見出し画像

スマホ依存に対する考えが変わった日 -子供の2歳の誕生日を控えて-

 私は元々スマホ依存なんて微塵も気にせずスマホを使い、子供にも同じようにどんどんスマホを使わせるべきだと考えていた。それは世で騒がれているネット中毒に対しての知識が全く無かったせいではないと思う。中毒症に対するデメリットよりもスマホを使うことで得られるメリットの方がずっと大きいと考えていたからだ。ところが、AmazonのFIREタブレットを息子が一歳半になった時に与えてから、2歳を控えた今、自分も息子も少しの間スマホの時間を減らそうと考えるようになった。ただし、今でもスマホ時間を減らすことを善として考えているという単純な話ではなく、ケースバイケースでたまたま今は減らす方が合理的だという考え方なので、同じようにスマホの使い方で悩む人は参考にして欲しいと思う。

脳の働きの低下という事実と医療利権

 まずスマホ依存を考える上で一般的によく議論されることとして理解しなくてはいけないのは、この膨大なデータが示してきた事実と利権の話だと思う。利権と並べて話すから悪意のある情報だと感じられるかもしれないが、そもそも脳の働きが低下するというのは様々な研究が示してきた事実のようだ。というのも、スマホはどうも製造者やアプリ開発者の意図により、ついつい長時間使ってしまうように設計されているようなのである。SNSの通知やゲームのことを四六時中考えてしまうのは、ギャンブル依存症と変わらないらしい。これは事実だし、実際にどうしようもなくなってスマホを引き剥がしたほうがいい人間もいて、そういう人を心配する医者がいることに悪意が入り込む余地はないと思う。これ自体利権の話ではない。しかしこの現象を大した信念も無いのに拡大解釈して、そこまで心配が無い人間からもスマホを奪おうとする動きがある。これが利権の話だ。身近なところでは意地悪なお姑さんが子供にスマホでお守りをさせてなんて小言を言うのがそうだと思う。聞き齧った知識でスマホをやらせるなと言いきる教員も個人的には大嫌いだ。そういうのもこういうWHOだとかの権威を着て攻撃してくる。これは実のところ無視していい話だと思う。治療者としての医者に罪はないが、馬鹿な奴らに攻撃の後ろ盾を与えている医療利権は憎むべきだろう。

スマホの最も価値があるのは身体ツールの拡張としての新テクノロジーの側面

 一方でスマホが近年で最も優れたテクノロジーであることは疑う余地が無いだろう。離れて住む家族とリアルタイムで近況を伝えあったり、全く知らない人と一瞬で同じ興味で繋がったり、他国の戦争の様子をその場にいるかのように知ることが出来る。辞書の何百倍何千倍もの情報が片手に詰まっているツールは他には無いだろう。スマホ依存の議論で不安になったとき、私が最も参考にしたのが堀江貴文さんの意見だ。まあこの人は説明が足りなかったり、先頭を行き過ぎてたまに言ってることを間違ってることも少なくないので、鵜呑みにするのは良くないが、未来をよく知っている人なのでこういうことの方向性は間違えていない。極端なことを言っているので、巷の詰まった議論と足して割ってちょうどいいぐらいだと思う。彼が言うには、スマホの最も価値がある側面は身体の拡張ツールという面だという。発想が違いすぎて読んだときはほんとうにショッキングだったが、ググったら大量に主張が出てくると思うのでぜひ探してほしい。スマホは今は片手に収まる画面の形状をしているが、時代と共に今からは想像もつかない形態となり、もはや身体の一部と化していくという。身体の一部に向かっているものについて、依存だのということ自体がナンセンスということなのだ。そういう意味では、もっとも吸収のいい赤ちゃんの時期から好きなだけタブレットを触らせるのは別に間違いでは無かったと言える。

2歳を前にした息子に起きたトラブルと親としての葛藤。そして私自身の効率

0歳の頃から私のスマホを触らせて、返してもらえなくなってきた一歳半ごろにAmazonの FIREタブレットを買い与えた。息子は最新テクノロジーを使いこなす技術を習得し、私は少し安心して目を離す時間を得た。Win-Winだった関係に思われるが、タブレットを与える問題に気がついてしまったのは一歳半検診の頃だ。息子は若干言葉が遅く、簡単な知能テストも同時期の子より遅いということが発覚した。もちろん誤差の範囲であり、タブレットの影響ではなく遺伝のせいということも十分に考えられる。しかし、私と旦那は受験戦争をそれぞれ真正面から戦い、同じ地元の最高峰の大学で出会っている。中高でトップクラスの学力がなければ合格できない大学だ。こういう両親の組み合わせの場合、大抵の研究では子供の成績も良いことが多い。タブレットの影響を疑わざるを得なかった。そして、調べてみるとこの2歳未満の時期では、タブレットから学習することはほぼ不可能で知能テストでは悪影響を及ぼすことのほうが多いという話ばかりが出てきていた。
先ほども書いたように、電子機器についてはネガティヴな結果を言う研究がトレンドなだけ、そんなふうに考えていたが、完全に親のエゴが働いた。一歳10ヶ月を過ぎ、1日でも早く息子の言葉を聞きたい。理屈どうこうではなく親のエゴである。可能性として発達遅滞をもたらしている確率が高いタブレットは少しの間断たせることにした。そして、子供にやらせないことは自分も辞めないと示しがつかないので、私も少しの間スマホ断ちをすることに決めた。
子供に合わせるという理由もあるが、私は私で少しスマホ断ちをするべき理由があった。仕事で1人で集中すべき時間が増えていたのだ。スマホはドーパミンを増やしてマルチタスクをした気にさせ、ギャンブル依存と同じ状態にする。そんなことは知っていたし、そんなデメリットをスルーして、SNSから情報を集めることは少し前の私にとってはとても大切なことだった。おかげで真面目が取り柄なだけのつまらない人間にならずに済んだからだ。LINEやmessengerから仕事の話が入ることも、電話があることも、息子の保育園とアプリでやり取りをしなくてはならないことも日常だ。スマホを断つと言ってもこの程度のことは当然やらなくてはならないので、完全に断つことはできない。それでも最低限まで削り、同時にこのレベルを許すからには息子にもどうしても周りの迷惑も考えて静かにしなくてはならない場面では渡そうと考えている。やるのは興味の向くまま流されてSNSを眺めたりゲームや漫画に時間を取られるすぎることだ。この分の脳のキャパシティを今の自分は仕事に当てていく必要がある。誰かに強要されているわけではなく、私がそういう選択の末に勝ち取りたい未来があるためだ。よくわからないけど会社や周りの人間に依存だだとか言われる人は気にする必要はないと思う。そして、おそらく息子の言葉や論理の発達が落ち着いたり、私も仕事の傾向が変わったらまた使用時間は元に戻るだろう。

スマホ断ちなんて結局意味がない 本当に大事なのは使い方

使用時間が元に戻ると断言するのは、知っての通りスマホが現代においてそして未来においても必要不可欠だからだ。息子の将来を考えるなら使用制限なんて絶対かけるべきではないし、私の仕事においてもよほど世間と関係が薄い仕事でなければ貴重なチャンスを失う結果にしかならないだろう。しかし今回のことで学んだのは、私も息子もスマホに使われるのではなく使いこなす人間にならなくてはならないということだろう。ゲームやYouTube動画を見るなという意味ではない。むしろ見たいなら推奨する。飽きるまで見るべきだ。私も科学知識や文化的教養をYouTubeから得ることも少なくない。ドン引きされるまでハマれば人が持っていないものを得ることができる。それはその人の価値になってくる。だけど世の中白か黒かでもない。30も目前にしてそれなりに知識も人生経験もし、これから人を追い越す勢いでキャリアを積まなくてはならない私、しかもそのために動画編集や集中力がいる企画をやらなくてはならない。気の向くままネットサーフィンするのはもう効果を期待できないと感じている。これは本当に人それぞれで個々で方向性を選択するべきものだ。しかし正しく選ぶためには両面からの情報を得続けることが大切だ。

本や論文の購入に当てます。面白いと思ったらサポートお願いします!