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『市子』

【ネタバレあり】

ソーシャルワーカーをとっちめて線路に置き石したあと姿を消した市子のケーキ屋に北くんが「俺が守護ってあげないと」もんのカカリ具合で凸ってきました。

市子は至高のサイコ是々非々ながら考えあって敢えて黙って消えたのにわざわざ調査までして再登場した北くんには写経を勧めたいです。

山盛りカルマ汁(大おかず)を給食時間中に食べ切れんくて引出しに全部しまい込んで人生の5時間目迎えてんのにそれどうする?あと僕はどうしたらいいと思う?って隣のクラスから聞いてくるのはどう考えても写経。どう考えても精進料理。

長谷川くんと過ごした3年間で市子が得た安心感は本物、すべてが朧げでもコギトエルゴスム的に市子の安らぎは実存したと思います。

顔は真っ白で掌スケスケ、透明な喉から血反吐吐いてた市子にとっても、長谷川くんがたまに買ってきてくれるプリンのおいしさ、一緒にスーパー寄って帰る楽しさは本物だったと思います。

まるで自分の全存在が嘘かのように(特定の人物に)愚弄された市子が、長谷川くんと過ごした時間を思い出しながら彼に持つ印象の名称を自覚するとき、ワタクシ気付いたら泣いておりました。

…というのも私の勝手な感想・反応で、市子からしたら「は?全然ちゃうねんけど笑」かもしれないし、何だったら本人も名状できないかもしれないし、最終的な言動が平素の考え方に基づくもんじゃなかったかもしれない(かも・かも・かも)。

当方完全に市子側の経済レベルのコロニーで幼年・少年期を過ごしたため、コロニー周りの感じ、コズエちゃん家に遊びに行ったときの感じその他のノスタルジイを必要以上に拝受し、そこに市子の家庭環境ならではの窮境が乗っかってフリの部分をパンパンに膨らして観てしまいました。

東大阪・和歌山の限界エレパレ。ちょっと方言も含めて大阪の貧民街の雰囲気完璧すぎひん?(大阪の世紀末バラック文化住宅育ち)

月子の呼吸器外して夕方、部屋の片隅で座り込む市子からヘレディタリー/継承でチャーリーの首を飛ばした翌朝のピーターを彷彿し母親の絶叫が30%来ると身構えたんですが第一声が「ありがとう、こっち来てお茶飲み」だったとき、悲しさと安堵ハーフ&ハーフの新感情になりました。

個人的にめっちゃ面白かったのだけは分かるんですが、受取るものの種類が多くて一旦クリアファイルに全部いっしょくたにしてる感じです。

とりあえず観に行ってよかったです。

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