作っているのは「がまぐち」です。

布を扱っていると「布雑貨」という分野があるのですがそれではありません。

私はその分野が好きではありません。

お客さんからしたら「どう違うの？どうでもいいやん」てものだと思います。でもお客さんの反応のためだけに作ってる訳ではないので、お客さんがどう思うかばかりに気をとられる必要は、全くないと思います。

布雑貨といってしまうと、もうなんでもあり。布使ってたら「布雑貨」だからバザーで売ってるようなものも「布雑貨」。布雑貨作家だと言う方はもうなんでも作りますその中にがまぐちが入ってくる訳ですが、あたしはあくまで「がまぐち」のみ

トートバッグもティッシュケースも、マスクまで。布でなんでもできます。そして直線で作れるものなら、「誰でもできる」んです。「誰でもできるもの」は、作家をわざわざ名乗って、見ず知らずの方から対価をいただく必要はありません。

そこらの手芸屋さんでお金を出せば作ってもらえる範囲と同じことをしてるのですから。大抵生地なんて仕入れものなので、他の人と混ぜてしまうとどれが誰の作品かわからなくなるようなもの。そんなのはただの「縫製屋」であって、雑貨作家ではないのです。そこにはただ「売れるための製作」があるだけで作家のオリジナル性は全くありません。

オリジナルのものを作っているというなら、「生地がオリジナル」何より「デザインがオリジナル」なのは当然。「型紙がオリジナルなのは当然」です。

なんでも最初の形を作るのが大変なので、型紙をとるというのはオリジナルのものを作る人には当然の作業の一つです。

ただ、最近は他人が作った型紙を堂々と使って作品として販売する「なんちゃって作家」が本当に多い。型紙を作っているのは「がまぐちをもっと気軽に作って欲しい」という気持ちであえて無料で提供されてる方がほとんどで、「この型紙で商売しないで」とはおっしゃっていないので、いけないことをしている訳ではないんです。（大抵○○の型紙を使ってますと明記くださいとはおっしゃっています）

だけどね、「作家」と名乗りたいのであれば、そのデザインそのものも、もちろんそこからの型紙おこしくらいやれよ　って思います。「私自分では、とてもじゃないけど型紙からなんて作れないから他人様のを使ってます」って堂々と言ってるならもうただの「縫製」だけやってる人なんですよ。

最低限のプライドくらい持って活動したらどうなんだ。

イラストレーターなんかは、自分の絵で勝負してるでしょ。人の絵のトレースを作品として出してる人なんていないでしょ。

もちろん、「結局それで売れなかったら意味ないじゃない、綺麗事言っても仕方ないでしょう」と言う方もいるし、それもわかります。でも「オリジナル」を作る事の大切さは、ちゃんと理解して欲しい。売る前の練習に本や他人が作った型紙で作るのは大事だと思う。でも自分の作品を作って、自分の作品として売るなら型紙もオリジナルで行きましょうよ。

空空商會　朝来はもちろん型紙オリジナルです。でも生地はあえて仕入れものにしています。空空商會　朝来のオリジナルなポイントは、「中を開けるとフエルトモチーフがついている」事です。

例えば、この着物の女の子が描かれたがまぐちBAGの中には

こんな舞妓ちゃんがついています。ほとんど表の記事から発想を飛ばしたモチーフを縫い付けています。ついてることについての意味は「持ってる人がなんとな〜く、あ、あるな」と思うためだけについてます。余計な手間だし、こんな事しているがまぐち作家はいません。「これがなんなの？」という方には一切空空商會　朝来には縁のない方ですが、引っかかってしまう方は確実に楽しんでくださいます。

ちょっとなんか「面白いわ」と思ってもらえる事。

更に空空商會　朝来は活動当初から

この押し口口金を使っています。このお話は、また別のところでしますが。

15年以上前からこの口金を広めようと使っています。

何より開けやすいの、同時に空空商會　朝来は「開けやすい口金」を選んで使っているので、ちびっこや指先に力が入らない方にも使っていただけます。

空空商會　朝来は、押し口をはじめとする口金のセレクトと、他の作家がやらない無駄作業「フエルトモチーフ」そして当然ながら型紙もデザインもオリジナルです。

イベントでお客様と話すときに色々と話す中でオリジナルに対する思いがあるとお客様はそう言う「会話をした思い出」も一緒にお買い上げいただけるんです。

こう言うものを作ってる作家ができることは「お客様にものを購入する事に加えて何かを持って帰ってもらう」事だと思うのです。商品についてのお話をしたり、自分の持ってる情報を話したり、お客様と世間話したり。そう言う「この日、こんな人とわいわいして過ごしたな」と言う思い出を一緒に購入していただいてると思いながら活動してます。

これは、ただ商品を仕入れて並べて売ってるところと違うところだと思いません？

空空商會　朝来は

〜なかをのぞくとフエルトモチーフ、会話が始まるがまぐち〜
　押し口を推すがまぐち 作家　空空商會　朝来

なのです。